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第3話 紫色を咲かす者




「わーい♪ 早速お父さんに連絡しようっと」
つかさは嬉しそうに携帯に番号を打つ。
「ちょっ、つかさ! あんたまでなに言ってんのよ!」
かがみさんは妹の間違った行動を止める。
「お姉ちゃんどうかしたの?」
「どうかしたのじゃない! 私たちはまだ高校生なのよ!? だから節度ある生活を送らないといけないって決まってるの!」
「でも桃原君の家に泊まっても節度ある生活するから大丈夫だよ〜」
「いやそういう問題じゃなくて……!」
かがみさんは長く付き合っているからつかささんの性格が分かるので説得を続けた。
しかしつかささんは親の許可も得て結局俺の家に泊まることになりかがみさんの説得は無意味なものとなった。






「どうしよ…」
かがみは授業中つかさのことをずっと考えていた。
いったいいつからあんな不良になったのかしら…。
前は私の後ろばっかりついてきたのに…。
なのに急に男の子の家に泊まるだなんて…。
「………はぁ」
かがみは誰にも気付かれないように下に向けてため息をつく。
「正直言うと私だって一回でいいから男子の部屋に泊まってみたいとは思うわよ……」
今まで見たことない世界。 そして多分そこでこなたたちは楽しそうに過ごすんだろうな…。
私も行ってみたい…。
けどそんなの素直に言えるわけないじゃない……。








「どうしたらいいんだ…」
俺は人生の岐路に立たされた気分だった。
今までゆったりと過ごしてきて最高の高校生活だったのに…。
あの二人をなんとかして平和を取り戻さないと…。
よし、五時間目が終わったらキッパリと言うしかない。
授業には集中せずに時計ばかりを見ていた。
あと十秒…。
 五秒…四…三…ニ…一…零!
チャイムが鳴ると同時に俺は泉さんのとこに行きそして、
「泉さん、ちょっと話が──」
「桃原君!!」
「ん?」
名前を呼ばれて振り返ると教室のドアが勢いよく開く。
そしてかがみさんがづかづかと入ってきた。
「か、かがみさん?」
「ちょっと来て!」
すごい形相で俺の手を掴む。
「えっ、ちょっ俺も泉さんに大事な話が…!」
「いいから来る!」
「は、はい…!」
俺は引っ張られる形で教室から離れた。






「私も桃原君の家に泊まるから」
「………」
今日の俺の運勢ってなんだっけ?
たしか一位で今日も平和に過ごせるって言ってたよな?
なのになんでこんな非日常なことが起こるんだ?
「ちょっと聞いてるの?」
「……聞きたくなかった」
なんで悩みの種が増えるんだ…。
だいたいかがみさんさっきまでつかささんを止めようとしてたじゃないか…。
「いい? 私はつかさの保護者として行くんだからね。 別に泊まりたいだなんて少しも思ってないんだから」
こ、この人ツンデレか…。
「じゃあそういうことだから」
「あ、まだOKしてな──」
バタンッ。
かがみさんは最後まで聞かずに屋上から姿を消した…。






六時間目、かがみはスッキリした状態で授業を受ける。
「よし、やっと集中できる」
かがみはシャーペンをノートに走らすが途中でピタリと止まる。
「男の子の部屋ってどんな感じなんだろう…」
やっぱり散らかってたりするのかしら…。
見たことないからわかんないわね…。
けど小説とかだったらベッドの下にはお約束の………ってなに考えてんのよ私ったら…!
かがみは一度、心を落ち着かせるためにため息をつく。
「はぁ…」
でも不思議…。
男の子の家に泊まるだけでこんなにドキドキするなんて……。
別に桃原君のこと何にも思ってないのにな…。
顔も性格も一般なのに…。






「ア゛ー…」
なんで俺はこんな目にあってるんだ…。
さっきまで希望が目の前にあったのに思わぬ裏切りによって跡形もなく破壊されてしまったし…。
俺は元凶である泉さんをチラッと見る。
「〜♪」
なんかやけに上機嫌だな…。
すると泉さんは此方の視線に気づいて一つのメモを先生に気づかれないように俺に投げ渡す。

──君もゲームやりたい?──

「ゲ、ゲーム?」
まさかあいつ授業中にしてるのか…。
だからあんな機嫌がよかったのかよ。
けどあいつがするゲームってどんなんか興味あるな。 俺はノートの端を破りメッセージを書きこんで泉さんに投げる。

──やる──

ただそれだけだったが十分だろ。
泉さんは持っていたゲームを後ろの人に渡して俺にたどり着くようにお願いする。
後ろの席の人は了承して次々に回っていった。
「ほれ桃原」
横の席まできたゲームを受け取る。
俺はスイッチを入れて画面に注目した。
“ようこそ!萌える学園祭に!”
「ぶーっ!?」
俺は思わず吹いてしまった。
「ん?桃原どうかしたか?」
数学の先生が声をかける。
「あ、いや、なんか風邪気味で頭がおかしくなっちゃって…」
「そうか。しんどかったら無理せずに保健室に行けよな」
「は、はい」
先生は黒板に向き直り式を書いていき生徒に説明をする。
しかし危なかった…。
見つかったら没収だからな…。
俺はまた画面を見てスタートを押す。
タイトルでどんなゲームかはわかった。
そして泉さんがどういう人間かも確信が持てた。
俺は適当にボタンを押すと選択肢が出てきた。
『巫女』『幼なじみ』『妹』『姉』『ツンデレ』『体操服』『猫耳』『ドS』『ドM』『スク水』『妻』『』『眼鏡っ子』『ドジッ子』『ナース』『ランダム』
種類は豊富だった。
こん中から決めるのか。
まあ選ぶとしたら無難にも『体操服』かな。
俺は○ボタンを押して次々と先を進める。
女の子が現れて話をしていくのだが…、
「〜〜〜〜っ!?」
進むにつれて主人公と俺が選んだ体操服の子はどんどんと口では言えないことをしだした。
俺はいきなりのことにバランスを崩して尻餅をつく。
「どうした桃原?やっぱり風邪がキツいか?」
「はい…。 もういろんな意味で……」








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