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この世界がゲームだと俺だけが知っている 作者:ウスバー
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第二百十四章 不可視の刹那

【突然のセールストーク】
小説を読んでいると「あれ、このキャラ誰だっけ?」「あっ! あれ伏線だったのか?」「この伏線どこにあったっけ?」「てかこの伏線何年前のだよ」と思うことがよくありますよね
でも読み返して捜すのは面倒、という人には書籍版! 7月31日発売の最新6巻(80Pの外伝つき)や6月15日発売のコミックス2巻が特にオススメです!

具体的な伏線の捜し方?
まず購入した書籍版を本棚にでも突っ込んで、PCからなろうを開いてください
単語検索かければすぐ見つかりますよ!
「な、何で? くまが、二人!?」

 俺はリンゴに抱かれている背後のくまと、動力炉に続く扉から出てきた、片耳だけが花柄になったくまを何度も見比べる。

 同じ存在が二人。
 普通に考えるのなら、どちらかが本物でどちらかが偽物、ということになるんだろうが。

「もしかしてお前、前の世界(・・・・)のくま、か?」

 俺がおそるおそる問いかけると、片耳のくまは嬉しそうにニタァ、と笑ってみせた。
 そのプライスレスな笑顔を見て、俺はこいつが偽物ではなく、くま本人であると確信する。

 王都で邪神の欠片が復活した時、仲間たちは次々と倒れ、くまも邪神の欠片の攻撃をくらって動かなくなってしまった。
 だから俺は、邪神の攻撃で傷つき、片耳を失ったくまを冒険者鞄に入れて、そのまま「真夏の夜の夢落ちバグ」を使って時間を巻き戻した。

 時間を巻き戻したことによって、くまを含んだ仲間たちは邪神の欠片が復活する前の状態に戻り、全てが元通り、となった訳だが例外がある。
 プレイヤーである俺と真希、それから俺と真希の身につけていた装備だ。
 そしてその中には、傷ついたくまが入った冒険者鞄も含まれる。

 俺は巻き戻し用のセーブが作られた時、冒険者鞄を含むアイテムを全て仲間に預けていたので、前の世界で壊してしまった不知火やダークシュナイダーのような例外を除けば、ほとんどの装備やアイテムが増殖されたと考えてもいい。
 とは言っても……。

「まさか、くまも増えていたとは……」

 生きていてくれたことは嬉しいが、ただでさえ謎な生物、いや生物かどうかすらよく分からないくまが二倍に増えたと考えると、ちょっと空恐ろしいものを感じる。

 そういえばさっき、リンゴの方にいるくまが鞄から出てきた時、確か裁縫用の針を持っていた。
 最近鞄にこもっていたようだし、もしかしてあいつが鞄にいたのはもう一人の自分を自分で直していたからなのかもしれない。
 ……何でもありだな、くま。

 しかし、のんびりと考えごとをしていられたのもそれまでだった。
 今まで棒立ちになっていたバルニスVが、動き出す。

 それも、扉から出てきたくまの方へ!

「なっ!」

 明らかに、ゲーム時代の行動パターンからは外れた動き。
 だからこそ、完全に虚を突かれた。

「くまぁ!!」

 とっさに叫ぶが、この位置ではとても割り込めない。
 だが、焦る俺とは対照的に、


 ――ニタァ。


 強大な敵に襲われているはずのくまは余裕の笑みを見せる。
 素早く冒険者鞄から何かを取り出すと、それを地面にたたきつける。

「あれは……魔法のジェム?」

 もし攻撃魔法だったらカウンターが、と一瞬だけ心配したが、違った。

「マジカルポケット!」

 現われたのは、真っ黒な次元の裂け目。
 冒険者鞄と同じような効果を持つ異次元空間への扉だ。

 そこからまた何か取り出すつもりかと思ったら、くまは手にした冒険者鞄ごと、ひょい、とその中に飛び込んでいってしまった。
 目標を失い、くまの近くまできていたバルニスVが立ち往生する。

