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ですぷり! −DESTINY OF PRINCESS−
作:天使美羽



TALE18:ドミニオ告白される


 ティナが言うには、ルヴィアを見た時に前世で会っていると感じたらしい。ティナは前世の記憶を少し持っている。だからルヴィアとリッドに最初会った時、人見知りみたいな態度を取ったのかとドミニオは思った。
 自分もルヴィアを見た時妙に気になり、初めて会った気がしなかったと、ルヴィアも同じ事を言っていたとティナに告げたら驚いていた。
 それは2人も前世で会っている証拠で、2人が感じたのなら出会ったのは偶然じゃなくて必然なのだとティナは言っていた。
 そして意味ありげな視線で言われた台詞セリフはこうだ。
「恋人同士だったかもしれないわよ?」
 そんな訳ないじゃないか。……でも、もしそうだったら嬉しいと思ってしまった。
 ティナに応援してるからと笑顔で言われて、ルヴィアとの相性を占ってあげようかとも言われたが断ってしまって後悔した。本心は気になってたり……。
 今までたくさんの人々を救ってきた占術士のティナは尊敬している。でも占いとか、そういうたぐいを気にするのは正直恥ずかしい。男だし。


 夕暮れ。
 ルヴィアとドミニオは家を出た。
「よっ、トリガー」
 迎えに来たトリガーにドミニオが言った。
「えっ、君もドムんちにいたのか?」
 トリガーがルヴィアに尋ねた。
「そーよ」
「…………」
「どーかしたか?」
 黙ったトリガーにドミニオが声をかけた。
「別に。それじゃ行こうか」


「んまあいっ♪♪」
 バーで料理と酒瓶が数本置かれたテーブルを前にして、頬を赤らめたルヴィアが酒瓶を手に飲みまくる。
「すごいな……」
 ルヴィアの飲みっぷりを目の当たりにしたトリガーはやはり圧倒された。
「ああ、プリンセスの飲みっぷりは尋常じゃねーんだ」
「プリンセスって、ニックネームか?」
「えッ!?」
 唐突なトリガーの問いにドミニオはドキッとする。
「あ、ああ。そーだけど」
「チョットォふたりともぉ、なにボーっとしてんのよぉ。飲んでるぅ〜?」
 だいぶ陽気になっているルヴィア。
 突然、隣に座っているドミニオの首に両腕を回す。ドミニオはドキンッとして顔が赤くなる。
「プリンセスッ!?」
「ドムぅ〜」
 そんな2人にトリガーは立ち上がる。
「何してるんだよ!! 人の目の前でイチャつくなよな!!」
「酔ってるだけだって」
「やあねぇ、よってないわよぉ」
「…………」
 ムスッとしてトリガーは座る。
「なぁルヴィアさん。ルヴィアさんてどんな男がタイプ?」
「そんなコト聞いてどーすんのよ?」
「俺なんかどうかと思って」
 トリガーがそう言うとドミニオはピクッと反応する。
「はあ? あんたなんかゼンゼン、タイプじゃないわよ」
 それを聞いたトリガーは呆気に取られたがフッと笑う。
「そう」
 そんなトリガーを不審に思うドミニオ。
「そーだ、トリガー」
 思い出したようにドミニオが口を開く。
「なんだ?」
「オレ、またしばらく旅に出っから」
「またか? 今度はどこに行くんだよ」
「それはプリンセス任せで」
「ルヴィアさんも一緒なのか!?」
「ああ」
「……いつだ?」
 トリガーが不機嫌そうに尋ねた。
「まだ決めてねーけど……。プリンセス、いつ出発する?」
「うーん、明日でいーんじゃない?」
「明日!? な、何言ってるんだよ。帰ってきたばかりだろ? 少し、ゆっくりしていけばいいじゃないか」
「いや、プリンセスがそーしたいならオレは」
「冷たいなおまえ。親友の頼みだろ?」
 ムスッとして言うトリガー。
「ルヴィアさんもせっかく来たんだから、ゆっくりしていきなよ。そうだドム! 明日ドリスに会ってこいよ」
「エッ!!?」
 ドミニオがビックリした。
「どーしたの?」
「こいつの好きなだよ。ドリスっていって」
「へー、ドムの好きなコ?」
「昔の話だろッ!! 今はなんとも思っちゃいねーッ!!」
 真っ赤な顔でドミニオが言った。明らかに動揺している。
「本当か? あいつドムがいなくなってから淋しがってたぜ。逢いたいってさ」
「えっ……」
 思わず反応してしまう。
「逢いに行ってやれよ」
「……嘘だろ。オレなんか……」
「ナニ弱気になってんのよドムッ! 会いに行きなさいよっ!」
「エッ」
 ドミニオがルヴィアを見た。
「会いたがってる女のコほっとく気? そんなのゆるさないわよ」
「…………」
「うまくいくといーわね」
 ルヴィアが微笑んだ。
 一方トリガーは怪しく微笑んでいた。


