表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ことばあそび

作者: 黒井雛

 デートで訪れた、洒落た喫茶店。

 砂糖とミルクがたくさん入ったコーヒーを一口呑み込んだ君は、テーブルの上に広げた旅行雑誌を指差しながら、少年のように瞳を輝かせて弾んだ声をあげる。


「一緒に行きたい!!」



 通い慣れた、いつものホテルのベッドの上。

 荒い息を少し落ち着かせた君は、獣欲が滲んだ瞳で私を見下ろしながら、官能的な掠れた声で囁く。


「…一緒にイキたい」



 通い慣れてしまった、病院の真っ白なベッドの上。

 点滴で繋がれた君は、痩せ細った手で私の手を握りなから瞳に涙を滲ませると、弱々しく掠れた声を漏らす。


「…一緒に…生きたい……」



 暗い一人ぼっちのアパート。

 扉の向こうにいる君は、扉を叩きながら私に呼び掛ける。



「一緒に逝きたい」



 君と一緒にいけない私は、位牌を抱えてうずくまりながら、声を聞かないふりをする。


 聞こえる声は、無機質で冷たい。



 扉の向こうの君は、どんな瞳をしているのだろうか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 言葉遊びでもあり立派なホラーでもありますね!
[一言] ミリオンワードな大作小説(著:くろい雛)のプロットなんですね、コレ( ̄ー+ ̄)
[良い点] 純粋な愛の行方が美しい [一言] 愛が哀に変わりしかし愛であることに変わらない ぶれなさが美しかったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