31−ズキン、ズキン・・ん(ヘルペス)
301−タムラ先生 夜間外来
31−ズキン、ズキン・・ん・・?
最近忙しい日が続き、今夜も残業か・・・今夜も彼との食事、無理かな?
愛子、睡眠時間も少ない毎日、疲れも溜まって・・・・。仕事の手を休めると、痛みが・・・ そこは何と右胸の下、ブラのラインが当たる、パソコンの右カッコ(すなわちシフト+8)を打つとピリ、ズキン、ズキンと痛みが走る。
2〜3日前の朝からブラジャーをつける時に右アンダーの所に、小さな赤いぶつぶつが帯状に出ているのを発見した。
かなり気になっていたのだが、そこが大きくなった様だ、擦れて痛い。
先ほどトイレに入った時、ブラウスのボタンを外し、除けてみると、朝より大きくなっていた。
どうしよう、普通の湿疹ではなさそう、以前皮膚炎でもらった、リンデロンVG軟膏を朝、塗って来るも、全然よくならない。
時間があれば、昼休みにでも近くの診療所に、行こうと思っていたが、無理だった、
忙しさのあまり・・・。
夜の冷え込みがきつい、今朝からの長雨で気温が下がって、暖房をつけるかどうかの思案中だった。
それにしても、気にしだすと痛い、パソコンの椅子をくるりと回し、人目を忍んでブラをずらす。
そこを、松村豪憲に見られてしまった。目ざとくその光景を見逃さず、
「愛ちゃん! どうした? ブラがずれたのか?」
「違うわよ、・・・・!」と、言って松村を睨みつける。
松村は、以前愛子と付き合っていた、おそらく彼女を心配して、気遣ってくれたのだが・・・。
余裕の無い愛子、むきになって反発するばかり。
昔付き合いのある松村、踏み込んで、聞く。
「もしかして、おっぱいの下、発疹が出来て、痛いんじゃないか?」
さすが、昔の彼、愛子の事はよく分かっているようだ。
松村の前職は、製薬メーカーのプロパーをしていた。
そして、彼は抗生剤や、抗ウイルスを担当していた事があったのだ。
「変な事、言わないで、“エッチ”なんだから・・・」
しかし、ずばりと言い当てられ、どうすべきか、言葉の語尾の後ろが弱弱しい。
「無理するな、発疹、帯状に広がっているのだろう?」
「それに、愛子残業続きで・・・、かなり疲れた顔しているぞ?」
「・・・ソウ・・ナン・・ダケド・・」返す言葉が弱弱しい。
「よし、これから病院へ行こう!」
「でも、もうやっている所、ないし・・・!」
「俺に任せておけ、何とかしてくれる病院知っているから!」
「えーと、***病院の番号は、あった・・」
松村携帯でコール、
「はい、***病院夜間外来です!」
「わたし、松村と申します。そちらに西川看護師さん、今日出勤しておりますか?」
「西川麗奈ですか? 少々お待ちください。」
「はい、西川ですが、松村さんと言うと、あの時の薬屋さん?」
「あ、そうです、覚えていて頂けました?」
「大変光栄です!」
「実は、帯状疱疹らしき患者、これから診察を・・・」
「この時間は、救急の方専用ですよ!」
「はい、その事は十二分に・・・そこを何とか・・・?」
「そう、タムラ先生ならきっと・・・」
「あっ、あなた、タムラ先生に・・・」
「えぇ・・・」
「それでは、この電話タムラ先生に回します。それで、ご自身で・・・!」
「えっ・・、はい、分かりました。」
「タムラだが?」
「私、以前先生に大変お世話になった、元**製薬の松村です!」
「実は・・・」
「用件は、西川君から聞いた!」
「早くつれて来い!」
「はい、有難うございます、直ぐに・・・」
タムラ先生すこし、不機嫌、だが困った患者を見ると放って置けない損な性格。
それが、幸いして今、鈴木愛子を診ている。
麗奈は、愛子にブラウスを脱ぐように指示し、タムラ先生の前の丸椅子に座らせる。
愛子恥じらいながらも、しっかりタムラ先生の前に胸を出す。
タムラ先生、胸部、背部をよく観察する。
そして、タムラ先生の様子で、麗奈は愛子のブラジャーもはずす。
一瞬、また恥じらいを見せる。ブラから外れたバストはかなりの美形であった。
が、今は少しマイナスポイント、その原因は発疹。一番発疹の多い場所はやはり、
ブラのカップの下。そこに帯状に発疹が15センチの範囲で神経節に沿って広がっている。
ブラのカップが当たる場所には、兵疹がつぶれて、液が染み出している。
「これは、帯状疱疹に間違いないな。」
「何でこんなに、放っておいたんだ!」
「ハイ、仕事が忙しく毎日残業が続き、・・・」
「今日も昼病院に行こうと・・・ でも、忙しくて・・・」
「まあ、この病気は、今のあなたのような状況の時に、発症するんだが?」
「はい、すいません!」と謝る愛子。
「君が謝るのも、なー・・・」
「毎年この季節に、この病気はよく発症するから!」
「これからは、早めに来院するように!」
「はい、よく分かりました!」「十分注意します!」
「今の状態なら、内服と患部に軟膏を塗布しておけば治るだろう。」
「しかし、服薬、きちんと行って下さい。それに、軟膏塗布も!」
「はい、確かにきちんと服用します。」
「問題は、内服薬が少し大きい、丸長で、な!」
