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キング・オブ・クズ深田  作者: くーーーーーーー
2/8

朝食

約八畳の部屋。

窓もカーテンも締め切った部屋。

最後に部屋の換気を行ったのはいつだったか、その部屋の所有者は覚えていない。


「ちゅんちゅんちゅん。」


外が夜を跨ぎ、次第に朝を迎えると共に、外の小鳥たちがさえずりを始める。


男はベットから気だるそうに体を起こした。

「よっこらしょういち」

つまらないギャグをかましても、彼をしかれる人はこの深田ルームにはいない。

やりたい放題である。


手馴れた動作で、まずはパソコンの電源に手を伸ばす。

「ヴゥウーーーーーン」

パソコンの起動音が彼の部屋に音を与える。

耳をすべて覆えるヘッドホンを頭に被せ、

部屋にもれる音はクリック音だけとなる。

「コンコンコン」


部屋のノックを鳴らす音がした。

「っち・・・。糞ババアか・・・。」


頭に被せたヘッドホンを素早く外し、勢いよく壁に投げつける。

「うるせぇ!!!!!仕事に集中できねぇだろうが!!!!!」

扉の向こうの人物はこのやり取りに慣れているのか、一向に動じていない。

「ご飯・・・置いておくからね・・・。」

深田は扉に耳を当て、扉の前に誰もいないかを確認する。

朝食を持ってきた母親が廊下を渡り、階段を降りる音を深田は聞き逃さない。

そして、ここですぐに朝食に手を伸ばしていはいけないことを、

深田は理解している。

すぐに朝食に手を出してしまっては、今にも待ってましたといわんばかりの、

がっつくその態度を母親に知られたくないのだ。決して恥ずかしいわけではない、そう深田は自分に言い聞かせる。


3分ばかりたったであろう。

ゆっくりと、扉をあけ食器の音を鳴らさないように薄気味悪い部屋へと、朝食を移動させていく。その作業を終えると、なるべく音を立てずに朝食をとる。


「・・・・くそっ!!くそぉ!!」

自分の頬に伝う涙が、少し暖かい味噌汁に落ち、水面に波紋を与える。

「うめぇ・・・うますぎるっ・・・!!!!」

深田の箸はとまらない。

朝食は卵焼きに、味噌汁と沢庵とご飯。

このメニューはすべて深田のわがままで、毎朝同じ献立にさせている。

運動も、勉強もまったくしない彼には、過ぎたカロリーである。

「・・・・」


空になった食器を眺め、深田は思った。


「おかわりがしてぇ・・・。」

当然、彼のプライドがそのような行動を許すわけもなく、深田は食器を廊下へかたづけた。

一日一話更新できればいいかなと思ってます。

面白いなとおもったらコメントください。

当然批判コメントも受け付けます。

僕の作品を罵倒してください。

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