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タムラ先生 夜間外来(改編)
作:浅見 希



10−強烈な下腹部の痛み24歳女性!


10− 強烈な下腹部の痛み24歳女性!
 「うっ、痛い、痛い・・・」
さすがの我慢強い陽子も限界、この痛み今日で5度目、
わき腹の痛みと、冷や汗、強烈な痛み、仕事中ずっと我慢 
時々痛みが和らぐ、真っ青で冷や汗をかいて、蹲っている陽子に

「どうしたの?」
「うん、大丈夫!」
「少し休んだら良くなると思う!」
「ありがとう、玲子」
「そう・・?」
「陽子、あれ?」
「いや、まだ早すぎると思う!」
「そう・・・、」
「病院、行ったら?」
「うん !」

また痛みが・・・・、あわててトイレに駆け込む。

“やっぱり生理痛か?” “いや、そんなに私強く・・・”
“生理痛での痛みと違う”
“何か、昨夜ヤバイの食べたかな・・・・?”
“ありえないなー・・“

「ムッグー」「痛ぁいー」陽子、限界 意識が薄れる。
トイレで気を失っていた陽子、たまたま約束していた千佳が
トイレで陽子に遅い事に文句を言おうと携帯でコールすると、
何と、トイレから陽子の着信音

着信音のするトイレのドアをノック返事が無い。
何度かノックして
「陽子、陽子・・・!」
「ぅぅ・・・」くぐもった声
あわてて、ドアを開けようとするが、開かない。
「陽子、ドア開けて」
「早く開けなよぉ・・」

ドア、ノブを回すが回らない。
あわてて、助けを呼ぶ。
もう会社にはほとんど誰も残っていない。
内線で、警備員室を呼ぶ

「社員がトイレの中で倒れている」
「ドアが開かないの、早く来て!」
「はい、わかりました、すぐ行きます。」
「あ、何階ですか?」
「26階よ!」

やっとの事で、ドアが開き陽子はうつぶせに倒れていた。
警備員がドアをよじ登り中に入り開けたのだ。
「警備員さん!」「救急車呼んで、 早く!」

「はい、救急外来!」
「えっ!!!」
「24歳女性 腹痛 食中毒みたいだ?」
「え、違う!」
「わき腹、背中の痛み 今日5回も」
「嘔吐、冷や汗、顔面蒼白」
「血圧低下」
「上70、下50 意識あり」

「わかりました」と、麗奈

傍に、タムラ先生 麗奈と、救急隊のやり取りでほぼ病名推察完了

「で、女性の下腹部からの出血は?」
「ない!」
麗奈、タムラ先生に右手でOKサイン黙って頷く。

「受け入れOKです。」
「5分で到着」

「レントゲン技師」
「いません!」
「今夜も、か?」
「経営が大変だから・・ 院長が・・・」
「わかった、もーいい!」
暫らくうろうろ、今日はなぜかタムラ先生ナースにいた。
「エコーは?」
「あります!」
「そんな事わかっている!」
「うちにあるの、Mモード、Bモード ウーン・・か?」
「はい、3モードのがあります!」
「そうか、それなら何とかなるだろう!」

タムラ先生、第二外来に向う、
「先生、鍵・・・、 開いてませんよ!」
そう言いながら、麗奈、鍵を持って走り寄る。
「先生、エコー、最近使ってないでしょう?」
「だから・・・」
「うるさい! 君使えるか?」
「おそらく、大丈夫です!」
「君、早く、横になれ!」
「えっ、」
「早く、テストだ!」
納得の、麗奈 渋々ベッドに横になる。
「で、・・・」
「腹部だ」
「えっ、えー」
「ええ、じゃない!」
「俺に恥をかかすな!」

エコーを傍に寄せ、電源を入れる。
麗奈、あきらめの境地で、診察台に横たわり腹部を露にする。
ゼリーを腎臓の辺りに塗り、彼女の腹部に乗せたスキャナーを、
ゆっくりと動かす。
やはりタムラ先生、難なくエコーを操作する。
モニターにはしっかりとした画像が現れる。
「君の、腎臓、石は無いようだな!」
「尿管も大丈夫だ!」
「せんせい、もういいでしょ?」
スキャナーが下腹部に向い、麗奈少しドキっとする。

