第十話 勉強会?
カリカリカリ 文字を書く音だけが聞こえる。
現在、夜の7時。勉強会をすることにしたおれたちは、ただいま勉強の真っ最中だ。
「も、もうだめ〜」
舞が弱音を吐いた。そりゃそうだろう。舞は、今まで2時間以上勉強したことがないのだ。
「弱音を吐く暇があったら、勉強しろよな」
しかし、舞はおれの言葉を無視して冷蔵庫をあさり始めた。ってか、勝手に人の冷蔵庫をあさるなよ。
「ねえ〜、なんか食べようよ〜。私おなか減ったんだけど〜」
グウゥ〜 舞のセリフに合わせるかのように、俺の腹が飯を食わせろとの合図を送ってきた。
「しゃあねえな。じゃ、飯にでもするか。蛍、ご飯の準備手伝ってくれないか?」
「う、うん」
そう言って俺と蛍は台所に行った。ちゃんと、舞を縛り上げて。
「ひょっほお(ちょっと!)、ひゃひしゅるのほ(なにするのよ!)」
普通の人なら何を言っているか分からないだろう。しかし、俺だけは何を言っているのかわかった。
「いや、じゃねえとおまえ、料理手伝おうとするだろ?」
その言葉を聞いた瞬間、禎貴と雄大はぎくりとした。禎貴達も、あの料理の恐ろしさを知っているのだ。
ちなみに、忘れている読者の人もいると思うのでいっておこう。舞の料理は、見た目は完璧だが中身がひどい。あれを食って病院送りになったものは数知れず。そのため舞の料理は、『キラークッキング』と呼ばれている。(そんまんまだが)
「ひゃひゃらっへ(だからって)、にゃぬでぇしびゃぶのほ(なんでしばるのよ!)」
「蛍、そこのジャガイモを剥いてくれないか?あと、タマネギを細かく切り刻んでくれ」
「うん、わかった」
舞の言葉を無視し、料理を始める。今からおれたちが作るのは、カレーだ。平凡とは言わないでくれ。おれのオリジナルカレーは結構うまいんだぜ。
手際よくおれたちはカレーを作り始めた。舞はまだ文句を言い、禎貴と雄大は勉強を続けている。
「この英語の文章なんて読むんだ?」
「それはね、私達は自由を勝ち取るために戦いに出かけた、と書いてあるんだ」
「なるほど」
「じゃ、次の文はわかるかい?」
「え〜っと、・・・・・・女は脱ぐと魅力的になる、かな?・・・・・・・なんか、この文章すげえな」
「確かにね。でも、誰だって脱げば魅力的になるでしょ」
「いや、脱ぐだけが魅力的になる要素ではない」
禎貴の目が輝いている。
「それは何?」
「ふふ、それはですね。」
禎貴が大きく息を吸い込んだ。
「メイドに猫耳、スクール水着に天然、そしてやはりいちおしは!!!『ひゅん!』ゲピャ!!」
光起が投げたお玉が禎貴の頭にクリーンヒットした。
「変なことを言わないで、さっさと飯の準備しろ。食わせねえぞ」
「禎貴、気絶してるよ」
「ならほっといて」
「わかった」
そう言って、雄大も食事の準備をし始めた。
〜〜〜〜〜十数分後〜〜〜〜〜
リビング一帯に、いいにおいが漂っていた。
「出来たぞ〜」
そう言って、おれはカレーを盛り始めた。
「おれは普通でいいな。蛍はあんまり食べなさそうだから少なめでっと、雄大先輩も少なめだな。舞は多めで、禎貴は・・・・・」
そのとき、おれはいいことを思いついた。そばにあった赤い香辛料をひとビン丸ごと禎貴の器に入れたのだ。・・・・・すんごく、赤い。
「ま、大丈夫だろ。死にはしない。うんうん」
禎貴なら大丈夫だ。何の根拠もないのに俺はそう思った。ま、禎貴は体を張って笑いを取る奴だからな。別にいいだろ。
「ねえ〜、まだ?早く持ってきてよ。私、お腹ペコペコなんだから」
・・・・・なら自分で持っていけよ。もってく人のみにもなれよな。ま、無駄だろうけど。
そう思いながら、蛍と一緒にカレーを持っていく。そして、禎貴の所だけに砂糖を大量において座った。
「・・・・・・光起、何で俺のところに砂糖なんか置いてんだ?」
「うん?ああ、それはな、もし辛かったときのためだ。砂糖を舐めると辛さが取れるって言うからな」
「ふ〜ん」
・・・・・ふう〜。何とかやり過ごせた。さて、ではいただきますをするか。
「じゃ、手を合わせて」
「は〜い」
「は、はい」
「ほ〜い」
「はい」
「「「「「いただきます!!!!」」」」」
そういって、皆いっせいにスプーンを口に運んだ。
ばく!
・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ほぎゅああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
その瞬間、光起の家にこの世のものとは思えない叫び声が響き渡った。
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