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第229話:神光祭〈テミス編〉
 ここは神様ホテルのスイートルーム。明日は審判をしなくちゃいけないし、もうかったるいから早く寝よう。そう思い、お風呂に入って出てきたら、嫌な奴と目が合う。ベッドの上を跳ねまわるのは、超劣等生のシバル。どうしてこいつがここにいるのよ?

 私は近づき、シバルに問う。

「どうしてあなたがこんなところにいるのよ!?」
「?」

 シバルは首を傾げて、そのまま横へと倒れる。目をパチパチさせながら、私を見つめる。様子が変ね。こんな奴じゃなかったはずだけど……。私はもう一度質問する。

「あなた神天界に加入する気になったの? それともただの嫌がらせ?」

 シバルは私を見上げながら起きあがらない。これは私のベッドなのに、何を考えてるのかしら? 私が少し不機嫌になっていると、不意にシバルが震え出す。カタカタ震えて、止まらない。どうしたの? 流石の私も心配する。

「大丈夫? 何かあったの?」

 カタカタ震えながら、シバルがベッドから降りる。私の足元へ来て、私にしがみつく。まるで子どもみたい。確かに見た目は子どもだけど、中身は大人だったはず。だって、私よりも年上イメージだったもの。

 震えるシバルの頭を撫でながら、しゃがみ込む。

「どうしたの? 変な薬でも飲んだの?」

 私が問いかけると、シバルが抱きついてきた。何なのよ、こいつ? わけわかんないわ。私はシバルを抱きかかえ、ベッドに座る。隣に置いて、考える。
 どうしよう? 緊急センターに連絡するべきかしら? だけど、今は神光祭で忙しいから。本当に緊急の時以外は動いてくれそうにないし。

 私が真剣に悩む横では、シバルが何かを振っている。カチャカチャ音のする方へ目を向けると、ドロップ缶。どこから取り出したのかはわからないけれど、シバルがそれを私に見せる。どうしろっていうの?

 カチャカチャカチャカチャ振りながら、私にドロップ缶を押しつけてくる。私はそれを受け取り、問いかける。

「何よ? これをどうしてほしいの?」

 シバルは何も答えない。私を見ながら、首を傾げる。とりあえず、ドロップ缶のふたを開けて、ドロップを一つ取り出す。それをシバルに手渡して、ドロップ缶のふたを閉める。ふたを開けたままシバルに手渡したら、まき散らしそうで怖いもの。

 ドロップを受け取り、シバルがそれを口に入れる。満足そうな顔をするシバルにドロップ缶を返して、一言述べる。

「そろそろ出て行ってくれない? 私は明日、早いから。早く休みたいのよ」

 そう言って、シバルをベッドから下ろす。電気を消して、ベッドに潜り込む。あ~、眠たい。今日はいろいろと疲れたわ。明日はもっと疲れるのね。
 扉の鍵はどうしよう? まぁ、別にいいわ。盗まれる物なんてないし。それに私だって、神天界の中幹部よ。多少の防衛術くらい心得ているわ。

 私が心地よい眠りに誘われていたら、布団の中に何かが入り込んでくる。何よ!? 誰よ!? って思っていたら、またシバル。何なのよ、こいつ。本当、もう~! 私はシバルを蹴とばして、布団の中から追い出す。あなた、子どもだけど、子どもじゃないでしょ!

 シバルがベッドから落ちる音。知らないわ。女性の部屋に忍び込むほうが悪いのよ。そして、やっと眠れると思っていたら、目の前にシバルの顔。もう、嫌になっちゃう。不意にシバルが震え出す。カタカタ震えながら、私にしがみ付いてくる。

「もう、わかったわよ。今日だけよ。あ~あ、彼氏と寝るのならまだしも、何であなたみたいな子どもと寝なきゃいけないのよ。わっけわかんないわ」

 膨れる私の懐で、シバルがスヤスヤ寝息を立てる。こんなことなら、大人になって一緒に寝てくれたらいいのに。こいつ結構カッコ良かったし……。そんなことを考えながら、目を瞑る。

 どこかに良い彼氏いないかなぁ~。でも、最近は碌な男がいないし、あの未来って奴は融通がきかないし。無駄な事を考えていたら、どんどん目が覚めてくる。早く寝なきゃ。明日は早いのに……。

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