 エレンティア家。
「ただいまティナ。オマエあいかわらずそのパジャマ着てんのかよ……」
 帰るなりドミニオが顔をしかめた。
 ルヴィアとドミニオの前に動物の繋ぎパジャマを着たティナが居た。
「何よぉ、いいじゃない。気に入ってるんだもん」
「ルヴィア姉ちゃんっ!? 帰ってきたのっ!?」
「ただいまリッドくん…エッ!」
 駆け寄ってきたリッドにルヴィアが冷や汗を垂らした。
 リッドもティナと同じく動物のパジャマを着ていたのだ。
「リッドまで……」
 ドミニオも冷や汗を垂らす。
「リッド様かわいいでしょう!?」
「着てみたらけっこー気に入っちゃったなっ!」
 満面の笑顔ではしゃぐリッド。
「そ、そーなの。カワイイわよリッドくん」
「ホントっ!?」
「それじゃプリンセスも着ますぅ?」
「エッ!? あ、あたしはエンリョしとくわ」
「そうですかぁ? かわいいのに……」
 ティナが残念そうに言った。
「プリンセスにオマエみてーな趣味あるわけねーだろ」
「いいわよリッド様が着てくれてるから! バスルーム空いてるわよ」
「そんじゃプリンセス、先にどーぞ」
 ドミニオがルヴィアに言った。
「ありがと」
「一緒に入らないのー?」
 からかうティナにドミニオの顔が真っ赤になる。
「なに言ってんだティナッ!! お、オマエまさかリッドと入ったのかッ!?」
 リッドは慌てて首を振る。
「入ってねーよっ!!」
「ティナは一緒に入りましょうって言ったんだけどぉ、リッド様ってすっごい恥ずかしがり屋さんでぇー、お背中流そうとしても断るしぃー。でもそんなリッド様も愛しいんですけどねぇー!」
「わあッ!!」
 ティナがリッドに抱き付いた。
「…………」
 そんな2人にルヴィアとドミニオは冷や汗を垂らした。
「あ、プリンセス。リッド様はティナと寝ますから、プリンセスはお兄ちゃんのお部屋で休んでくださいね」
「ティナッ!! そんな勝手にッ!!」
「ダメだよそんなのッ!!」
「あたしはかまわないわよ」
 ルヴィアがそう言うとリッドは驚く。
「エッ!!? なんでッ!!? ルヴィア姉ちゃんオレのなんだろッ!! ホカの男と寝るなんてダメだよッ!!」
「ヤダァ、リッドくん。そんなコトゆーなんてランディみたい」
「エエッ!!?」
 それを聞いたリッドがガビーンとショックを受けた。
「リッドくんにはランディみたくなんないでほしかったのに」
「やッ! やめろよルヴィア姉ちゃんッ!! オレをあんなバカ兄キといっしょにすんなよッ!!」
「そぉ? だったらドムといっしょでもいーわよね」
「うッ……」
 冷や汗を垂らすリッド。
「ダイジョーブよ、ドムはそこらの男どもとちがうから」


 入浴後のほんのり赤い顔のドミニオは部屋の前に居た。
 ここを開ければルヴィアが居る。まさか、自分の部屋で夜を共にするとは思わなかった。
 どんな顔をすればいいのだろう。
 勿論普通にしていればいいのだが、油断すると口元が緩みそうだ。