「服薬できるか?」
「はい、何とか・・・でも・・」
「大きい錠剤は、無理か?」患者の態度から・・
「では、顆粒を処方しておこう。」
「はい!」と、今度ははっきり、やはりこの女性大きな錠剤は苦手のようだ。
「もし、良くならなければ、入院して点滴だよ!」
「はい、ちゃんと服用します!」
「おそらく、帯状疱疹後の神経痛は大丈夫だと思うが!」
「もし、治った後、痛みが続くようなら、今度は昼間来なさい!」
「はい! タムラ先生、本当に今日は有難うございました。」
「では、今回の薬7日分処方しておく。特別に!」
「麗奈君、後はよろしく、な!」と言って。タムラ先生、診察を出る。
すると、そこに松村が待機していた。
「先生、いつも本当にスイマセン!」
「ああ、・・・で、君製薬会社辞めたのか?」
「はい、色々ありまして・・・」
「そうか、医療業界も大変だからなあ・・!」
「はい、タムラ先生、今度ゆっくりと?」
「そうだな、君とは良く、夜のネオンを・・・」
「そうですね、今度、最近良い所見つけました・・・」
「ところで、この間、救急で来た、彼女は・・・」
「あっ、その事も今度じっくりと・・・」
そんな、会話を聞くつもりはなかったが、麗奈が一言、
「うちの先生、変な場所に連れて行かないでくださいよ!」
「えっ、聞こえた?」
「麗奈さん、そういう意味での変な場所では・・・」
「あっ、そうだ、麗奈さんも一緒に行きましょう。」
「ちゃんこの、おいしい場所見つけましたから?」
「はい、はい、今度ね!」
「でも、本当は、私邪魔では・・・?」
「いえ、決して・・・!」
今回の帯状疱疹の事少し書きます。
(注)製薬会社からの抜粋です。
帯状疱疹治療薬は 抗ウイルス剤(ゾビラックス等)高価な医薬品です。
帯状疱疹は、子供の時にかかった水ぼうそうの原因ウイルスが、神経の中に潜んでいて、
何年かたってから何かのきっかけで再び表に現れてくると起こるものです。
疲れたり、体の抵抗力が落ちているときに発症します。
帯状疱疹にかかると痛みと小さな水ぶくれが現れます。
皮膚の症状や痛みは普通そのうちに治りますが、皮膚の症状が消えた後にも痛みが残る場合があります。
これを帯状疱疹後神経痛といいます。
痛みの原因と対処法
帯状疱疹の痛みは、皮膚症状が現れるのと前後して現れてきます。
ズキン、ズキンする痛みでこれは、ウイルスにより炎症が起こり、
神経が刺激されるためです。
帯状疱疹後神経痛の痛みは、ウイルスが神経を傷つけるために起こるものです。
発疹が現れている時のものとは違って、ピリピリしたりするような痛みで、
衣服がすれるだけで痛みを起こすことがあります。
しかし一方で、夜間はよく眠れたり、何かに集中していると痛みを感じなかったり
するという特徴があります。
帯状疱疹と上手く付き合うには
1)入浴
入浴で体が温まり血液の循環がよくなると痛みがやわらぎます。
他の病気で入浴の制限がなければ、入浴回数を増やしたり、温泉へ出かけるのもよいでしょう。
2)患部の刺激をなるべく避ける。
痛みに過敏になっている場合には、衣服がすれただけでも痛みが増すことがあります。
サラシや包帯を巻いた後に、衣服を着るなどの工夫をするとよいでしょう。
3)保温に心がける。
寒さ」や「冷たさ」が痛みを増強させることがよくあります。
冬には保温し、夏には冷房の冷たい風に直接あたらない、外出時には必ず、
はおれる衣服を一枚は持って行く、などの工夫をするようにしましょう。
4)ストレス、疲労をさけ、出来るだけ安静に!
ストレスや疲労が痛みを増す原因となることもあります。
睡眠を十分にとって、リラックスして過ごすよう心がけましょう。
趣味、気分転換で散歩なども
仕事や趣味などに熱中したり、人と会話するなど、注意が他のことに向いている時には
痛みを忘れていることが多いです。
反対に家にひとりで閉じこもっていると、じっと安静にしているにもかかわらず、
痛みが気になり、落ち込んだり、不安になります。
その結果痛みの悪循環が起こってしまうことがあります。
痛み以外のことに気が向くように、趣味を持ったり、
積極的に外出してみるのもひとつの方法です。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹後神経痛は、症状や程度が患者さんによって違うため、
決まった治療法はありません。
それぞれの患者さんに合った治療法が選択され、組み合せられます。
また、一度や二度の治療ですぐに治ることはまれなため、
根気よく治療を続ける必要があります。
痛みは、薬物療法や神経ブロック、理学療法でかなり軽減できるようになります。
前向きに考えて、痛みとじっくり、上手につきあっていくように心がけることが大切です。
――――タムラ先生の夜間外来 31――――
DrDr---- -Fin-------DrDr
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