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幻想再帰のアリュージョニスト 作者:最近

第4章 傷つけるのはハートだけ、口づけるのは頬にだけ

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幕間『騒乱』




 つい先程までの観客たちは試合観戦という熱狂に溺れていた。
 だが今は、自らが拳を握り暴力に埋没するという熱に浮かされている。
 暴徒と化した観客たちは目を血走らせ、喉も涸れよとばかりに罵声を吐き出している。そこに理性は無く、まるで会場の雰囲気に支配されているかのようだ。
 ――実際、彼らは操られている。

 いつの間にか罵り合いの内容は試合に関することから互いの異質さや身体的特徴をあげつらったり、言い掛かりめいた悪意をぶつけ合うものに変質していた。
 根拠など何も無い、ただ敵意を撒き散らすためだけの言葉。

 分かりやすく邪悪な敵は正しい味方を作り出す。
 我々は結束し、奴らに対抗しなければならない。
 弱い女子供を守れ、卑劣な奴らを駆逐せよ。
 人々を駆り立てているもの、昂揚させているものは果たして何なのか。

 ある者はこれ見よがしに地面に唾を吐いて見せた。大地の民に向けての最大級の侮辱。ある者は携帯端末や応援用の拡声器を破壊して見せた。技術力を誇りとするガロアンディアンとトリシューラに対する敵意の表明。
 ある者は大地球体説を未だに信じている大地の民を嘲笑し、ある者は機械不要論を叫んで見境無く周囲の物を打ち壊す。

 それを見ながら、『私』はあまりに出来過ぎていると感じた。
 ガロアンディアン側の勝利が、ではない。彼らは予想以上に強かった。ただそれだけのことだ。問題はそこではない。
 試合後に生じた疑惑、そこから派生した諍い、その果ての暴動が問題だ。
 扇動した者がいる。恐らくは、呪術的な力によって。

 集団を支配する使い魔系統の呪術、それもこれほどの規模で扇動ができる使い手となるとそう多くはない。
 その目的は判然としないが、元凶の正体は自明だった。
 アレッテ・イヴニル。忌まわしい毒婦。

 混乱のただ中、ベンチから一冊の本がこちらに向かって飛来してくる。
 黒い装丁の魔導書。【死人の森の断章】が教えてくれているのだ。
 これこそは書物の形で分割された王権。
 その担い手が、近くで力を行使している。

 同質の力は引かれ合う。オルヴァ王が斃された後、彼の持つ【地位の断章】は忽然と消え去っていた。しかし、かの大賢者の気配は無いというのに【断章】の気配だけが感じられる。このことが意味するのは、つまり。
 そこまで考えた時、背後の部下たちが私に呼びかけていることに気付いた。

「ルバーブ様、我々はどうすれば」

「落ち着け。まずは陛下の安全を確保することが先だ。カルメーキフとドルン、ゴガベズは私と共に貴賓席に向かうぞ。ソーレル、ドック、ペルシカリア、エキドナで暴動の鎮圧に当たれ。多少手荒になっても構わん」

 矢継ぎ早に部下たち――共に棘球を追いかけていた王国きっての戦士たちに命じていく。続いて【断章】の項をめくり、その機能によって離れた場所に配置されている部下たちにも指示を下す。その後、一人だけ指示を後回しにしていた男の方を向いてこう告げた。

「それからアレトは自分の名を媒介にしてアレッテ・イヴニルに呪縛をかけろ。あの魔女めの動きを多少なりとも妨害できるはずだ」

「しかし、そうしますとアルト王にも影響が」

 ある意味で不遜ともとれる心配をするアレト=アーキフ。かの王にあやかった名を持つこの男は戦士だが、ラフディ随一の宮廷付き呪術師でもあった。彼は自分が本気で呪詛をかければ、その余波で悪しき魔女ごと亜竜王を害してしまうのではないかと考えたのだ。

「構わん、やれ」

 無論、アルト王の力の強大さを信用しての命令だ。
 並大抵の――どころか、熟練した呪術師であってもこの男の呪いに耐えきれる者はそういない。というより、ラフディにおいてすら彼の呪詛に抗しうるのは私だけだ。この第五階層では六王とその側近、それに近い実力の者くらいだろう。

 つまり、もしこの試みが失敗に終わったならば。
 あの魔女が、それ相応の実力であることが確実になる。
 大地に手をついて呪いの文言を唱え始めた彼は、数秒の後に呪いを返されて崩れ落ちた。目から黒い血を流し、口から歯をぼろぼろと落としながら肉と骨を朽ち果てさせている。

 指示を下した私にも因果が繋がっていた為か、呪い返しが黒ずんだ闇色の触手となって襲いかかってくる。咄嗟にはね除けたが、腕に痺れ、次いで感覚の喪失を得た。見ると、触手が触れた部分にびっしりと紅紫の髪が絡みついている。