「……あ、ああ。そっか」

 まあ冒険者鞄に入れるんならそっちにも入れるよな。
 というか、前の世界でもマジカルポケット経由で伝言を伝えに来たりしたし。

「…ソーマ!」

 リンゴの声に我に返る。
 つい見入ってしまったが、今は千載一遇のチャンスだ。

 くまを追って扉の方に向かったバルニスVとは距離があいている。
 今なら甲板を渡るためにジャンプで移動しても簡単には追いつかれないだろう。
 逃げるなら今しかない。 

「ほんと、いい仕事するよ、お前は!」

 消えていく次元の裂け目の方に一度だけ振り返ってから、スキルを発動。
 サザーンの首根っこをひっつかんで甲板から艦の中に駆け込んでいくリンゴのあとを追う。



 バルニスV対策に攻撃スキルを封印していても、流石に移動速度は俺の方が速い。

「リンゴ! サザーン! ……うわっ!」

 後ろから声をかけると、前を歩いていたサザーンが飛びついてきた。

「ば、ばがっ! じんぱい、がけるんじゃない!!」

 泣きそうな声で、というか半泣きでそう言ってすがりついてくる。

「わ、悪かった! 悪かったって!」

 心配してくれたのは嬉しいが、ここで追いつかれたらせっかくのくまの頑張りが無駄になってしまう。
 俺はサザーンを抱え上げると、移動スキルでリンゴの前に出て脱出装置へと先導する。

 バルニスVに会う前に道はちゃんと確認しているし、雑魚も止まっているために移動速度は上がる。
 どうせなら砲台とボスも止まってくれれば、と思うのだが、まあ明らかに脱出の難易度を上げるための措置だろう。
 本当に、猫耳猫スタッフの性格の悪さは筋金入りだ。

「リンゴ! サザーンも! 今のうちにエンジェルフォールを!
 えーっと、あとくまは……」

 そういえばくまの分のジェムは用意してなかった。
 どうしようか、と一瞬だけ迷っていると、くまはリンゴの身体を器用に移動して冒険者鞄の中に収まった。
 ……いや、便利でいいんだけどさ。

 なんとなく釈然としない思いをしながらも、俺は自分にエンジェルフォールのジェムを使う。
 これで脱出装置で高低差ダメージをくらうことはない。

「ソーマ、あれ!」

 俺に抱えられながらちゃっかりジェムを使ったサザーンが、前方を指さした。
 見覚えのある他とは少し違う移動装置。

 間違いない。
 あれが地上への脱出装置だ。
 走りながらもほっと息をつく。

「何とか無事に辿り……」

 という言葉がフラグになったのか、壁も天井も無視してこちらを追いかけてくるバルニスVの姿が見えた。

「しかも、バードフォームかよ!」

 ゲームの時よりも容赦がなくなっている。
 だが、ゲームよりも速くなっているのはこっちも同じ。

 光魔法をスイッチに飛ばし、俺とリンゴは最後の加速にスキルコンボで脱出装置に飛び込む。
 スイッチに光魔法が着弾するのと、球形の装置に俺たちがなだれ込むのは同時だった。

 俺たちを包み込むようにシャボン玉が形成され、

「――じゃあなイケメン。永遠に」

 呆然と立ち尽くすバルニスVを置いて、俺たちの身体は地上へと運ばれていったのだった。




「ふえぇっ! ソーマさん!? リンゴさん! サザーンさんもっ!」

 脱出装置で地上に戻ってきた俺たちを見て、イーナが驚きの声をあげる。
 そのどこか抜けている声を聴くと、「帰ってきた」という感じがして思わずへたり込みそうになったが、まだ気は抜けない。

 イーナとは違い、こちらは油断なく身構えているミツキに警戒をするようにアイコンタクトを送り、リンゴとサザーンが無事なのを横目に確認したあと、俺たちをここまで連れて来てくれた移動装置に目をやる。

