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前に続く

 城島元検事ーーで検索すると、記事は、「N相互銀行事件」関連と、「城島兄妹殺人事件」関連、それから衝撃的な「城島元検事の獄死事件」関連の、毀誉褒貶記事で溢れ返っていた。
 驚いたことに、裁判中にその首に懸けられた懸賞金が、一千万ドルを超えた時期もあったという記事まであった。そしてその通りに獄中で暗殺されたのだという過激な記事まで。
 それらの記事をどこまで信用してよいかわからないけど、信用のおける法曹界の、元検事や元裁判官や弁護士などが書いた本が相当数出ているようだし、ジャーナリストの本も相当数あるから、それらをメモして、後日読むことにした。国会図書館に行って当時の新聞を読んでみようとも思った。
 とにかく竜平の父親は大変な人物のようであった。試しに、城島竜二ーーで検索してみると、これまた桁外れの人物像が浮かんで来た。
 元テキヤ稼業の家の長男である竜平の父親が、検察官になれたこと自体驚きであったが、その城島竜二検事が成したことと、その顛末はあまりにも劇的であった。
 洋子は、思春期から殊更に政治や経済からは目を背けていた。だからバブル期前後に、政治経済の表裏舞台でそのようなことがあったことなど知りもしなかった。
 でもそこに父が一役買っていたことは容易に想像できた。政治経済ウオッチャーが書いた記事の中に、父の上にいる胡散臭い連中が顔をそろえていたからである。

 それらの記事の一面から見れば、竜平の父親・城島検事は、一介の平検事でありながら(捜査主任とはいえ)銀行再建にまつわる疑獄事件で、東京地検幹部の捜査終結宣言を無視して、時の権力者の一人である大臣を、収賄容疑で逮捕した。
 ために大臣は失脚し、城島検事は特捜部から出されて、司法研修所教官に配転になった。
 権力を失った城島検事に、刺客が襲いかかり、その陰謀によって、強盗事件の犯人に妹ともども偽せられたり、最愛の妹を拉致監禁虐待され、その救出のための借金で破産状態にされ、実家の家族にも類が及んだ。
 そしてとうとう城島検事は妹とともに刺客を殺してしまう。
 妹は兄の潔白を叫んで警察の留置場で自殺、竜平の父親はその罪を一身に背負って刑務所へ、そこでむごたらしい最期を遂げている。
 それらが事実であれば、あまりにも酷い! 
 許せない!
 彼と彼の妹の光子が父の仇を討つために、人生のすべてを捧げてもおかしくはない。
 ーーでもそんなことが本当にあったのだろうか?
 そんな不条理が今の世の中に存在するのだろうか?
 物事は多面的に見ないと一面だけでは判断を誤ってしまう。
 明日から国会図書館にこもって、事実関係を徹底的に調べてみよう。納得するまで。
 納得したら、きっぱりと、彼とは決別しよう。

 いつの間にか外は明るくなっていた。
 ーーでもその前に、命を投げ出してまで彼を守ったという女にあってみたい……。
 と思いつつ、洋子はベットに倒れこんで爆睡した。
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