ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
罠 2
SMVIPルームの中にガチャガチャと鎖のこすれる音が鳴り止まない。

アヤカは拘束椅子に固定されている手足をバタつかせ暴れている。
なんとか手枷から手がはずれないかと何度も試みる。
汗をかいて暴れ、竜次に何度も訴えかけていた。

「ねぇ、竜ちゃんてば、これはずしてよぉ!」

竜次はそう言われれば言われる程いじめたくなる性格だ。
人の困った顔や苦しんでいる顔を見るのが、この上なく好きだった。

「お前、ずっとそのままでいろよ、しょんべんもウンコもそこでしろ、ヒャハッハッハ」


アヤカもイラつき、竜次にしつこいほど、菊水に暴力を振るったり、殺してしまったりしたら、キャバクラの女の顔をナイフでズタズタに切り刻んでやると、何度もわめきちらしていた。
薄ら笑いを浮かべていた竜次もアヤカがあまりにもしつこく何度も同じ事をわめきちらすので、又キレかけてきた。

「テメェうるせぇよ!なんでそこまであの野郎をかばうんだ!このヤローっ!ムカつく女だ!殺すぞ!」

竜次は、アヤカの髪の毛をつかみ、顔を何度も平手打ちをした。
それでもアヤカはひるまず騒ぎたてていた。

そこへアヤカの携帯がメール着信音を鳴らした。

竜次は又不適な笑みをうかべメールを見た。


メールは菊水からだ。


着いた!今十番ヒルズの前にいるよ

ニコちゃんマークとハートマークの絵文字入りで到着を知らせるメールだった。

アヤカは更に興奮し、竜次にまくしたてる。

竜次は窓際に行きカーテンを開けマンションの前の道路を見ている。
マンションの前には一台の軽自動車が停まっていた。

「あれかぁ、なんでぇ、あんなちっちぇーボロ車に乗ってんのかよ、しけたヤローだな」

そう言うとアヤカを縛り付けているSM拘束椅子を力まかせにずるずると引きずり、窓際まで移動した。

「おい、菊水ってクソ変態野郎はあいつか?」

竜次は、アヤカの髪の毛をつかみ窓からマンション前の車を見せる。

ちょうどその時菊水は車の外へ出て、あたりを見渡していた。
アヤカは、菊水を心配そうな目でじっと見つめている。

竜次はアヤカの顔を見て、

「けっ、あの野郎が菊水か、クソガキじゃねぇか、スケベそうな面しやがってっ!おもしろくねぇーぶっ殺してやりてぇー!」

竜次はアヤカの部屋に仕掛けたのは盗聴器だったので菊水の顔を見るのは初めてだ。

竜次はアヤカの携帯を手にした。
又メールを打ち出している。
アヤカは竜次の顔を睨み叫びだす。

「この部屋に呼ぶ気なの!そんな事したら私絶対竜ちゃんの事許さない!」


竜次はすぐメール送信ボタンを押していた。

「ねぇ、なんてメール送ったのよっ、ねぇ見せて!」

竜次はアヤカに送信したメールを見せようとしない。

「へっへっへ、あのクソガキャ目障りだからよぉ、やっぱり消えてもらうぜ」

「消えてもらうってどういう事よぉー!やっぱり殺す気?殺すんなら私を先に殺してよぉー私が生きてたら新宿のキャバクラの女、本当に殺しに行く。一発でも殴ったらナイフで顔をめちゃくちゃにしてやる!」


アヤカは又この言葉を浴びせかける。
目が血走っている。

「チッ!あー望み通りテメェもクソヤロウも、ぶっ殺してやるよ!」

竜次は、ぶちぎれてアヤカの顔や体を思いっきり蹴りあげた。何度も何度も蹴りあげる。
アヤカの体はあざだらけだ。顔にもあざを作り口と鼻から血が垂れてきていた。

アヤカがつぶやくやくように何か喋り始めた。



「私は本当にやる、絶対やる、必ずやる、あの女の一生をめちゃくちゃにしてやる、絶対やる…必ずやる…あの女を世界一醜い顔にする…ブス女にしてやる…私はやる…絶対やる…必ずやる…」

アヤカは先ほどまではわめきちらしていたのが今は、目が座り、ぶつぶつと必ずやると何度もつぶやき出している。

様子がおかしい。
怒りわめきちらすより、はるかに危ない、恐怖すら感じる。

竜次もアヤカの様子の変化を、おかしいとおもいながら見ていた。

「おい、メール見せてやるよ」

竜次はアヤカに、送信したメールを見せた。

メールには、


もう少ししたらいくから、しばらくそこで待ってて


そんなメールだった。


「しばらくそこで待っててって何?何がしたいの?どうするつもりなの?竜ちゃん、何を考えているのよ!」

竜次に問いかける。
竜次は薄ら笑いをして吐き捨てるように答える。

「だから、目障りなクソガキは消すんだよっ!」


アヤカは竜次が何を考え何をやろうとしているのかわからない。
不安が押し寄せて落ち着かない。


竜次は、自分のセカンドバッグからいつも使ってる携帯とは違う携帯を取り出した。身元がバレないように闇の取引きに使う架空名義の携帯だ。
アヤカも竜次が架空名義や他人名義の携帯を数台持っている事は知っている。
竜次が架空名義の携帯を取り出した事に底知れぬ不安を感じていた。


竜ちゃんは悪知恵が働くズルい男。きっと舎弟達を呼んで、菊水ちゃんを拉致して、自分は手を出さないで、舎弟達に何かやらせようとしているに違いない。
消えてもらう…消すってどういう事?竜ちゃん達の世界では消すって事は死んでもらうって意味よね、竜ちゃんは何をしようとしているの?やっぱり殺して東京湾に沈めちゃうとか…
拉致して弱みにつけ込み、金をとろうとか…
竜ちゃんは、何をしでかすかわからない…

