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レストランにて
作:ごはんライス


「あのーすいません。注文を」
「はい。かしこまりました。何にいたしましょう」
「あのーいりません」
「かしこまりました。イリマセンを一つ」
「以上で」
「イジョウデが一つ」
「いえ、二つで」
「はい? 何をです?」
「いやだから、イジョウデを」
「イジョウデって何ですか」
「いやその、なんでしょう。すみません」
「注文は以上でよろしかったですか」
「はい」
「では注文を確認させていただきます。イジョウが一つ」
「ちょっと待て」
「はい?」
「何だよ、イジョウて」
「知りません。しかし、お客さま。先ほど、イジョウでよろしかったですか、と聞いたら、確か、はいと」
「なるほど。つまり君はふざけているんだね」
「いえ、私はいつでも大マジメです」
「では、ケンカを売ってるのかね」
「売ってますよ」
「上等だ。買おうじゃないか」
「かしこまりました。ドリンクセットとスープセットとありますけど、いかがなさいます」
「あ? 何のセットだよ」
「いえ、ですから、ケンカの」
「てめえ。マジでケンカ売ってるな」
「ですから、さっきから売ってると言っているでしょう。お客さま、ふざけないでください」
「なっ。オレがいつふざけた」
「さきほどからずっとふざけた顔なさっていますよ」
「な、なにい」
「ほんとにムカつく顔ですねェ。ケンカ売ってらっしゃるんですか?」
「は? オレは客だぞ。売るのはお前らだろう」
「心は売っても体は売りません」
「普通、逆だろう。てか、いつオレが体売れっつった」
「お客さま。屁理屈は困ります」
「あー? 誰が屁こいただコラ。オレァこいてねェぞ。お前だろ、こいたのは」
「確かに私はこきました」
「こいたのかよ!」
「でも、きちんとすかしてごまかしましたよ。騒音罪で起訴されるいわれはありません。お客さまといえどこれ以上わけのわからないことを申されますとマジしばかせてもらいますよ」
「もういい。なんて無礼な店だ。だいたい、客に水も出さないなんて、ふざけた料理屋だ」
「お客さま。失礼ですが、ウチは料理屋じゃありません。カー用品専門店です」
「え? そうなの。あ。ほんとだ。よく店内を見渡せば確かに。これはごめん。それじゃ料理のこと聞いてもわからないよね」
「気をつけてくださいよ。頭がおかしくなった客だと思われてしまいますよ」
「ごめん。ごめん。んーじゃーそうだな。このステッカーひとつもらおうか」
「ありがとうございます。では、以上でよろしかったですか」
「うん。以上で」
「かしこまりました。おーい。イジョウ一丁、五番テーブルぅー!」
「あいよー。いま焼きまーす!」
「えーっ!?」(了)














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