 青のベッドやカーテン、黒の家具で統一されたシンプルなドミニオの部屋。

「あ、ドム」
 部屋に入るとすぐにルヴィアが笑いかけた。
 ドキッとするドミニオ。
 着ている物は見慣れた妹のネグリジェだが、ルヴィアが着ていると新鮮でドミニオの目にまぶしく映った。
 髪はまだ少しシットリしていて艶っぽく、それが色気を更に引き立たせる。ベッドで足組みしているネグリジェの裾から覗く太ももにドキドキする。
 色っぽい。
 鼓動が高鳴ったままルヴィアの隣に座る。
 自分の部屋にルヴィアが居るなんて、信じられない。
 ゆっくりルヴィアを見ると目が合いドキッとした。
「…………」
 無言のまま見つめ合う。
 ドミニオはルヴィアの手に触れ握った。
「チョット!」
 ルヴィアが手を引っ込める。
「あっ。ご、ゴメン」
 拒まれた。
 いや、今のは衝動的にしてしまったから拒んでくれてよかった。
 もし拒まれなかったらどうしていただろう……。考えてゾッとする。
 でも、ルヴィアが解らない。抱き付いてきたりキスしてきたり。
 酒の勢いだとしても、好きでもない男にそんな事をするのだろうか。ルヴィアがそんな女性だと思いたくないし。
 恋人でもないのに……。
 どう思っているのか聞きたいけれど言いだせず、自分が情けない。まだ期待してしまっている。一緒にいたらそうなれる日が来るのかと。でも自分がルヴィアにふさわしいとは思えないし期待するだけ無駄かとも、いっそフラれたほうが楽なのかとも思う。
「……ドム、好きなコいたのね」
「エッ!」
 そう来たか。
 ルヴィアが切り出した話題にドミニオはバツが悪くなる。その話題は避けたかった。
「ず、ずっと前の話だぜ」
「でもまだ好きなんでしょ」
「好きじゃねーよっ! そのコ、好きな奴いるし」
「あきらめちゃうのっ!?」
「もーいーんだ。今は別に好きな人いるし」
「え」
「…………」
 ドミニオが赤い顔でルヴィアを見た。悟るルヴィア。
「あ、あきらめないでがんばんなさいよドムッ!」
「エッ」
 ガビーンとショックを受けた。
「そのコあなたに会いたがってんでしょっ!? きっとドムのコト好きなのよっ」
「そんなわけ。だってオレ、フラれてるし」
「がんばって! あたしオーエンしてるわ」
「…………」
 いや応援されても、と困り顔になるドミニオ。
 これで解った。ルヴィアの気持ちが。
 ショックで泣きたくなった。


