第39話 学校に一人はいる完璧な人
「いいですか、ここに解の公式を使ってそのあとに求まるXはこのことになります。そしてYはXの三倍となってこれはこうしてさらにああしてそういうふうになりあとは……」
「やってられっかー!」
高良さんの説明についていけない俺は鉛筆を放り投げる。
っていうかこんな長い公式が解けるわけないだろ!
「まぁまぁ落ち着きなよ。騒ぐだけ見苦しいよ」
「勉強してないこなたに言われたくない」
だらけながら言うこなたに俺は一言。
「なんであんたは勉強してないのよ!ちゃんとやらないと今度のテスト酷い結果になるわよ!」
かがみさんもやる気のないこなたを叱る。
「かがみ。私はこんな人生に何の役にも立たない物理や世界史の勉強よりももっと有意義になる勉強をしてる方が世のためってもんなんだよ☆」
「それじゃあその片手に持っている漫画は何かな?」
「へ?」
こなたは俺が指した本を見る。
「………」
「………」
「世間の恋愛について」
うそつけ!明らかにタイトルがダ・カーポってなってるぞ!
「椿君も読む?」
「読まない!」
「全種類揃ってるよ?」
「……やっぱり読む!」
俺は本に手を伸ばそうとするが、
「つ・ば・き・君?」
かがみさんが拳を作りながら怒りを見せる。
「……なーんて言ってみちゃったりして」
「もう遅いわよ!!」
このあと何故か俺とこなただけが高良さんとかがみさんにマンツーマンで勉強することに……。
他のみんなはというと
格ゲーをして盛り上がっていた。
途中まで俺勉強してたのに……。
「あーもー!だからそこは公式を使うんだってば!」
「す、すみません!」
春、それは……
「だから違うって言ってるでしょうが!これはこう!」
「は、はい!」
幸せをくれる季節
「何度言えばわかるの!この場合はそっちの公式じゃなくてあの公式を使うのよ!」
「…ううっ」
のはずなのに…
「だーかーらー!!間違いすぎなのよ!!」
「……はい」
どうして怒声が飛んでくるの…?
「あんたの脳みそは味噌汁!?」
「………」
嗚呼…神はいずこに……。
「お、終わったー」
そして死んだ…。
勉強しすぎで肩が痛くなり体がほとんど動かなくなっていた。。
そして限界に近づいた俺はその場に倒れる。
するとつかさは高良さんのとこにいく。
「そういえばゆきちゃんって今日は早く帰らないといけないの?」
「あ、いえ、今日はお友達の勉強を教えるということで多少は遅れるとお母さんには伝えています」
「それじゃゆきちゃん今日一緒にご飯食べよー」
「ご飯…ですか?」
「そうね。どうせならみゆきも食べていきなよ」
かがみさんは俺と同じく倒れているこなたの側にいたがこなたを見捨ててこっちにくる。
「でも私なんかがいたら迷惑なのでは…」
「そんなことないわよ。ね?椿君」
俺はあまり動けないので
軽く頷く。
もう一人や二人増えても一緒だしな。
高良さんにはさっき世話になったし。
「ほら椿君もいいって言ってるんだし」
「……そうですね。ではお言葉に甘えて」
「決まりね。じゃあ私達はおかず買ってくるからあんたたちは風呂済ましといて」
かがみさんは荷物持ちとしてみさおを連れて外へ出掛けた。
「ふわー、ゆきちゃんの胸ほわほわ〜」
「つ、つかささん。そんな触っては…あ、ん…」
「ほんとにいいものをお持ちで☆」
「い、泉さんまで…んあ…」
…………。
風呂から何故か出てくるはずのない声が響く。
俺はみなみちゃんとゲームをするふりをしながらそれをしっかり聞いていた。
俺はゲームよりそっちの方が気になるのは読者にもわかってくれると信じてるぞ!
「椿君、椿君」
「…へ?なに?」
ゆたかが俺を呼ぶのに気づく。
「ゲーム負けちゃってるよ」
「…ああああぁぁぁ!!!!」
ゆたかが画面を指して俺は声をあらげた。
結果は3-0。
今回のゲームはサッカーなので負けるわけがないと思っていたが完敗していた。
「いい湯だったねー」
お風呂から上がったこなたたちがリビングにきてしまった。
…試合にも負けて声もあんまり聞いてないなんて損した気分だ………。
「わー、やっぱり泉さんは料理がお上手なんですねー」
高良さんが行儀よく食べこなたの料理を絶賛する。
「でしょう?これで勉強もできたら文句ないんだけどねー」
かがみさんは少しからかい気味に言ってこなたの頭をぽんぽんと叩く。
「むー、離せー」
「でも羨ましいなあ。私もお姉ちゃんみたいに料理が上手だったらいいのに」
「ゆうちゃんは他のところがずば抜けてるから問題ないよ」
こなたは気楽な顔で言う。
…ずば抜けてるってのはこなたのことだから小さいとか妹属性にはモテるとかそんなこと考えてるんだろう。っていうかそれを考えてるのは俺もだけど…。
「………」
みなみちゃんが胸をペタペタ触りながら深く沈黙する。そこにこなたが後ろから、
「大丈夫☆需要はあるさ」
「では夜も更けて来ましたので私はこれで失礼しますね」
高良さんは時計を見て帰る準備をする。
「あ、高良さん。途中まで送っていくよ」
「いえ、ですが…」
「いいからいいから。じゃあ俺は高良さんを送りに行ってくるからー」
俺はリビングにいるやつらに聞こえるようになるべく大きな声で響かせる。
『ほーい』
みんなの返信がくる。
「ほら高良さん、行こ」
「あ、はい。すみません」
いや謝るとこじゃないんだけど。
俺達は一緒に家を出る。
俺はついでにポストを開けて中身が空か確かめる。
その時ふと家を見ると言葉にはできない謎の色が加わっていた………。
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