ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。

未来の弟、アレギアです。

基本は常識人だけど、ブラコン率は高いです。

兄のことになると全力を尽くします。
第176話:文化祭〈アレギア編〉
 どうしよう? きっと兄さん怒ってる……。あの人が兄さんに危ない物を突きつけるから、思わず火を放ったら、あんなことになるなんて。俺は講堂から出るに出られず、舞台の発表を見続ける。

 演奏やダンスなどが公演される中、舞台の上に知人が現れる。その人が両手を上げて、口を開いた。

「スーちゃんのビックリマジックショー!」

 スザク!? 急な事の展開に、目を点にして、言葉を無くす。どうしてスザクが? スザクの周りにはウェスタちゃんとヒュプ君が走りまわっている。

 俺は三人に目を向けながら、状況把握に努める。この時間は本来ならば、陸上部の発表だ。それを無視して、スザク達が登場するってことは……。
 舞台の裏を見てみたい。だけど、他人である俺が行くのは少しマズイ。犯罪レベルの話になっていなければいいのだけど。

 不安げな俺を余所に、スザク達のマジックショーが始まる。マジックショーというよりは曲芸に近い。リンゴを宙で切りながら、綺麗にお皿に盛りつけたり。短剣を投げて、的に命中させたり。どの辺りがマジックなのかスザクの前に出て問いかけたい。

 俺が呆れ返っていると、会場内に青い鳥が飛び込んでくる。舞台の上で人に変身し、スザクに向いて口を開く。

「お久しぶりです。この度は暇を持て余したので遊びに来ました」
「こんにちは。スーちゃんのビックリマジックショーに参加する?」
「マジックショーとは何でしょうか?」
「リンゴを切るのー!」
「ミックスジュース!」

 謎の人物に続いて、ウェスタちゃんとヒュプ君が答える。謎の人物が二人に向いて言葉する。

「成る程、剣の技術を披露するのですね」

 勘違いしちゃったー! 俺は顔を覆って地面を見る。教えてあげたいけれど、この状況で舞台に出るのは恥ずかしい。勘違い組の四人が奇妙なマジックショーを繰り広げる。

 謎の人物が剣で果物を粉々に砕き、鍋の中に落とし入れる。スザクがコップに移し替えると、果物がミックスジュースになって登場だ。
 それをウェスタちゃんとヒュプ君に配る。多分、この場面はマジックショーだろう。他の人から見れば、忽然にジュースが消えるのだから。

 俺が白い目で舞台を眺めていると、隣の人が話し出す。

「うわぁ、皆凄いね。何だか映画を見ているみたい」
「あなたも参加?」

 スザクが俺の隣人に指を差す。スポットライトがその人に当たる。俺はスポットライトの光から離れて他人の振りだ。そして、その人が首を振りながら答える。

「ううん、僕は何にも出来ないから。見物だけにしておくよ」
「これはメモリー様ではないですか。あなた様も文化祭と呼ばれる儀式に参加ですか?」

 舞台の上の謎の人物が問いかける。儀式? それは少し大袈裟じゃないか? 俺が一人で考えていると、メモリーという人が口を開いた。

「うん、そうだよ。ブレットも?」
「はい、姫様から休暇を頂き、勉強のために来させて頂きました」
「だけど、いいのかな? ブレットがここに来て。姫様は怒らなかったの?」
「姫様は『面白いことを探して来て下さい』と仰っておりました」
「そっか……姫様も暇なんだね。僕も同じだから気持ちはわかるよ」

 二人の会話が進む中、スザクが誰に言うことなく喋り出す。

「スーちゃんのビックリマジックショー、現在参加者募集中。自信のある人は両手を上げて」

 誰もが無反応だ。マジックに自信がある人なんてそんなに頻繁に現れないだろう。それ以前に、マジックかどうかも疑わしい。ウェスタちゃん達が両手を上げて騒ぐ中、メモリーが俺に向いて言う。

「あなたは何かできないの? 未来の弟さん」

 きたぁー! 他人の振りをしていたのに、巻き込まれた。俺が逃げる暇もなく、スポットライトが俺に命中だ。うわぁ、恥ずかしい。どうしよう? 
 俺は硬直し、スザクは俺に大きく手を振る。ブレットは何を納得したのか、一人で頷いている。ウェスタちゃんとヒュプ君が俺に駆け寄り、メモリーがためらいがちに言葉する。

「あれ? もしかして話しかけちゃいけなかった?」

「ちび神」が面白ければ、投票お願いします。



+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。