窓際縦書き表示RDF


窓際
作:カトラス


 春になると、猫が盛ってやかましい。
 ここずっと、異性を求めてなき続けてる。
「フギャーウーフギャーフギャーフグギャー」
 特に夜になると、ひどい。

 僕の家は平屋造りだ。
 それで、僕の部屋は道路沿いに面してた。
 部屋の東側の隅には大きな窓があって、その横にベッドを置いている。
 僕はいつも窓際のベッドに寝そべってテレビを見るのが好きだ。
 でも、好きといっても窓際が好きなわけでは無い。
 ゴロゴロしてテレビを見るのが好きなのだ。
 どちらかと言うと、窓際は嫌いだ。
 なぜかって?
 せっかく、うとうと寝ていても、人の話し声や、車の通過音で起こされてしまう事が度々あるからだ。ほかにも、新聞の集金の人や、宅配に近所のおばさんなんかは、部屋の電気がついてると、すぐに窓をガンガン叩いて早くでろと催促してくる。
 それと、さっきから猫の鳴き声が、ひどくうるさい
「フギャーフギャー」
 これじゃぁ〜テレビをみていても、集中できない

 テレビでは、なにか大きな出来事があったみたいで報道特別番組をしていた。
 面白そうなので、テレビのニュースを見ようとしたら、また、あの鳴き声だ。
 猫の分際で、いちゃいちゃしやがって、家の近くからおいだしてやる。
 とうとう、僕は頭にきて部屋から家の外に飛び出した。

 外にでたら、猫はいなかった。
 そのかわり、人がたくさんいた。
 その人達はなにか、様子が変だった。
 僕が、猫の鳴き声だと思っていたのは違った。
 その人達が口から発していたのだ。
 その人達は、フラフラしながら、僕に近づいてきた。
 僕はとっさに自分の家に走り出した。
 家に帰ると、全ての出入り口に鍵をかけた。

 外からは、さっきの奇声と窓をガンガン叩く音が聞こえている。
 つけっ放しのテレビからは、興奮したテレビのレポーターが叫んでいた。
「まさに、これは地獄絵図といっていいでしょう。なんと、人が人を喰ってます」
 なんなんだようと僕も叫んだ。

 突然、部屋に母親が入ってきた。
 母親は土気色の顔をして、あいつらと一緒の声をあげていた。


 そして、僕の腕にかみついた。














ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう