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第4話:学校にて
 キッチンを片付けると、二度寝に入った。ようやくおさまった熱がぶり返しそうになるのを必死に押さえて無理やり寝る。ほぼ仮眠に近く、寝た気もしないが、寝ころんでいるうちに体調はよくなった。

 朝になり、顔を洗うと完璧だ。もう風邪は治まったらしい。自分の免疫力に感謝し、登校の準備をする。

 学校に着き、教室に入る。今日は天気もよく暖かい。教室には清々しい空気が流れているが、俺の気分は穏やかでない。席に着くと春日井が話しかけてきた。

「タックン、早退するのなら俺も連れてってくれよな〜」
「悪いな。彼女に映画を誘われたんだ」
「え? 彼女出来たの!?」
「嘘に決まってるだろ」

 俺の言葉を真面目に受け止める春日井を余所に大杉が割り込んできた。

「大丈夫? 柊君? あの後、死んじゃうんじゃないかって心配してたのよ」
「あぁ、実は今日から幽霊なんだ。よろしく頼む」

 笑い転げる大杉を無視して、青木が走り込んでくる。

「え? 柊さん、死んじゃったんですか!?」
「そんなわけないだろ」

 こいつは冗談もわからないのかと思いながら、俺は青木に質問を投げかける。

「なぁ、もしも、幽霊がいたとしたら、どうやって退治するんだ?」
「幽霊は無敵です!」

 間髪入れずに青木が答えた。実際にそうであったとしても……せめて十秒は考えてほしい。その話を聞いて、大杉が口を開く。

「柊君、呪われたの? どうりで完全無欠席が学校を早退するわけだ。神社にでも行ってお祓いでもしてもらったら?」
「成る程、それは名案だ」
「え? 本気で言ってるの?」 
「最近、災難が多くてな。少々、神様にでもすがりつきたい気分なんだ」

 流石の大杉も俺の言葉に一歩たじろぐ。俺が新宗教にでも目覚めたと思ったのだろうか? そこで春日井が意見を述べる。

「神様なんかいるわけないって。もしも、神様がいたなら、今頃、俺は彼女とラブラブな学園生活を送ってるはずさ」
「彼女欲しさに神頼みか、それもいいんじゃない。まぁ、春日井君の願いを叶えられる神様なんてこの世にいないだろうけど」

 大杉は見下し加減に言葉を吐く。要するに、願いを叶えられる神様がいないほどに春日井はもてないと言いたいのだろう。遠回しの皮肉である。春日井はめげずに大杉にアタックする。

「そんなことないぜ、俺の目の前に願いを叶えてくれる神様がいるじゃない」
「神様なんていないんでしょ? さっき春日井君が言ってたよね?」

 それを聞いて、春日井は何ともやるせない気持ちを右の拳に込めて崩れ落ちるポーズをした。憐れんでほしいのだろうか。そんな春日井に目を向けることなく青木が話し出す。わざとなのか天然なのかはわからない。

「それで柊さん、その後の一人暮らしはどうですか?」

 こいつの本命はオカルト話であろう。すでに幽霊の存在は確実なのだが、どうしても青木に幽霊話をする気にならないのは、青木の目が異常に光り輝いているからだ。
 こいつに幽霊話をした途端に俺の部屋が乗っ取られてしまう気がする。そんなことになっては幽霊どころではない。俺は適当に話を流す。

「まぁ、いろいろと大変だ」

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