 おぞましいのは、それが私の身体から直接生えていたことだ。
 ぶちり、と肌ごと引き抜いて捨てる。掻き毟って周辺の肉を刮ぎ落としたいという衝動を抑えながら事態の深刻さをもう一度確認する。
 アレッテ・イヴニルの力は予想を超えて――いや、予想通りに強大だ。

 試合直前のトリシューラとの会話、そしてそれまでに行った独自調査によって、私はアレッテという女の正体におおよその見当がついていた。
 だがそれは致命的な情報であった。公言することは決して出来ない代物だ。その事実が明かされたが最後、ガロアンディアン、竜王国、そしてラフディの三国は間違い無く根底から揺るがされてしまうことだろう。

 私は、アレッテという女が本物の貴種であることを知っている。亜竜王に連なる名前の由来も、ラフディの王家に連なっているのだというその来歴も、全て。そしてそれは騙りなどではない。我が主が直感のみで信用したことは、ある意味では正しいのだ。確かにあの女は正統だ。王家の血脈という呪いに連なっている。

 だが、それがなんだというのだろう。
 奴の思い通りにさせるものか。
 まずは陛下の安全を確保しなければ。

 ちらりと競技場の反対側に目を向ける。
 ガロアンディアンの戦士たちは一箇所に集まって対応を協議しているようだった。機械女王トリシューラが周囲の兵たちに命令を下している。接触しようかと一瞬だけ考えたが、それはあまりに軽率かつ身勝手な行動であり躊躇われた。陛下の指示を仰ぐのが先だ。

 走って貴賓席に向かう直前、一瞬だけシナモリアキラと視線がぶつかった。
 サイバーカラテの紀人。
 意思決定の外部化。その極致にして体現者。その在り方に、どうしようもなく私は共感していた。私たちは同じだった。故にラフディにおけるサイバーカラテの伝承者は私であるのだ。全ての責任を放棄して我が主に何もかもを委ねている私こそ、サイバーカラテは相応しい。

 ラフディのサイバーカラテは、基本となる『経験の釜』と『意思決定の神託』を球神の加護に委ねている。しかし、現代に甦ったこの技術は万人向けに解放されている『ちびシューラ』という妖精を取り込んで格段の進歩を遂げた。国技にして軍隊格闘術であるラフディ相撲は体系立てられた管理と洗練、普及と幼少期からの教育によって大地の民に最適化されている。

 しかしそれでも、その在り方が『古いサイバーカラテ』であることからは逃れられない――我々はシナモリアキラの影響下にある。
 走りながら、ガロアンディアンの戦略に思いを巡らせる。
 彼らの狙いは明らかだった。

 ガロアンディアンの技術力を誇示することがこの球技大会の目的だ。
 一目で分かる結果は、勝敗以外にもある。
 【サイバーカラテ道場】による技術習得の効率化は運動に不向きな者、苦手な者たちの参加の敷居を下げる。あの『杖』呪術は全体の底上げに適しているのだ。

 運動ができる者は効率的に実力を伸ばせる。傑出した天才や型に嵌らない異才とは相性が悪いが、堅実な秀才との相性はとても良い。
 最高峰の選手には敵わない。
 しかし国全体の総合力では確実に上回れる。
 その成果によって、彼らは勝敗に関わらず『評価』を獲得しようとしていた。

 そしてもう一つ。
 こちらはもっと単純だ。それはサイバーカラテの強さを証明することである。
 トリシューラが試合にサイバーカラテを持ち込んできたのは、こちらがその対策としてラフディ相撲――つまりラフディ流のサイバーカラテで応戦することが見えていたからに他ならない。そうすることで、どちらが勝ってもサイバーカラテへの評価が高まってしまうという『詰み』の状況を狙っていたのだ。

 仮にラフディの勝利で終わっていたならば、トリシューラは『流石は大地の民。サイバーカラテを見事に使いこなしている』などと褒め讃え、より一層サイバーカラテを大地の民に浸透させようとしていたことだろう。ラフディ国民がサイバーカラテを誇りに思ってしまえばそれはあちら側の思う壺だ。

 便利さとは強さだ。
 たとえこちらが勝利してガロアンディアンを取り込んでも、魔女の技術力とサイバーカラテの理念は内側からラフディを侵食し、全く別のラフディに作り替えてしまうことだろう。

 文化侵略によって内側から攻撃されたラフディは、その名と文化の名残を持ちながら、ガロアンディアンを無秩序に混ぜ込まれた『何か』になってしまう。
 サイバーカラテを司る紀人であるトリシューラとシナモリアキラの力はそれによって高まり、ガロアンディアンはラフディの中で再生する。