 次の日。
 ティナの部屋。
 ルヴィア、リッド、ドミニオ、ティナはテーブルを囲みトランプに夢中だ。
 真剣な表情のルヴィアはリッドが手にしている残り2枚のカードを選び引き抜く。
「こっちだわっ」
 だがジョーカーを見てゲッと顔をしかめる。
「リッド様がんばって!」
 先にあがっているティナが応援している。
「がんばるよっ!」
 リッドはルヴィアの2枚のカードの内ジョーカーじゃないほうを引き抜いた。
「やったーっ!! オレの勝ちだっ!!」
 満面の笑顔でバンザイしティナは祝福する。
「初めて勝ちましたねリッド様!」
「ジョーダンじゃないわッ!! もっかいよッ!!」
「プリンセス弱いですねぇ」
 ティナが笑うとルヴィアはカチンッとして聞き捨てならない様子で口を開く。
「なんですってェッ!!? このあたしに弱いなんてコトバふさわしくないのよッ!! こんどは1番に勝ってみせるわッ!!」
 するとティナは妙にソワソワしているドミニオに目を向ける。
「お兄ちゃんトイレに行きたいの?」
「ちッ、ちげーよッ!」
「何さっきからソワソワしてるの?」
「別に」
「ドムはやく行きなさいよッ!!」
 ルヴィアが怒鳴った。
「行かねーよ」
「気になってんでしょッ!!」
「ゼンゼン」
「ウソツキッ!!」
 2人の様子にリッドとティナは唖然とする。
「ど、どーしたの?」
「ドムが好きなコに会いに行かないから」
「言うなッ!!」
 ドミニオの顔が真っ赤になった。
「エッ!?」
 ルヴィアの発言にリッドとティナが驚いた。
「好きなコってッ!?」
「お兄ちゃんの好きな人は、だって」
「ドムの好きなコがドムに会いたいって言ってんの。なのにドム行かないって言いはってんのよ」
「ナニやってんだよドムッ!! 早く行けよッ!!」
 ここぞとばかりにリッドが言う。
「お兄ちゃん他にも好きな人いたの? 最低」
 軽蔑の眼差しを向けるティナ。
「昔のことだッ!」
「昔? それって、あのフラワーショップの人?」
 ティナがそう言うとドミニオの顔がカァッと赤くなる。
「やっぱり」
「う、ウッセーな」
 赤い顔を背けた。
「早く行けってばドムッ!!」
「ウルセーッ!! 行かねーったら行かねーよッ!!」
 意地を張り続けるドミニオにルヴィアの額に青筋が立つ。
「そぉ」
 立ち上がった。
「わかったわよ。ドムが行かないならあたしがそのコつれてくるわ」
「エッ!!」
 ルヴィアの発言にドミニオが驚く。
「オレも行くっ!」
「それではティナがご案内します」
 リッドとティナも立ち上がるとドミニオは慌てる。
「まッ! 待てッ!! わかった会いに行くッ!!」
 ついに観念するドミニオだった。


 気が重い。
 街道を重い足取りで行くドミニオは浮かない表情でため息をつく。
 向かう先に色とりどりの美しい花が咲き乱れるフラワーショップが見えてきた。

「ありがとうございましたー」
 店員の娘が客を見送っていた。

 ドリスの姿を見たドミニオはドキーンとする。
 急に緊張して鼓動が速くなる。
 ……もうヤケクソだ!
 自棄ヤケになってドリスに向かっていった。
 花の香りが風に乗ってフワっと運ばれてくる。
「ドリスさん」
 声をかけるとドリスは振り向く。
「あ、ドミニオさん」
 ドリスが笑顔を見せた。一輪の花のような笑顔はフラワーショップに咲き乱れる花にも劣らない。可憐で笑顔の素敵な娘だ。

 ドミニオはクラッとする。
 この笑顔に、オレは。
 惚れたらしい。
「お久しぶりです」
「あ、ひ、久しぶり、ですね」
 緊張のあまり声がうわずるドミニオ。
「私、お会いしたかったんですよ。あれからショップにも来てくれなくなって」
「えっ」
 本当だったのか、とドミニオが思う。
「……あんなこと、言っちゃったからですか」
「あんなことって、あ……」

『ごめんなさい。私、好きな人がいるんです』
 ドリスに想いを告げた時、そう言われた事を思い出した。

「後悔してるんです、私。言わなきゃよかったって」
「えっ?」
「私、ドミニオさんが好きなんです」
「エエッ!!」
 突然ドリスに告白されドミニオが愕然とした。
「私と、おつきあいしてくださいませんか」
「えっ!」
 嘘だろ!?
 思ってもない展開にドミニオがうろたえる。
「ドミニオさん」
「あっ、ちょっ、ちょっと待った!」
 両腕を伸ばしてドリスを止めた。
 下を向き、落ち着く為ふぅーと一息つく。
「……オレのこと好きだって? マジ?」
「はい」
 それを聞いたドミニオはドッキーンとした。
 信じられない。
 初めて告白されてしまった。
 そんなの自分は無縁だと思っていた。告白されるってこんな気持ちなのか……。
 赤い顔でドキドキした。
「つきあってくれますよね」
「えっ! いや、あの」
「ダメですか?」
 しおらしい表情で見つめるドリスにドキンッとする。
「ダメじゃねーけどっ…あ」
 思わず言ってしまった。
「本当ですか!? 嬉しい!」
 とびきりの笑顔で喜ぶドリス。
「私、今日もうすぐあがりなんです。デートしてくれますよね?」
「え」
「待っててくださいね」
 笑顔でショップに戻っていった。
「あ……」
 どうしよう、デートする事になってしまった。
 本当なのか? ドリスが自分の事を好きだなんて信じられない。
 だがドミニオの鼓動は治まらずドキドキしていた。


