タムラ先生 夜間外来(改編)(44/183)縦書き表示RDF


タムラ先生 夜間外来(改編)
作:浅見 希



44−タムラ先生大忙し、耳に虫、腹痛、指の切断・・?-2


タムラ先生 夜間外来 44

44 タムラ先生大忙し、耳に虫、腹痛、指の切断・・?

 大磯健太郎は、公園にある、街灯の下のベンチで寝ていた。
 そこへ何故かハエが、健太郎の顔の周りをうろうろ、比較的大きな形のいい耳、
そう外耳にとまった。
 何処かで美味そうな臭いを付けて来たのだろう。暫くとまっていた。
無意識に健太郎は右耳をこする。
 ハエはその攻撃を旨くかわし、右耳の周りを着地したり、空中に飛び立ったりしている。
しかしそのハエ、何を思ったか外耳から内耳に・・・、その瞬間健太郎の手が・・・、
耳を塞ぐ様な結果に、するとハエは奥に追い詰められてしまった。
 健太郎は、大変な事に。
右耳の中は想像を絶する騒音、そうハエが羽をばたばた、出られなくなってしまった。
健太郎はもう完全にパニック状態。
 本当にうるさい、振動音が高音で“ジイ、ジジ、ジイ、ジジ”もうどうして良いのやら、
こんな事、前代未聞だ。
 必死で追い出そうと、体を動かしたり頭を揺すったり、でもハエは出て行かない。
逆にハエの反撃が始まった。
 今まで以上に速いスピードで羽を動かし、ハエ自体も何とか脱出しようと・・・。
健太郎の耳の中はもう非常事態だ。
 どうしよう、この事態・・・・ 知り合いに事の次第を携帯で・・・
携帯で受話器を左耳に、しかし頭の中はもうぐちゃぐちゃ。
「宏、助けてくれ・・・耳にハエが・・・」
 「何だって? ハエ・・・ハエがどうした・・・?」
「俺の耳にハエが入っちゃったんだ。 どうしたらいい?」
 「うそっ・・・マジかよ!」
「馬鹿、うそ言ってどうする!!」
 「ははぁ・・・ぷふー」相手はおかしくて突然吹き出した。
「なに・・・、笑っているんだ・・よ!」
 「あっ、ごめん・・なんか変な高音が・・・する・・」
「だから、本当に俺の右耳に入っているから、お前も聞こえるだろ!?」
 「ああ、分かった、信じる・・よ!」
「そいで、どうすればいい?」
 「そうだな・・・やっぱ病院・・行けよ!」
「そうだよな! でも、何科だ?」
 「それは・・・耳鼻科・・かな?」
「でも、こんな時間に耳鼻科・・やっている所・・あるか?」
「じゃあ、119番だな・・・」
「えっ、119番・・・救急車だ、消防署に電話?」
 「そう、119に電話だな・・・」
「わかった、そうして見る。サンキュー!」

 喧嘩別れした山本愛、スナックでさを晴らしている。
その彼女・・・、急に腹痛が、ちくちく、かなり痛い。
 愛は、マネージャーを追い返してしまった事を後悔している。
彼と喧嘩した事も・・・
 酒そんなに呑んでいないし、原因は酒ではない、はずだ。
では、・・・妊娠? ありえない、 あれは、終わったばかりだし・・・
 しかし、生理不順なのは、ずうーっと・・・、だ。
精神的にも参っている、いろいろな面で・・・。
 時折、予想外な時に・・・下着に・・血液と・・おりものも・・・
 すっかり酔いがさめてしまった、山本愛。
どうしよう・・・ やっぱ、マネージャーに電話か・・・・
「ねえ、私お腹がすーっごく痛いの!」
 「そんなの、しょっちゅうじゃない!!」
「違うってば、本当に痛いの・・・ うっ・・」
 「本当なの・・・?」
「本当よ、本当に本当・・・なの!」
 「仮病じゃなさそうね! で、どうしたい?」
「やっぱり、病院に行かないと駄目かな?」
 「そうね、じゃー・・・心当たり探して見るわ・・!」
「ありがとう、感謝します!」
 「めずらしく、しおらしいのね! 直ぐに調べて、連絡するわ!」
「はい!」


「おい、よしてくれ、怖いよ。お願いだ・・!」
「何言っているの? 約束でしょ、親分と!!」
 「そうだけれど・・・でも・・・コワ・・・イ よ!」
「ほら、指を出しなさい!」
もうおじけづいて、泣くばかり。
 しかし、この彼女無理やり血の出ている手をつかみ、まな板の上に乗せる。
本当に、切断する気だ。
彼女、Sっ気が非常に強い。
「おい、よしてくれ、お願いだよ!!」
 「だめ、あなたお金ないんでしょ?」
  「それは・・・そう・・だが・・!」
 「じゃあ、覚悟しなさい!」
  「いやだよ・・・! いやだ! お願い許して!」
 「私に謝ったって・・・どうにもならないでしょ?」
  「それは、・・・そ・・う だが・・!」
 「はい、覚悟決めて、直ぐ終わるから!」

 何とこの彼女、本気だ。 
 手首をしっかりと持ち、まな板の上に乗せ、そのまな板の下には、
真っ白な手ぬぐいがひいてあった。そして、今にも小指の第一関節にナイフが・・・
「本当に、お願い、やめて・・下さい! 助けて!」
「ほら、じっとして、行くわよ!」
そして、本当にナイフが小指に・・
 「痛い、痛い、痛ぁい」
 ナイフの刃が5ミリ程入った所でそれ以上に進まない。
骨に刃が当たったのだ。 
 かなりの鮮血が飛び散った。
 それとほぼ同時に、男は今まで以上の渾身こんしんの力で腕を引っ張り、
その傷ついた手を別の手で覆った。
「もう止めて、お願い!」
そう言って、一目散にその場を逃げ出した。

 さあ、この三人これからどうなる事やら・・・

また次に続きます。 そろそろ、タムラ先生、麗奈、葵の出番が来るのか・・・

乞うご期待・・・    浅見 希  

 T−総合病院 タムラ先生の妹の設定です。よろしかったらそちらも! 

タムラ先生の夜間外来 −44−2

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