 恐ろしい相手だ、と思うのと同時に、ある考えが私の中で膨れあがっていく。
 それは途方もなく危険な――ラフディに忠誠を誓った戦士として考えてはならないことだった。つまり、逆に考えれば、あらゆるものを包括するサイバーカラテの中でなら『ラフディ』を生かし続けることができるのではないか、という。

 それは神の加護によって『再生』を実現する再生者とは全く違った『永遠』の形だった。危険な、それでいて甘美な誘惑。再生者の神は全てを赦す大いなる母だ。死人の森の女王は全てを包み込み、全てを愛する。我が主も同様に。それならばいっそ、冷たく理不尽に全ての価値を貶める鋼鉄の女王の方が――。

 危険な考えだ。
 思考を中断する。やはり私はシナモリアキラとトリシューラ――サイバーカラテに入れ込みすぎていた。戒めねばならない。
 心を一つの事で埋め尽くす。

「陛下、今参ります!」

 部下を引き連れて疾走し、場内に下りてきて乱闘を始めている観客たちを強引に薙ぎ倒しながら突き進む。謝罪は後だ。今はただ、陛下のことだけを考えろ。
 跳躍して地上三階ほどの高さにある貴賓席に飛び込んでいく。万が一、棘球が飛んできても問題無いように張り巡らせていた透明な呪術障壁を粉々に砕きながら着地し、転がりながら受け身を取った。

「これはどういうことなのだ、アレッテよ!」

 陛下の動揺する声が耳に飛び込んできた。
 ああ、やはり我が主はこの魔女を心底から信頼していたのだ。
 その純粋さは胸に響いた。同時に、魔女への憎しみが溢れ出す。
 陛下の太陽の如き面貌には雲がかかったかのような翳りが差していた。暗雲が何であるのか、今更説明するまでもない。陛下と相対していた人形を睨み付ける。

「アレッテ・イヴニルッ! 貴様が全ての元凶かっ!」

「いいえ。私は何もしていないわ」

 紅紫の髪の女は白々しくもそう言い切った。途端、陛下のかんばせに輝きが取り戻された。それすらも痛ましい。魔女の言葉は事実ではあっても、真実では決して無い。確かにあの女本人は何もしていないのだろう。

「では、あれは貴様の使い魔たちが勝手に扇動した結果だとでも?」

 人形は目を微かに眇めてこちらを見た。
 それから、薄く笑って言った。

「そうね。みんな、私想いの優しい子たちよ。何にも言わなくたって、私のして欲しいことを自分からしてくれる素敵な騎士様。ああ、それに今回はお友達も助けてくれるみたいなの。機械嫌いのおじさまに、悪戯好きの兎さん、それから――」

「待て、待ってくれ! お前たちは一体何を言っている?! 何故こんなことが起きているのだ、誰か俺に説明してくれ!」

 困惑した声が魔女の言葉を遮る。この期に及んでもまだ陛下は嘘を信じようとしていた――それを、私は責められない。
 『嘘』を信じて追い求めることがマラード王の本質であるからだ。
 その在り方を、私は肯定する。

「陛下、全てはこの魔女の仕業なのです。こやつは混乱と破壊をもたらそうとしております。陛下と陛下のラフディにとって害にしかなりませぬ」

「いいえ、いいえ。そんなことは無いわ。私は陛下の為に行動しているの。この騒乱も、全てはその後に訪れる救済の為。これは歴とした呪術。古い形のラフディーボールなのだから」

 これは球技の――儀式の続きなのだと語るアレッテ。
 確かに――元々のラフディーボールは現代のような競技というよりも、神に捧げる儀式という側面が強かった。勢力間の争い事を決着させる為、豊作の祈願、猟の安全、球神への感謝。目的は多種多様だが、共通するのは激しい闘争と血が必要とされることだ。

 そして、かつてこの儀式は大量の贄を必要とした。それこそ千人からなる戦士団が一斉に野に放たれた獣を追い、互いにぶつかり合って功を競い合ったのだ。棘球を投げ合うという行為は後から生まれたものに過ぎず、本質は他にある。

 今のこの状況は、確かに古いラフディーボールの在り方に近い。
 暴徒たちは予備の網棒を手に殴り合い、棘球を投げ合っている。『ラフディーボール』は密集地帯でこそ効果的に機能する。飛び散った棘は全てがいずれかの対象に突き刺さって苦痛と流血を生み出していた。

 それらは全て、球神への供物となる。
 巨大な呪力が地に満ちて、それは呪術師にとってみれば宝石の木が実を付けるようなものであろう。つまり、この女の狙いはそこにある。