 エレンティア家のティナの部屋。
「ドム、うまくやってるかしら」
「プリンセス、お兄ちゃんがその人とうまくいけばいいって思ってます?」
 ティナがルヴィアに尋ねた。
「そりゃそーよ」
「オレもうまくいけばいーって思ってるよっ!」
 ライバルが減るもんね、とリッドが思う。
「リッド様はそうかもしれませんけど。ティナ、プリンセスも少しはお兄ちゃんのこと好きだって思ってました」
「えっ」
 キョトンとするルヴィア。
「好きよ。トモダチだし」
「やっぱり友達ですか……」
 するとドアをノックする音が聞こえた。
「はーい」
 ティナが返事をすると母がドアを開けた。
「ティナ、テーリーさんが来てるわよ」
 それを聞いたティナはイヤーな顔をする。
「エ〜〜! テーリーさん!? いないって言ってよぉ」
「ダメよ、呼んでくるって言っちゃったんだから」
 ティナは不満そうな表情をする。
「……もう、わかったわよぅ。ティナ、ちょっとお外に行ってきますぅ。すぐ戻りますから」
 ルヴィアとリッドに言った。


 家の前でティナはテーリーと会った。
「ティナ、昨日はどうしたんだよ。家に来るって言ったのに来ないから心配したよ」
「あのテーリーさん。悪いんですけどティナ、他に好きな人ができたんです。ですからもうティナにかまわないでください」
 ティナが冷たく言った。
 唐突な別れ話にテーリーは目を見開き大ショックを受けた。
「エエッ!!? そ、そんな……」
 ハートにヒビが入り真っ二つに割れた。
 失恋したテーリーが振り子状の涙を流していると、そこへトリガーがやってきた。
「やあティナちゃん」
「あ、トリガーさんじゃないですか。お久しぶりですねぇ」
「久しぶりだね。あのさ、ルヴィアさんて方来てるかな?」
「プリンセスですかぁ? いらっしゃいますけど」
「ちょっと呼んでほしいんだ」
「えっ? お兄ちゃんじゃなくてプリンセスにご用なんですか?」
「うん」
 それを聞いたティナはジトッとした目でトリガーを見る。
「……どうしてです? ズバリ、プリンセスに気がありますね!!」
 トリガーをビシッと指差した。
「そうだよ」
「ええ〜〜!! じゃあトリガーさん、お兄ちゃんと恋のライバルですよぉ!!」
「だから?」
「わあ、なんかすごい展開。ティナ、ドキドキしますぅ」
 赤らめた頬を両手で押さえるティナにトリガーは冷や汗を垂らす。
「あのさぁ早くルヴィアさんを呼んでくれるかな」


 ティナの部屋。
「プリンセス、トリガーさんが来てるんですけど」
 ティナが声をかけるとルヴィアは振り向く。
「えっ!? ダレそれ」
「お兄ちゃんの友達です」
「……あっ、昨日の」
「なんでソイツがルヴィア姉ちゃんに用なんだッ!?」
 リッドが不愉快そうに言った。
「デートのお誘いじゃないですか?」
「なッ!! なんだってッ!!?」
 ティナの発言にリッドが目を見開いた。
「ふざけんなッ!! ルヴィア姉ちゃんによってたかってッ!! オレが行ってくるッ!!」
 怒り噴騰で立ち上がった。


 家のドアが勢い良く開く。
「エッ!?」
 そこに居たのがルヴィアではなくリッドだった為トリガーが驚きの表情で見た。
「オマエッ!! ルヴィア姉ちゃんに気安く近づくなッ!!」
 リッドが睨みつけるとトリガーはムッとする。
「なんだ君は。ルヴィアさんの弟か?」
「どーだっていーだろッ!!」
「生意気なガキだな。ルヴィアさんいるんだろ? 出せよ」
「帰れッ!! もー来んなッ!!」
 そう言い捨てドアをバタンッと閉めるリッドだった。


【TALE18:END】







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