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未踏の郷里 ルーフェイア・シリーズ13 作者:こっこ

Chapter:01 捜し物

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Episode:08

 船が動き出す。
 小さな岬を回り込むように出ると、正面にケンディクの町が遠く見えて、左右には大洋が広がった。

 やっぱりいいな、と思う。
 冬の海は灰色だと書いてある本もあるけど、この辺はそんなことはない。荒れさえしなければ、深い藍の色だ。
 夏の輝く碧も好きだけど、この冬の藍もあたしは好きだった。

「……だっけ?」
「え?」
 隣から話しかけられて慌てる。ぜんぜん聞いてなかった。

「えっと、ごめんなさい……」
「いいって! 海、見てたんだろ?」
 優しいな、と思う。ふつうなら何か一言二言、言われて当たり前のところだ。

 人は話してみないと分からないと誰かが言ってたけど、本当だと思った。
 正直言うとアーマル君、イマドとよく一緒にはいるけど、無口でほとんど話したことがない。だから取っつきづらくて、無愛想な人だと思ってた。
 でも話してみるとまったく違うのだから、ほんとに先入観というのは良くない。

「ごめんなさい。えっと……何?」
「いいからいいから。着くまで海、見てな」
 そう言われて、お礼を言って、視線を海へ戻した。
 けどケンディクはもう目の前だ。あと少ししたら港へ入って、接岸するだろう。

 何となく持ってきたメモを見る。「ケンディク市ノワイン3-4」と書いてあるけど、これが存在しないんだから世の中謎だ。
 ――先輩が帰ってくるまで、待てばよかったかな?
 でもせっかくアーマル君が、一緒に探してくれるというのに、断るのはちょと出来ない。

 ただどちらにしても一日これを口実に、ケンディクの町を歩けるだろう。そう思うとちょっと楽しみだ。
 そうしてるうちに港の中に入って、連絡船が速度を落とした。
 動力が止められ、軽い衝撃と共に接岸する。

「気をつけて行っておいで」
「はい、ありがとうございます」
 船頭さんに挨拶をして、船を後にした。

「どこだろな?」
「どこだろ……」
 歩き出してはみたものの、皆目見当がつかない。
 ユリアス第二の都市と言われるだけあって、ケンディクは広い。それを探し回るとなると、かなり大変だ。

「軌道バスに乗って……だとは、思うんだけど」
「行ってみるか」
 列車の駅近くの、停留所へと足を向ける。軌道バスに乗るのは、実は初めてだった。




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