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ルシ伝 作者:キルナ

第1章 カノン王国の王女

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戦いの後

今回は短いです。
待っていてくれた方、すみません><
 ルシが目覚めたのは翌朝の事だった。
 目を開けると天井の薄い板と太い梁が見える。
(ここは? 宿屋か? オレはあのあと…… 気を失ったのか……)
 人の気配を感じふと横を見る。目の前に綺麗な栗色の髪、シェラのそれだとすぐわかった。一瞬ドキっとしたが、その横にこれまた綺麗な金髪が目に入った。此方もキャミの髪だとすぐわかる。
 それから首を捻り反対側を見ると、目の前数センチの位置にクーの顔がある。此方は顔がはっきり見える体勢だった。どうやら3人はそれぞれ丸椅子か何かに腰掛けベッドにもたれ掛るように眠っていたのだ。
 目の前にあるクーの顔は目の周りが真っ赤に腫れ上がり、その下にあるシーツは涙で濡れている。泣いて、散々泣いて、泣き疲れて眠って、それでもまだ涙を流している。
 他の2人の顔はよく見えなかったが、自分のベッドで寝てないところを見ると、たぶん似た様なものだろう。
 ルシは少しはにかんだ様な表情でクーの頭をそっと撫で、微かな声が口から零れる。
「心配、かけたな」
 本人は心の中だけで言うつもりだったのだが……。
 そのとき自分の瞳の奥が少し熱くなるのを感じた。(この感じ微かに記憶にあるが……)
「んん~」
 頭を撫でられてか、ルシの声でなのか、クーが目を覚ましたようだ。
 僅か数センチの距離にあるルシの瞳が開いてる事に驚き、バァッ!っと飛び起きる様に立ち上がったクーは、まじまじとルシを見つめる。
「ルシ様ぁ、ヒッィ! ヒッィ! ヒッィク! わぁぁぁぁん!」
 ルシの首筋にしがみ付いてさらに大泣きしていた。

 その泣き声でシェラとキャミが目を覚ますが、こちらは落ち着いた様子である。
「あ、ルシ…… よかった。もう大丈夫ね」
「ルシさん…… ほんとうによかったです」
 シェラとキャミが優しい笑みを浮かべてルシを見ている。
「あぁ、もともと大丈夫だったんだが、まぁ世話をかけたな」
 そんな憎まれ口を叩き、ルシはしがみ付いているクーを剥がし起き上がろうとする。
「なぁにが大丈夫だったよ、失血で気を失ったくせに!」
「そうです、傷は塞がりましたけど、ほんとに死ぬかと思いました」
 文句を言いながらもルシの背に手を当てて起き上がるのを手伝う2人。
 起き上がったルシは目をしばたたき、頭を少し前後に揺らす。
「目眩ですか? 血が足りないんじゃないですか?」
「そりゃそうよね。あんだけ出血したんだし、何か食べないと血だって回復しないって」
「あぁ そういえば腹が減ったな」
 クーはまだヒックヒックしている。
 前を見ると、ベッドの足元でリンも心配そうな顔で此方を見ていた。そんなリンに無理に笑顔を見せるルシであるが、横からシェラが「どうしたの? 顔引きつってるわよ?」
 ひどい言われようである。

 1階の食堂に下りてきたルシ達。
 エールを注文しようとするルシはシェラに口を塞がれ、代わりにミルクを注文された。さらにシェラは朝からディナーかと言うような大量の食事を注文していった。
 渋い顔のルシだったが、諦めたようにミルクを飲み干した。
 しかしシェラはしっかりワインを煽っている。
 クーには「これも食べて下さい」「あれも食べて下さい」と次々皿に料理を盛られる始末。
 少々うんざりしているルシだったが、おもむろにキャミから2通の親書を見せられた。
 どうやら、ルシが寝ている昨日に王宮から届けられたものらしい。
 1通はキャミ宛て、もう1通はルシ宛て、此方はまだ封が切られていなかった。
 キャミに宛てられた親書には「国が成った時、お前を正式に第一王女として公表したい。その時にはどうか国に戻って来てほしい」と一言書いてあった。
 そしてもう1通ルシ宛ての親書には「キャミを頼む。そしてどうかキャノを助けて欲しい」と書いてあった。

 自分の娘くらい自分で助けろと思ったが、人質として娘を取られていれば軍は動かせない。冒険者ギルドか盗賊ギルドを使うのが一番である。そうなればルシ達が一番可能性があるのは当然だった。
 ルシは自分宛ての親書を皆に見せた。

 ルシ達はその日、ビズルトラ王国を目指し旅立った。もちろんキャノ王女奪回の為に。

 ヴァルザードはその朝食堂でルシ達が旅立った事を聞かされ、唖然としていた。
「オレを置いていくなぁ!!!」と叫び宿をあとにした。

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