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第32話:ダンボール
 食事が終わり、寛ぎタイムとなる。俺は宿題をし、ウェスタは落書きをしている、シバルは何かを作製しており、ヒュプはシバルの様子を伺っている。しびれを切らしたのか、ついにヒュプがシバルに口を出した。

「それ何?」
「これですか? ちょっと待って下さいね………できました!」
「何だよ、それ?」

 宿題に嫌気がさした俺も話に加わる。シバルが自慢げにダンボール作品を見せつける。

「見てください! 僕専用のダンボールお休みセットです! この中ではとっても安心して安眠できるのですよ。こんな狭い所で寝れるのかって思われるでしょうが、神様って結構狭い所が好きな人が多いんですよね。僕もそうなのですが……」

 シバルが説明をするのを余所にヒュプがダンボールへと入って行く。シバルはそれに気が付いていないようだ、お喋りを止めようとしない。俺はダンボールを指差しながらシバルに言う。

「おい、ヒュプが入って行ったぞ」
「え?」

 シバルがダンボールに目を向け、中を覗き込む。同様に俺も後ろからダンボールの中を覗いた。ヒュプが気持ちよさそうにスヤスヤと眠りについている、これは当分起きそうにないと思われる。俺がシバルの肩に手を乗せて言葉する。

「ご苦労さん」

 予想通りヒュプは就寝時間になっても起きてこなかった。仕方ないのでシバルは諦めて押し入れで寝ることにしたようだ。押し入れの方が広いから俺的にはそのほうがいいのではないかと思うのだが、神様の考えは人間とは異なるらしい。シバルが残念そうに押入れに向かって行った。

 一緒に寝るか、と思わず聞きそうになったが、あいつは子どもではないので、俺は言葉を改め、代わりに別の言葉を口にする。

「死神も案外悪くないな」

 すると、押し入れの扉が小さくカタンと揺れた。「どうも」ということであろう。シバルにしては無言の答えだが、それも俺の布団で熟睡するウェスタとシバル特製お休みセットで熟睡するヒュプを起こさないためなのだろう。あいつもあいつなりに気を使っているのだ。

 俺はウェスタの頭を撫でながら考える。シバルも案外いい奴なのかもしれない。しかし、心の底からいい奴だとは思わない、今日の出来事すべてを考慮したらプラマイゼロである。本当にいい奴かどうかは今後の行動を見て考えるとしよう。

 俺はヒュプがいない分だけ広くなった布団で深い眠りにつくことができた。

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