「あっ、そうだな!」
そう言いながらスキャナーを下腹部から放す。
麗奈もあわてて服を着る。

そこへ、別の看護師が立っていた。
「患者さん、こちらに搬送していいんですよね!」
「あっ、そう!」
「ここへ運んでくれ。」
“なんとなく気まずいタムラ先生、一体あの看護師いつから・・・?”
麗奈も気まずそう、白衣の服装の乱れを正し、
手を激しく横に振り、違う、違うと猛烈にアピール。
なんとなく、薄笑いの看護師

搬送された患者を、先ほど麗奈が横になっていた、
ぬくもりのある、診察台に寝かせる。
救急隊は、ベッドに移すと一礼して出て行った。

「痛みは、何時ごろから?」
「今朝から・・・」弱弱しく、痛みをこらえて、
「い、痛―ぁい!」
麗奈が患者の腹部から下半身まで広い範囲を露にする。
そこへ、すかさず、エコーのセンサーを先ほどの様に当てていく。
「以前に石があるって言われた事ある?」
「!・!・!・」首を横に振る。
「おそらく、石」
「腎臓か尿路に石がつまっているよ!」
「あ、あった あったよ! 石が!」
「尿路結石だ!」
と、言いながら先ほど麗奈の位置より、
下の方をスキャンして石を確認。
超音波断層での診断
モニターに映る画像を指差す。
「ほら!」
当然、陽子は見る余裕など無い。
「ペンタゾシン30mg」(非麻薬性鎮痛剤、モルヒネに近いような薬)と、いって麗奈の方を向くと
そこには、シリンジ(注射器)にまさにアンプルカットされた薬液を、
針で吸い込んでいる状態。 
まったく、息の合ったコンビこれでは疑われてもしょうがないか?
しかし、出来る看護師と、コンビなれた医師では当たり前

「陽子さん、注射しますね!」
ただ頷く陽子、右腕のワンピースの袖を巻くり上げ、
アルコール綿で消毒、あっという間に上腕に送り込まれた薬液。
「少ししたら、痛みが和らぐよ!」
そう言って、立ち上がりながら
「明日、来なさい!」
「もっと正確に場所と石の状態、造影剤を注射しながら、
レントゲンを撮ろう。」

かなり傷みがとれた様子、安堵の表情
「はい、明日ですか?」
「そうだ」
「明日は、別の先生に頼んでおく!」
「それ以外の、注意事項は看護師に来ておくように!」
「ありがとうございました。」
タムラ先生、話が終わるころにはドアを開けて、
出て行くところだった。

かなり余裕が出て来た陽子
「あの先生・・・」「ステキ!!」
服の乱れを直しながら、麗奈を見つめる。
まったく現金なものだ。と、少しはにかむ麗奈
均整の取れたステキな脚、顔、ボデイライン、
服も高級なのが麗奈には解かる。
“どうして、タムラ先生の時、美人ばかり来るのかしら?”
「あの先生の・・・?」
「名前は・・・、独身ですか!」
またいつもの質問、少し投げやりに答える。
「タムラ先生よ」
「たぶん、独身でしょう!」
「それより貴方、明日、必ず受診するのよ!」
「今の注射、薬が切れたら痛むわ!」
「あ、じゃー入院させて!」
「えっ、入院?」
いろいろ思案の末、当直室に電話
「先生、患者さん、心配なので入院したいと?」
「そうか、いいだろう!」
「で、部屋は?」
「あります!」少しきつい感じ
「では、俺がCTスキャン立ち会うよ!」

当直室に戻ったタムラ先生は、なぜか明日、
一波乱ありそうな予感を感じながら、タバコに火を付ける。
大きく息を吸い、ゆっくり煙を吐く。
当直室から見える夜景を見ながら、
麗奈のドキッとしたあの時の顔、均整のとれたボデイラインが
暫らく頭の隅に残っている。
そして、なぜか余計に患者の下腹部を広げたような?
そんな事を考えながら眠りに着いた。


---- タムラ先生の夜間外来 10--------

    DrDr---Fin----DrDr












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