「これが、この光景が球神への信仰ゆえの事だと言うのか? それで納得しろと?! しかしアレッテ、それでは余りにも民が哀れではないか!」

 我々は球神の名を出されると血と暴力を否定できなくなる。
 しかし、神の御名を濫用すること、私利私欲に神を利用することは球神の道に外れたことだ。魔女の弁明は、邪教徒であることの告白に過ぎない。

「馬脚を現したな、邪悪な魔女め。聖なる球神の名を騙り、穢れた儀式でラフディを穢そうとする貴様はもはや一秒足りとて捨て置けん。陛下、どうか一言ご命令下さい。この女を排除する許可を!」

 戸惑う我が主。
 私が視線に込めた敵意が魔女の余裕に満ちた視線とぶつかり合う。
 どぶのような邪視圧。息苦しさを堪えて、全力で睨み返した。
 視線と共に、言葉の応酬が始まる。

「ねえ、麗しい陛下。可愛い、可愛い――かわいそうなマラード様。どうかこれだけは信じて欲しいのですけれど、私はあなたのことが大好きで、いつだって味方のつもりなんですよ?」

「信じてはなりません。この女は邪悪そのものです! お願いでございます! どうか、この女を排除せよとの命令を私めにお与え下さい!」

「ひどい男。ひどい偽り。ねえ陛下。このルバーブを信じてはいけません。だって、彼はどうしようもない嘘つきなんですもの。彼ほど信用に値しない男はそうはいません――ほら、嘘の断章が雄弁に語っているわ」

 私の背後で、黒い魔導書がひとりでに項をめくっているのを感じた。
 読み手もいないというのに――だが、書き手は確かにいるのだ。

「貴様こそ――オルヴァ王から奪った【地位】を隠し持っているのではないか?」

「何の事かしら? 言い掛かりはやめてもらいたいわね」

 何と白々しい物言いだろうか。しかし、それはこちらも同じ事。この女への嫌悪と敵意が何の裏返しであるのか、私は気付かない振りをしている。濁った魔女の瞳は、『お前の欺瞞を知っている』とはっきり告げていた。
 認めよう、私はこの女を恐れている。

「陛下、アレッテはあなた様の味方です」

「陛下、このルバーブは貴方を決して裏切りません」

 ざわめきを切り裂いて、二つの言葉が交互に王へと捧げられる。
 切実な嘆願が滑稽に並び、端麗な王の戸惑いはますます大きくなり――やがて、決意がその瞳に浮かぶ。我が主は私と魔女の顔を交互に見て、口を開いた。

「――俺は、ルバーブを信じよう」

 その時。アレッテの瞳にはっきりとした感情が浮かび上がった。
 どぶのような目の奥にあったのは、傷ついた心。
 人形には、傷つき苦痛を訴える確かな心があったのだ。
 胸中を歓喜が埋め尽くし、ぞっとするほどに醜い悪意が魔女に向けられていた。
 俗な優越感と蔑み、勝利の快感。

 表情には出さないまま、陛下を背後に庇いながら拳を魔女に向ける。
 俯いたアレッテの顔を垂れ下がった紅紫の前髪が隠す。
 一瞬の後、魔女は再び余裕に満ちあふれた表情を取り戻していた。

「そう。ならもういいわ。面倒だし、適当に済ませてしまいましょう――封鎖を開始なさい、ちびシューラ」

 やる気のない口調で何かを命じるアレッテ。
 我が主が鋭く反応した。

「ルバーブ、阻止しろ!」

「御意!」

 間合いを一瞬で詰めて渾身の掌底を放つ。この距離は魔女ではなく戦士の領域だ。躱せはしない筈――その慢心が、私の足を引いた。
 文字通り、足を引っ張られたのだ。アレッテの手指から、細い糸が伸びている。糸が貴賓席の端にある柱を経由して私の足に絡みついていたのだ。

 真横に引っ張られて転倒する。解こうとして気付く。これはただの糸ではない。
 毛だ。薄く細い紅紫の毛髪が私の足を拘束している。
 呪力を最も良く通す素材の一つである髪の毛。
 呪力を糸に流すことによって、凄まじい強度と指先のような自在な動きを可能としているのだ。

 私の無様な転倒を受けて、引き連れてきた部下たちが続けてアレッテに襲いかかる。いずれも劣らぬ勇士たちだ。しかし魔女は余裕の表情を崩さない。
 アレッテの左手は私の足を封じたことで動きが止まっている。
 戦士の一人、カルメーキフが右側から襲いかかった。丸盾を基点に展開させた球形の呪術障壁で身を守り、右手の攻撃を無駄撃ちさせるつもりなのだ。