「……消えてる、か」

 見ると、移動装置の光は消えていた。
 さわっても何の反応もない。

「……ふぅ」

 ようやく、息をつく。
 罠フロアに飛び込んだ時にすぐに逃げられないように、なのか、この地上と天空都市をつなぐショートカットを含め、天空都市の移動装置は一度使ったら五分ほどは再使用が出来ないようになっている。
 探索中はイライラとさせられる仕様ではあったが、この時ばかりはありがたい。

 俺はやっと構えていた不知火を下ろすと、留守番組のミツキとイーナ、それから真希に向き直った。

「ひどいですよソーマさん! わたしたちを置いて行くなんて!」
「そーまって昔からそういうとこ変わらないよねー!」

 早速俺に詰め寄って怒り始めるイーナと真希を適当にあしらいながら、ミツキと目を合わせる。

「その様子では、上では中々に厳しい戦いがあったようですね」
「ああ。やばい相手だったよ。スキルを使うと即死級のカウンターを撃ってくる奴でさ。
 くまが頑張ってくれなかったら危なかったな」

 俺が反省を込めてそう口にすると、リンゴの鞄からぴょこんとくまが顔を出した。
 そうだ、と思いついて、マジカルポケットの魔法を使うと、そこからも片耳だけ色が違うくまが飛び出してきた。

「え、ええっ!? な、なんでくまさん二人もいるんですか!?
 も、もしかして分身の術?!」

 予想通りの反応を見せてくれるイーナに含み笑いをしながら、俺はみんなを促す。

「本当はあの装置を使って一緒に天空都市に行くつもりだったけど、悪いけど予定変更だ。
 とりあえずあの装置が動かない間に、念のためこの場所からは離れて……」

 口にしながら、脱出装置から距離を取るように歩き出した時、それは起こった。


「――下がって!」


 猫耳をピクッと動かしたミツキが突然叫び、先頭にいた俺を引っ張って後ろに跳ぶ。
 次の瞬間、だった。


 ――ドォン!


 真っ赤なシルエットが天井を突き破って、いや、天井をすり抜けて、俺たちの目の前に降り立った。

「うそ、だろ……」

 俺の口から、絶望のうめきが漏れる。
 隣に立った仮面の魔術師が、その絶望の名前を口にする。

「……バルニス、V」

 俺たちを逃がすまいとするように廊下に仁王立ちするのは、間違いなく天空都市のボス。
 くまが機転を利かせ、俺たちが全力で知恵を振り絞り、やっとの思いで逃げてきたはずの鋼鉄の勇者、バルニスVだった。

 どうやら俺は、いまだにこいつの能力を侮っていたらしい。
 ゲームでは天空都市から出てこないから、俺たちは脱出装置以外から天空都市を出られないから、あいつもそうだと勝手に決めつけていた。
 このロボットが、普通の相手ではないことは、散々に分かっていたはずなのに。

 ――どう、すればいい?

 俺たちを袋小路に追い詰めるように、いや、実際に追い詰めているのだろう、奴が立っているのは通路の出口側だ。
 これ以上下がっても移動装置しかないし、その移動装置だってあと数分は使えない。

 バルニスVの巨体が動くには狭い廊下だが、透明化する奴にとっては関係ない。
 むしろ俺たちの動きが制限される分、向こうにとって有利だ。

 ――駄目だ。前よりも、状況が……。

 こうして考えている間にも、バルニスVはじりじりと俺たちへの間合いを詰めている。
 もうくまの助けは期待出来ない。

 何か、俺が何か……。


「――私が、行きます」


 最悪の状況に固まっていた俺の手に、ひんやりとした手が触れる。
 その手の持ち主は、こんな時なのに優しげに笑うミツキだった。

「ミツキ!? だけどあいつは……」
「大丈夫。スキルなしでの戦闘なら、私の得意とする所です」

 俺を安心させるようにそう言って、愛剣を手にバルニスVの正面に出ようとするミツキ。
 確かに、スキルなしの戦闘なら、ミツキの方が俺より強いかもしれない。
 もし、こいつに勝つ可能性があるとすれば、ミツキくらいしか……。

 ……いや、駄目だ!

