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天本博士の怪奇な生活
作:坂田火魯志



第三十一話


                 第三十一話  鏡の世界
 鏡の世界へと博士に連れて来られた小田切君達。とりあえずは地球の危機が去ったことを喜んでいた。
「けれどさ」
「ああ」
 小田切君は二匹が何を言いたいのかわかっていた。彼等にとって問題はまだ終ってはいないのである。
 こちらの世界にも異次元人と植物達がいる。そのままヤ○ールのような異次元人達は見るからに邪悪そうである。
「あのさ、小田切君」
 ライゾウが声をかけてきた。
「おいらこの前ウルト○マ○○ース観たんだよ」
「ああ」
「そこにさ、そっくりの悪役出て来て」
「とんでもなく卑劣で陰険な奴等だっただろ」
「知ってたんだ」
「奴等はそれで有名だったからな」
 小田切君は答えた。
「知ってるさ。僕も見ていたし」
「そうか」
「僕も観たよ」
 タロもライゾウと同じであった。
「陰湿で邪悪な連中だよね。それで」
「そっくりだよなあ、今いる連中と」
「ていうかそのものに見えるけれど」
「それ徒食人植物だよね」
「そうさ。もうわかるだろ」
「マジで危ないんだけれど、おいら達」
「どうなるのかな、これから」
「そんなことは決まっておるわ」
 博士は相変わらず余裕に満ちた様子である。
「これから楽勝で帰るだけじゃ」
「楽勝ですか」
「こうしてこちらの世界に来たんじゃぞ」
 博士は言う。
「だったら普通に帰られるに決まっておるじゃろうが」
「あのですね、博士」
 相変わらず余裕の博士に対して言う。
「うむ」
「今前にいる連中を何とかしないといけないんですけれど。おわかりですか?それ」
「造作もないことじゃな」
「造作もないですか」
「わしの発明がある」
「そのせいで今そうなってるんだよな」
「もう突っ込むのも疲れたけれどね」
 ライゾウとタロがそれを聞いて囁き合う。
「だから大船に乗ったつもりでいるのじゃ」
「けれど博士」
 小田切君は言う。
「カイザージョーも向こうの世界ですし。電気鞭とかブラックホール粒子砲だけじゃとてもじゃないですけれど勝てませんよ」
「まだまだあるから安心せい」
「まだまだって」
「ほれ、これ」
 何か懐中電灯みたいなものを取り出してきた。
「何ですか、それ」
「スモ○○ライ○じゃ」
「タイムマシンで未来から盗んできたんですか?」
「失礼なことを言うな、わしが発明したのじゃ」
 また何時の間にか発明したものらしい。殆どドラえ○○である。
「これを使って小さくするじゃろ」
「はい」
「そして次には」
 また懐から何かを取り出してきた。
「これで止めじゃ」
 次に出してきたのは超小型爆弾であった。
「これを小さくなった奴等に投げて皆殺しにする。それで万事解決じゃ」
「解決ですか」
「無事な」
「ではやるぞ」
「はあ」
「次から次へとよく色々なもの発明できるね」
「これで人間がまともだったらなあ」
 タロとライゾウはそんな博士を見てまた囁き合っていた。小田切君も彼等と同じように呆れていたが博士だけは異形の者達を前に自信満々であった。


第三十一話   完


                   2006・11・1







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