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第18話:雨漏り
 二人に再会した数日後の話である。ずっと雨続きでアパートが潰れるのではないかと思っていた矢先に、大雨洪水警報のニュースが流れ、学校が休校になった。ラッキーと思っていたら、思わぬ不運が訪れる。ウェスタがお箸を手に持ちながら踊っている。

「カン、コン、カン」
「コン、コン、カン」

 ウェスタの後ろでヒュプも踊る、俺は現状対処に頭を抱える。俺のことなど気にもせずに二人は揃って踊り続ける。

「カンカンカン」
「チンッ!」

 最後の音はウェスタがお箸でどんぶりを叩いた音だ、それを聞いて俺は発狂する。

「あー! お前ら、静かにしろー!」
「わ〜、タックンが怒った〜」

 現在、俺の部屋は見事なまでに雨漏りしている。隣の部屋の雨漏りが拡大したようだ。この部屋でこれほどの雨漏りなのだから、隣の部屋は大変な事になっているだろう。一度は見てみたいものだが、そうしなくとも数時間後には俺の部屋も同じ状況になると思われるので、見に行く必要はなさそうだ。

 俺が鬱陶しそうな顔をしているとウェスタがお箸で俺の頭を叩いた。

「タックン、遊ぼう」
「箸で人の頭を叩くな」

 俺はウェスタからお箸を取り上げて、和室に寝転ぶ。と言っても雨漏りが酷いため、端っこにちんまりと丸くなるのが限界だ。そろそろ大の字になって寝ころびたい。暗い俺の背中にヒュプの声がのしかかる。

「お出かけ」
「お出かけ? こんな雨で、雨漏りで、むなしい気分の時に、お出かけ?」
「気分転換だよ」とウェスタ。
「気分転換〜」

 ヒュプが両手を上げてアピールする。俺は寝ころんだまま二人を見上げる。

「そんなことで気分が転換できるのか?」
「やってみないとわかんないよ〜」

 ウェスタも両手を上げてアピールする。俺はしばらく黙っていたが、おもむろに立ち上がり言葉する。

「出かけるか……」

 部屋のことは諦めた。この後に大雨が降ることを考えると、部屋に残って無断侵入してくる雨を追い払わなければいけないのだろうが、今の俺には部屋を防衛するほどの気力がない。心を広くして二人の神様を受け入れたのだ、同様に雨も受け入れよう。

 俺は貴重品を手に持ち、玄関へと向かう。二人の神様ははしゃぎながら俺の周囲を走り回る。俺が傘を拾い上げると、ウェスタが手をのばして口を開く。

「ウェスタが持ってあげる」
「お前が持っても、俺が入れないだろ」

 俺が断るのを無視して、ウェスタが傘を拉致していく。ヒュプがそれを追いかけて自分も持ちたいとウェスタにせがむ。

 俺は部屋の鍵を掛けて、傘なしで雨の町を歩くことにした。傍から見ると失恋した哀れな男に見えるのだろうか、まさか俺の周りで子ども神様二人が走りまわっているなど一瞬たりとも想像しないだろう。

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