 その隙にドルンが獣のように四つ脚で駆け、ゴガベズが斧を担いでアレッテを攻め立てる。息の合った同時攻撃。対処するには下がるしかないが、魔女の背後は壁になっていた。私は勝利を確信した、しかし。

「カルメーキフ! ドルン! ゴガベズ!」

 直後、私の目に映ったのは惨劇だった。
 眼前を『線の嵐』が吹き荒れる。
 空間をずらして境界線を定めるかのような異様な『歪み』がアレッテの右の五指から伸びて、カルメーキフの堅固な守りをいとも容易く断ち切ったのだ。

 疾風の如き速度で駆けるドルンを捉えたのは粘つくような視線。高位邪視者の視線が半透明の糸となって具現化し、無数の糸に枝分かれして拡散、獣の戦士を絡め取っていく。視線の糸は彼を持ち上げるとまるで爬虫類の爪のような形状をとり、そのまま握り潰した。呪いの視線によって石化したドルンが砕け散った。

 ゴガベズは噛み砕かれていた。
 波打つ巨大な大顎――紅紫の大蛇の牙によって。
 アレッテの地につきそうなほど長い髪。
 それが蠢き、大蛇のような形に変貌して敵対者を屠ったのである。

「こら、駄目よグレイシス。ぺってしなさい、ぺって。全く、悪食なんだから」

 まるで愛玩動物に躾をするかのように自分の髪に語りかけるアレッテ。
 左手は拘束、右手は斬撃、視線は束縛系邪視の極致である竜爪眼、更に髪の毛には得体の知れない怪物が宿る。
 これが、使い魔の使役を得意とする支配者の戦闘能力だとは俄には信じがたい。

 死人の森の女王のように全てに秀でている使い手や、カーティス王のように使い魔と支配者の境界が存在しない使い手も存在するが、それは極めて稀有な例だ。
 油断をしていたつもりはない。だが、こうもあっさりラフディの精鋭が斃されてしまうというのは尋常では無い。
 あるいはこの女。我々よりも――

「悪いけど、貴方たちと争う気は無いの。ほら、遊び相手はあちら」

 アレッテはするりと私の拘束を解いて、無造作に足を進める。
 陛下が思わず一歩退くが、魔女はそちらには目もくれず競技場の方へと向かって行った。ふわりと浮き上がると、何らかの呪術によってそのまま空中を進んでいく。暴徒が溢れ出して相争っている真上を悠然と飛んでいった。

「待て!」

「いや。ベルグくん無しであなたと殴り合いなんてしたくないもの」

 あっさりとした拒絶。
 遠ざかる魔女と入れ替わるようにして、小さな影が空中に躍り出てきた。
 サイバーカラテを司る小さな妖精、『ちびシューラ』だ。
 しかし何か様子がおかしい。表情は獰猛で悪辣、目の縁は濃い化粧によって凶悪さを強調されている。にたにたとした笑いがおぞましい。

「国土交通シューラがみんなにお知らせだよ-! この競技場は、これからみんなの棺桶に大改築しまーす! 再生者の増大は大問題! なので、お墓や棺桶でみんなの数をいっぱい減らして、呪力エネルギーに還元します! とっても効率的だよねっ! 正しくてみんなが幸せになれる国を目指して、レッツインテグレイト!」

 突如として現れた小さな妖精。国土交通シューラと名乗ったそいつは、悪意に満ちた笑顔で世界の改変を開始する。
 どこかからトリシューラの拡声器越しの叫びが聞こえてきた。

「そいつはワルシューラ! 私の偽物だよ! みんな騙されないで!」

 混乱の中、機械的な女王の叫びは 虚しく響くだけだった。
 『ワルシューラ』なる偽物は、悪意に満ちた呪文を詠唱する。

「使い魔系呪術【騒乱(メイヘム)】でしっちゃかめっちゃかにするよー!」

 そして、世界が揺れ動く。
 私は陛下を連れて崩壊していく貴賓席から脱出した。着地すると、陛下を守護しようと芝生の地面が持ち上がって柔らかな土の台座を形成する。集まった警護の兵士たちと共に陛下をお守りしつつ、迫り来る暴徒を食い止める。

 そうしながら、我々はそれを見た。
 半球状の競技場が、球形の檻と化していく光景を。
 第五階層の理が歪み、即時に形成されていく半球状の天蓋。
 入り口を塞ぎ、逃げ道を閉ざす無数の壁、壁、壁。

 閉ざされた球の中、かすかな照明が人々の不安をかえって増大させていた。
 そんな中、誰かがある一点に穴があると叫ぶ。
 半球に覆われた天井の中央部だけが閉ざされていないのだ。
 差し込んだ光を希望と見たのか、一部の者が箒に乗って脱出を試みる。