 俺が最初に戦った甲板ならともかく、この通路は狭い。
 機動力を第一とするミツキには不利だ。

 加えて、あいつは高い知性を持っている。
 もしミツキと正面から戦うことを選ばず、後ろの誰かを狙われたとしたら逃げ場がない。
 誰かに犠牲が出る。


 ――だったら!


「え?」

 前に出ようとするミツキの肩を、そっと押し留める。
 そして、

「……俺が、行くよ」

 入れ替わるように、前へ。

「ですが、スキルなしの戦闘では……」
「いや、スキルを使う。あいつのカウンターより速く、スキルを当てて倒す」

 ミツキの言葉をさえぎって、そう言い切る。


 ……あるのだ。
 こいつの超速のカウンターをさらに上回る速度で攻撃して、一瞬でこいつを倒せる可能性のあるスキルが。


 俺がゲーム時代に使っていた主要スキルコンボ、その四つのうちの一つ。
 この世界に来てからはスタミナの問題から使えなかったり、長期戦に向かないため使用を自粛したりで実戦で使う機会がなく、速度が三倍になってからは使用難度の問題から使える場面がなかった。
 だが、このコンボを成功させればおそらく、いや、間違いなくあいつは倒せる。

「邪神を倒そうって奴が、あんなのにいつまでもでかい顔させてられないだろ」

 軽口を叩きながらも、前に踏み出す足はかすかに震えている。
 もちろん、これは分の悪い賭けだ。

 失敗すれば、俺は間違いなく殺される。
 バルニスVに手傷を負わせることも出来ないまま、無駄死にすることになる。

 そして、失敗の可能性はとても高い。
 ゲーム時代、速度が上がっていなかった時も針の穴を通すようなシビアなタイミングを要求されたのに、今ではその難易度はさらに上昇している。
 いまだに練習では、十回に一回、うまくいくかどうか、といったところだ。


 ――それでも、その瞬間は、ある。
 ――不可能を可能にする一瞬フレームは、確かに存在しているのだ。


 だったら、誰かを犠牲にするよりは、俺がその一瞬をつかみ取って、こいつをぶっ飛ばせばいい。
 それだけの、実に単純な話だ。

「待って下さい!」

 後ろから、ミツキの制止の声。
 だが、俺は止まらない。

 目の前の真っ赤な偉丈夫を見つめ、集中、していく。

「私だって知っています! 魔物が打ち放った攻撃は、たとえその魔物自身が死んでも止まる事はない!
 貴方が魔物の斬撃より速く魔物を倒したとしても、貴方自身は……!」

 背後で息をのむ気配。

 もちろん、そんなことは分かっている。
 それでも……!

「ソーマ!!」

 悲痛な声をあげたのは、はたして誰だったか。
 だが、全てはもう遅い。


(――ステップ!)


 その声が発せられた時にはもう、俺は奴の間合いに踏み込んでいた。

 鋼鉄の勇者と目が合う。
 その無機質なアイカメラに向かって、俺は不敵に笑う。

 ――無茶かもしれない。
 ――無謀かもしれない。

 それでも俺は、全く負けるつもりはなかった。
 そして俺は、心の中で叫ぶ。

 人生最後になるかもしれないオーダーを。
 この鋼鉄の勇者を葬るための、とっておきのスキルの名前を!


(―――――!!)


 極限の集中力の中で、全てがはっきりと見えた。
 超高速で動くバルニスVの身体も、スキル効果と三倍の速度で人間離れした動きをする自分の身体も、正確に把握出来る。

 スキルを発動した瞬間、俺の身体は勝手に動き出す。
 プログラムされた動作に従って、腰を落とし、右手を左腰に引いた、抜刀の構えに。
 今にも強烈な斬撃を放ちそうな、静かな中に爆発力を秘めた構え。

 ――だが、俺は気付いてしまった。

 俺の目の前に、もうバルニスVの巨体がある。
 いや、それだけじゃない。
 俺の命を刈り取ろうと、もうその巨大な刃が轟音をあげて迫っている。

 ――斬撃は、間に合わない。

 俺の不知火が打ち放たれる前に、バルニスVの剣は俺を両断する。
 その確信を裏付けるように、肉厚の刃が俺に迫り……。


(――縮地!)