アヤカの心の中で嫌な事、不安な事ばかりが思い浮かぶ。

竜次がどこかへ電話をかけ始めた。


「竜ちゃん何をする気?どこに電話しているのよっ!お願い、やめてっ!」


アヤカが叫ぶ。
竜次は、手でアヤカの口をふさぎ電話で話し始めた。

竜次が電話をかけた相手はまさかと思う意外な人物だった。


「あっもしもし、麻布十番ヒルズの向かいのマンションの者なんだけど麻布十番ヒルズの前に不審な軽自動車がずっと停まっていて、中に女ばかりを見て変な事している変質者がいるんです。自分の彼女も怖がって走って逃げて来たんですよ、あの男最近この界隈に出没した婦女暴行魔じゃないですか?まだ捕まってないですよね、あの男、怪しいですよ、被害者ださないためにもすぐ調べて下さい!自分もさっき車の前通って顔見たんだけど、どう見ても変質者にしか見えなかったです。あっ、あの男の顔は…思い出した、昨日サウナで見た指名手配中の強盗殺人犯の顔にそっくりだ、すぐ逮捕して下さい!」


竜次は、声のトーンをあげ丁寧な喋りで善良な近所の一般人を装い、なんと警察に嘘の通報をしていた。


電話をきったあと竜次は、大声で笑いだした。
腹をかかえ、いつまでも笑っている。

アヤカは竜次の意外な行動に驚くばかりだったが、今は怒りまくり竜次にどなりちらし始めた。

「ちょっとぉ、なんて事するのよぉー!ひどいよ!
そんな事したら菊水ちゃん又捕まっちゃうじゃない!あの子は普通の子なのよ、今一生懸命頑張って働いてるの、将来ある子なんだよ!何考えてんのょー!」


アヤカは、竜次を睨みなから、きつい顔をして、激しい言葉を浴びせていたのがだんだん、悲しそうに表情に変わってくる。


「竜ちゃん、菊水ちゃんはヤクザじゃないんだよ、普通の子なんだよ、優しくていい子なんだよ、菊水ちゃんシャブで執行猶予中なんだよ、捕まったら長い事出てこれないじゃない、可哀想すぎるよ、どうしてくれんのよ、やめて…」

「あん?やめていわれても、おせぇーよ」

竜次は、してやったりと言わんばかりの満足気な顔をして、煙草を吸い始める。

アヤカは窓に向かって大声で叫びだした。

「菊水ちゃん!そこからすぐ離れてぇー!そこから今すぐ逃げてぇー!」

もちろん、防音設備がしっかりしているこの部屋からアヤカの声が菊水の耳に届くはずもない。
それでもアヤカは菊水に叫び続けた。

竜次は、アヤカの携帯で又メールを打ち出した。

必死に叫んでいるアヤカにそのメールを見せた。

竜次の打ったメールは、


今、後ろにいるよ
車に向かって歩いてるよ


こんなメールを作っていた。


「なんなのよ、このメール!もういい加減にして!」

アヤカは悲しげな表情をしていた。

そして竜次は

「へっへ、そろそろ来る頃だな」


アヤカにメールを見せながら送信ボタンを押した。




菊水は、マンションの前の道路に停車した車の中で、アヤカからの連絡を、まだかまだかと待ち焦がれている。
一年振りにたっぷりシャブを喰った菊水の脳内からは、快楽物質のドーパミンが活発に放出されている。
久々の大都会の空気を吸い真夜中の繁華街の妖しい雰囲気を味わい、気分は高揚していた。
一度は諦めたアヤカとキメセクがあともう少しでやれると思い楽しみでしょうがない。
車の中で一人でいると、エロい気分になってきていた。アヤカのエロい体が目に浮かびあがる。
これからアヤカにどんな事しようか、
アヤカは、今度はどんな乱れ方をするんだろ、
又、潮噴くかなぁ
よし今度は潮を、口で受けてやる!
アヤカは今度はどんな事して責めてくれるんだろう
あー早く舐めまくってもらいたい…
エロモード全開で期待に、胸が膨らむ。
当然、チンコも膨らむ。
でっかくなったチンコがジーンズに締めつけらて、ちょっと痛い。
菊水はジーンズの中に手を入れ位置を直した。

そんな時、メールの着信音がなった。

メールはアヤカからだ。
いや正確には竜次からだ。

菊水は、後ろにいるよ、車に向かって歩いているよと書いてあるメールを見て、笑顔になる。

車の中から後ろを振り返ってアヤカを探している。

ちょうどその時、後ろから車に向かって歩いてくる、一人の女性がいた。

「おっ、来た来た、アヤカだ!あんなミニスカート履いて出かけたんだ。いいじゃん!いいじゃん!」

菊水はその女性をアヤカだと思い見つめている。
エロな気分が高まり、無意識で菊水の右手は股間を触っていた。

前方からは、竜次の嘘の通報を受け、近くの交番の二人のお巡りが、自転車で急いで車に近づいてきていた。

菊水は、全く気がつかず、後ろの女性を見つめている。
女性が近づいてくる。
顔はまだはっきり認識できないでいる。

「あれっ、髪あんなに長かったかな、」


菊水は後方の女性を見ることに、全神経が集中している。
右手は自分の股間を、握ったり、さすったりしている。

前方からは、二人のお巡りがだいぶ近づいてきた。
しかし、菊水は前方から来るお巡りに全く気がついていない。


運転席から体をひねらせ後ろから来る女性をひたすら見つめ続けていた。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。