 それが命取りとなった。
 直後、真上から巨大な柱が落下してきたのだ。
 無数の岩石を積み上げて出来た硬い質量。
 その正体は、塔だ。

「油断ね。長大なもので貫かれるのが世界というものなのに」

 牢獄の中に響く、アレッテの声。
 世界を貫く塔を背後に、紅紫の魔女が浮遊している。
 呪術によって拡大された声が、遮ろうとするトリシューラの声を妨害しながら全ての者に届いた。

「ここは淫らな大釜。艶やかなる花弁。開いて閉じる淫蕩の出入り口。生命の坩堝と化したこの儀式場は、血を神に捧げるための祭壇に他ならない」

 あの女にこれ以上言葉を続けさせてはいけない。
 髪の毛を引き抜いて呪力を通す。毛髪の呪術は奴の専売特許ではない。硬質化させた『棘』を大地に突き刺し、力を込めて引き抜く。髪の毛を軸にした大地の槍。呪力によって圧縮された質量を肩に構え、渾身の気迫と共に投げ放つ。周囲の戦士たちも同様に髪の毛の投槍で魔女を撃墜しようと試みていた。

「呼び起こされた球神は荒ぶっている。始まってしまった儀式を終わらせる為には、正しい手順で血を流すしか無い。そう、たとえば正しい資格を持った祭司(おう)が戦士たちを従えて敵対者たちの首を捧げるとかね」

 だが、天に投げ放たれた投槍の群は尽く撃ち落とされてしまった。
 人形姫の前に立ちはだかった二つの影によって。
 一つは血塗れの全身甲冑姿、一つは全身を暗がりに隠した長衣姿。
 前者は巨大な鎚を構え、後者は豪奢な杖を手にしている。

「レッテを傷つける奴は」「許さないぞ!」

 唱和する掠れた声。
 使い魔に守られて、アレッテ・イヴニルが安全地帯で気怠げに告げる。

「早くしないと、罪なき『仲間たち』が球神の怒りによって挽き潰されてしまうことでしょう。たとえ再生者であっても、強大なドルネスタンルフの呪いに耐えられる者はそう多くはない。肉体はおろか魂まで塵にされてしまうかも」

 儀式は止められない――いや、止まらないのだ。
 魔女の声は競技場の全ての者に届いた。
 狂乱する彼らに理性的な判断などできるはずもなく、当然のように敵意と憤激が吹き荒れて暴力に変わっていく。

 元凶である魔女を倒すよりも、近くにいる憎い相手を倒す方が簡単で単純で、それでいて気分が良い。そんな流れが既にできあがっているのだ。
 高位の使い魔系呪術師は、人の動きそのものを支配する。
 トリシューラの銃撃もこちらの投槍も全て防ぎきって、余裕を崩さぬままアレッテは空高くへと去っていく。

「私の居場所は塔の上。本当は、球技の観戦なんてアウトドアな趣味はあまり無いのよ。おとなしく引きこもってお人形遊びでもしているわ」

 戯けるように薄く微笑んで、濁った視線をこちらに向ける。
 それから見透かしたような嘲笑。
 相手は遙か天に浮いているというのに、囁きはいやにはっきりと聞こえた。

「じゃあね――決断は、早い方がいいわよ?」

 ぞくりと、背筋に冷たいものが走る。
 大地の民は、地に足をつけて戦うことを得意とする。
 地脈から呪力を得ることができない上空ではその力は半減するのだ。
 塔の上というのは、我々にとって不得手な戦場であった。

 追うことはできない。たとえ追いかけたとしても、敵の居城という不利な条件下で勝てるかどうかはわからない。先程体感したアレッテの強さは本物だ。あれに強力な使い魔が加わるのだとすれば勝ち目は更に薄くなる。
 縋るような主の視線を感じて、私は恐怖に震えた。

 我が王は大地の民を治め、私は戦士たちを率いる立場にある。
 しかし、その我々をもってしてもラフディを止める事は既にできなくなっていた。私たちは支配者であり統率者であるが故に、彼らに呪縛されている。

「陛下を機械野郎どもからお守りしろ!」

「筆頭侍従武官殿! かくなる上は、あの女の言うとおりガロアンディアン人どもの血で球神の怒りを静める他ありませぬ! 魔女に鉄槌を振り下ろすのはその後でも間に合います!」

 民が生み出す意思のうねり。その決定に、我々は抗うことができない。
 陛下は何かを言おうとしているが、波濤の如く押し寄せる『陛下を守る』という決意の言葉によって全てが遮られてしまう。
 それはラフディの意思だった。狂奔し、闘争心に突き動かされるがまま突撃を繰り返す戦士たち。網棒を振り回し、棘球を投げつける。
 原始そのままの姿が現代に甦っていた。