 俺は全力で後ろに跳ぶ。


 ――そして響く、轟音、爆音。


 それが俺の集中を吹き散らし、世界は速度を取り戻した。

「ぐっ!」

 後先考えずに後ろに跳んだ身体が、何かやわらかいものに受け止められる。

「…ソー、マ?」

 縮地の移動で必要以上に後ろに跳んでしまった俺を受け止めてくれたのは、リンゴだった。

「ありがとう、助かった」

 お礼の言葉もそこそこに、思わず首に手をやった。

(……よかった、ちゃんとついてる)

 ギリギリのタイミング、だった。
 縮地を発動させる直前、バルニスVの剣が俺の首の辺りに潜り込むのが見えた。

 斬られた、と思った瞬間に身体が後ろに引っ張られ、発生した轟音に一瞬だけ意識が飛んだ。
 理性では避けられた、と分かっていても、実際に触れてみるまで無事だったと信じられなかったのだ。

「あ、そういえば」

 思い至って右手の不知火を見る。
 何だかボロボロになってしまっているような気がするが、こちらもどうやら無事なようだ。

「……よかった」

 やっと、安堵の言葉が出る。
 俺が気を抜こうとした瞬間、

「よかった、じゃ、ないですよソーマさん!」

 キンキン声を響かせて、混乱した様子のイーナが俺に詰め寄った。
 そして、背後に手を向けると、


「――これ、一体何なんですかぁ!!」


 天空都市の廊下……だった吹きさらしの空間を、興奮した様子で指さした。
 バルニスVが立っていた(・・)場所はぐちゃぐちゃに蹂躙され、左右の壁も、天井すらも吹き飛んで、今ではただの瓦礫の山と化している。

 肝心のバルニスVはもはや原型を保ってはおらず、ばらばらになったパーツから立ち上る消滅の光だけが、いまやかのロボットが存在していた唯一の証となっていた。

「そ、ソーマさんが変なロボットに向かっていったと思ったら、急に爆発して……」
「爆発では、ありません」
「……え?」

 ヒートアップしたイーナの声に水を差したのは、ミツキだった。
 だが、その声はいつもの凛とした張りを失い、かすかに震えている。

「信じられません。信じられませんが、この破壊跡は間違いなく剣によるものです。
 ですが……ですが私には、斬撃どころか、剣を抜き放つ瞬間すら見えなかった!
 一体何が起こって、いえ、貴方はあの瞬間、一体何をしたのですか?!」

 戦いのことなのに、いや、こと戦闘のことだからなのか。
 普段の冷静な仮面を放り棄てたように動揺し、猫耳を振り乱して俺に詰め寄るミツキ。
 狼狽を通り越し、もはや泣き出しそうにすら見える彼女に、俺は静かに告げた。



「――猫耳猫流最終奥義『しん刹那五月雨斬せつなさみだれぎり』」



 その言葉にポカンとして耳を真横に傾けたミツキだったが、それでもまだ理解が追いつかないのか、首を振る。

「せ、『刹那五月雨斬』というのは確か、私の道場で使った技ですね?
 ですがあれにはもっと時間がかかったはずですし、いくら三倍の速度になったとはいえ、その斬撃だって目で追えない程では……」
「いや、見えなかったのは当然だよ。だってこの技は――」

 単発で乱れ桜を使うだけの「刹那五月雨斬」とは違い、乱れ桜をショートキャンセル(・・・・・・・・・)する「真・刹那五月雨斬」は、猫耳猫の全ての技の中で、最速発動、最大範囲、最多攻撃数を誇る究極の連携技であり……。


「――まだ放ってすらいない数百の斬撃を一瞬で相手に浴びせかける、最強の技なんだからな!」

不可視の斬撃!!(キリッ


次回更新は明日!
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