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その十三 マインドコントロール

 大分県の小さな港町で発見された膝関節から下の両脚が、一連のバラバラ遺体遺棄事件の始まりであった。
 二ヶ月前の七月末のことである。
 それはゴム長靴の中に入れられていて、小さな船着場の側壁に二足揃えて遺棄されていた。
 それから次々に合わせて四人分のバラバラ遺体が、なぜかツインの形で大分市内の各地で発見された。
 いずれも遺体の一部分だけで、頭部は発見されなかった。
 遺体の身元はしかし、東京であったり、名古屋であったりして事件は広域に及んだ。
 胴体の身元は東京都在住の国宗八州議員の運転手兼ボディーガードの西塔万里と、名古屋市在住の建設会社社員であり元刑務官の最上七男であった。
 そして何と、このほどDNA型判定で、両腕の身元が失踪中の篠原耕太議員とわかった。生前切断されたものあることから議員はまだ生きている可能性があった。
 一番初めに発見された両脚も、生前切断された可能性があることから、同じく失踪中のアメリカ大使館のダニエル・中西公使のものではないかということになった。
 その矢先に、アメリカ大使館を張っていた光子と北芝の目の前を通り過ぎた公用車の中に、ダニエル・中西公使の姿が、両側を屈強な白人と黒人にしっかりガードされて、垣間見られたのである。
 ダニエル・中西公使は生きていたのだ。
 刑事部は再度都内の病院一軒残らずに綿密な聞き込み捜査を展開した。
 のみならず近県の病院への聞き込みも各県警の協力を仰いだ。
 そして遂にダニエル・中西公使が義足治療を受けた病院を突き止めたのである。

 一方、交通事故で入院していた竜平は、退院すると同時に光子には何も告げずに姿をくらました。
 光子は一度見舞っただけである。その際にお金の無心を受けている。竜平はホストのアルバイトがないと入院費も払えないその日暮らしだったのである。
 小雪からの仕送りだけでは足りないのか、買ったばかりの125ccのバイクが〈中古だけど〉病院の駐車場にあられもない姿で置かれてあった。
 いつかアパートから見たバイクに違いなかった。
 光子はボーナスを貰ったばかりなので、少しぐらい用立てても構わなかったのだけど、その言い草が気に入らなかった。
 まるでホストクラブの客に(みつ)がせるような言い草だった。あからさまに欲しがるのではなく、そのように仕向ける、何とかしてあげなきゃと思わせて、ずるいやり方だ。
 何様か知らないけど、そんなので貢ぐほうも貢ぐほうだ、バカの骨頂である。
 事故の賠償金が入るじゃん、入院費は保険でーーというと、相手はホームレス、車は盗んだ車だったという。
 それは本当だったけど、用立てた三十万円を持って竜平は根岸弁護士を追いかけて行ったに違いない。
 竜平が根岸弁護士の暴走を止めることができればそれに越したことはない。
 光子はそう思っていたけど、まさか兄まで根岸一味として追及を受けることになろうとは、思いもよらなかった。
 いやすでに刑事課からはマークされていて行確の対象者でもあったのだ。それをまいて出奔しゅっぽんしたのである。
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