 私ですら伝承でしか知らない、最古のラフディーボール。
 野蛮の極致。だが、これこそが真の呪術だ。
 その証拠に、私はかつてないほどに自らが昂ぶっているのを感じていた。
 足裏の大地から、凄まじい呪力が流れ込んできている。
 球神ドルネスタンルフが歓喜しているのだ。

 あの偽りだらけの魔女は、少なくとも一つだけ正しい事実を述べていた。
 この血の儀式は偉大なる球神の為に行われる。
 ああ、私もまた、見えない糸に絡め取られているのかもしれない。
 熱が、血を沸騰させていくようだ。

「ルバーブ? 一体どうしたというのだ?」

「陛下。私は、貴方をお守りしなくてはなりません」

「待てルバーブ! 俺は――」

 気付けば私は突撃を開始していた。
 兵を率い、民の声援を背に受け、かつてのように戦場へと駆け出していく。
 背後で誰かが倒れるような音を聞いたような気がしたが、もはや何も気にならない。ただ、大地から流れ込んでくる暴力的欲求だけがこの身を突き動かす。

 ――何か大切なことを忘れたまま、私は最も大切な存在の御名を叫んでいた。

「球神の御為に! 奴らの頭を持って来おおおおぉぉい!!」







 notes.

「物語の深層構造レヴェルに於いては基本的な役割が存在する。それが行為項(アクタント)――世界を規定する物語の中で、登場人物はその括りから逃れる事はできない――決して、だ。全ては類型化できるのだ」

 世界を薄いガラスで隔てた高み。
 高次の世界から下界を見下ろして、一人の男が呟いている。
 奇怪な男だった。長身だが、膝を曲げ、腰を捻り、無理矢理に身体をくねらせているせいで視線はそれほど高く無い。ガラス越しの光景を見下ろすその視線もまたガラス。男の間接部には継ぎ目があり、上下に開閉する口は作り物。

 彼は人形なのだった。
 人形の男は踊るように両手を動かし、虚空に記号と文字を描いていく。
 たちまち六つの文字列が彼を取り巻いて浮かび上がる。

「物語の軌道に於いて一定数の指定された位置を占めることが出来るのはそれら六つの役割を担う有資格者たちのみ。そして――愚かなトリシューラよ」

 六つの記号が線で結ばれ、その結節点に三叉槍の紋様が出現した。

瓦落多ガラクタが――だがあれこそが枢軸。そして触媒となるのはコルセスカとシナモリアキラ。結節間の空隙を満たすもの。あれらが踊ることで(オレ)の呪法は完成する」

 歌うように、誰もいない空間で指先を踊らせる人形。
 不可侵の空間で、誰にも知られずに下界に干渉する超越者。
 誰が知ろう、彼の名はラクルラールの【前髪(バング)】。
 四番目に名を連ねる男性の人形である。
 その名の通り長い前髪をかき上げるその手が不意に止まる。
 直後、何の前触れも無く真下から声が届いた。

「そこに、いるな?」

 銀色の腕がガラス片を撒き散らしながら飛び出してくる。
 途轍もなく長い義肢だ。
 藍色の波打つオーラを纏い、『物語のレベル』という断絶を突き抜けて高みへと到達する。激しい風圧によって逆立った髪、それでいて全く位置がずれていない眼鏡、そして傲慢と言うには余りにも自然なその表情。

 誰よりも高みに立っていた人形を不遜だと断罪するように、パーン・ガレニス・クロウサーが更に天高く浮遊していた。

御前オマエ如何(ドウ)にして此処に? このレイヤーに下界の只人が到達することは不可能な筈だが? パーン・ガレニス・クロウサーは未だ紀人の階梯に至ってはいない。不条理だ。このようなことはあり得ない」

 パーンはそれには答えず、伸ばした腕を折り畳んでガシャガシャと腕を開閉していた。そして出し抜けに掌を人形に向ける。
 ラクルラールは首を傾げた。

「何の心算(ツモリ)だ?」

「まず貴様からだ、ラクルラール」

 結論から告げるパーンは、それだけでは説明が不足していると気付いたのか面倒そうに言葉を繋いだ。

「王を決める戦い――それ自体に異論は無い。だが、素直に貴様らの掌の上で踊ってやるのは腹に据えかねる。まずは上から目線で黒幕を気取っている連中を引き摺り下ろしてやらねば、落ち着いて玉座の選定もできんというものだ」

 ゆえに、ともう一度腕を振り上げてから降ろすという動作を行って、パーンは宣言して見せた。

「まず貴様らを駆逐する。駆除が終わった後にはそれなりに盤面が進み、俺に挑むに相応しい者だけが残っていることだろう。俺は挑戦者を下し、更にはクロウサーの当主をレースで破り、更なる高みへと至るのだ」

 当然の理を説くようにパーンは言った。
 これだけ懇切丁寧に説明してやったのだ、よくわかっただろう、どうだ感謝しろと言わんばかりの表情である。自らの寛大さに満足している様子が窺えた。
 ラクルラールはぎしぎしと身体を横に曲げながら口を開く。

「パーン、なるほどそういう役割(ロール)か。王にして悪漢、偽の英雄。援助者の力を束ねて冒険を制覇する巨人殺し。そして自身もまた援助者である――」

「何を下らん幻惑を。持って回ったまじない語りに、耳を貸す俺と思ったか」

「表層構造におけるミシャルヒやカーインといったアクターは構造上はアクタントの複数の現れであるに過ぎない。お前という構造はどうしようもなく貧困だ。邪魔、邪魔だ。機能不全をおこしているよその冒険譚は」

 互いに、全く相手の話を聞こうとしない。
 会話が成立する余地が無く、もとより相手の意思を確認するような性質の持ち主でもない。ゆえに、この時間はただの無駄でしかなかった。

「つまらない機能しか持たないお前には、つまらない役割しか果たせない。物語とは、そういうふうに出来ている」

「――悪いが、そんな呪術に縛られてやるほど大人しい俺ではないぞ!」

 銀の腕が激しく発光する。
 藍色の輝きが波動となって世界を揺るがした。
 対する人形もまた、滑稽と奇怪の中間の動きで空の王を迎え撃つ。

御前(オマエ)は不確定要素だな、パーン・ガレニス・クロウサー。我が物語を完成させる為、ここで死んで()れ」

 交錯する二つの影。激しくぶつかり合う超越者たちが人知を超えた呪術で空間それ自体を破壊していく。『新しき神』と呼ばれる者だけが存在する事を許されるはずの空間に乱入して今まさに神殺しを成し遂げようとしている生身の再生者も尋常でなければ、その猛攻を容易く捌いていく男の魔女人形もまた尋常では無い。

 数度の激突の後、互いに決定打を与えられない状況に焦れたのか片方がより積極的な敵意を見せた。基本的にパーンは短気なのだ。
 銀色の右腕にこれまでとは違った性質の輝きが収束していく。
 その光の色は、白銀。

「墓の下から甦れ、失われた未来の亡霊よ。Attribute――[Silver]No.18」

 直後、右腕の掌から眩い光線が飛び出していった。閃光がラクルラールの胴体を貫き、破壊された肩から胸の部品が散らばって下界へと落下していく。
 パーンの右腕が、古めかしい義肢から未来的なデザインに変貌していた。
 しかし、それはどこか空想的な『未来感』をただよわせており、たとえるなら古い時代に空想だけで思い描かれた『時代遅れの未来の光景』といったものに雰囲気が似ている。『レトロフューチャーの義肢』とでも言おうか。

 ある意味ではそれは再生者に相応しいのかもしれない。
 死に絶えた未来、その亡霊。
 肩には用途不明の管が伸び、赤いランプ付きの奇妙な環が手首に並ぶ。
 腕の内側にエネルギーゲージが一つ減った状態で点滅しており、その真上には『ミブレル』と読める文字が刻まれている。

「――あの鬼婆の術を借りるのは気分が悪いが、たまには師に敬意を払ってやるのも悪くはない――サイバーカラテの技も試して見たかった所だ」

 伝承によれば、キュトスの姉妹【雲上姫ミブレル】は天候を操ることができたという。クロウサーをはじめとする空の民に気象に関わるまじないを教えたのはこの魔女という逸話も残っている。ガレニスがその力を扱えても不思議は無かった。

 腕から放たれた光線によって貫かれた人形は、傷付きながらもまだ動いている。
 それだけではない。
 カタカタと人形の口が動く。

「なるほど、巨人殺しの冒険者と援助者たち――その銀の腕は【猫の国】で言うところの【代替王権(アガートラーム)】というわけだ」

 散らばった部品が時間を巻き戻すように人形の欠損を埋め、完全に再生していく。異様な光景だが、驚くには値しない。この人形もまた神に近付きつつある超越者なのだから。パーンは愉快そうに笑った。

「俺の腕をくだらん枠に嵌めるなよ――だがまあ、悪くない響きではある。異界風の呪力は使えることもあるからな。貴様を殺して呪いを排除した後で、その名を俺のものにしてやろう」

「出来るものならば、やってみせて呉れ。瓦落多ガラクタの英雄よ」

「俺を誰だと思っている?」

 言葉の応酬は、即座に光線の、呪術の、打撃の応酬へと変わっていく。
 天で、地で、ありとあらゆる場所で暴力が吹き荒れていた。

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