今回はほぼコメディーです。
面白いと思ってもらえば幸いです。
第二章 うずく右手と本の持ち主 口喧嘩も程ほどに
俺は黙り込んで動くことが出来ない。
「どうかした?」
少女が俺が動かないことに不思議に思っているようだ。
だっておまえその制服着ている奴二人知っているんですもの。
何か俺、しゃべり方がおかしくなってる。
「悪いがおまえはこっちの世界の人間じゃないだろ?」
「え・・・・・・」
少女が俺から目をそむけようとする。めっちゃ泳いでいるし。
「俺はおまえが魔法を使えることも知っているし本を持っていることも知っている」
少女は目を見開いて驚いている。さっきまで分からなかったが少女が目を大きくあけたので目の色が髪の色と同じ綺麗なオレンジ色ということが分かった。
「それをどうして・・・・・・・」
「俺の家におまえと同じような奴らを三人預かっているからだよ」
「ほ、本当ですか!私一人でとっても寂しかったんです!」
少女はほっとしたようだ。
そして予想外のことを言われた。
「家に行ってその三人と会っても良いですか?」
「はい?」
俺はわざともう一度耳を済まして聞くことにした。
「あなたの家に行ってもいいですか?」
えーと、ルルです。今私は乃香さんと一緒に台所で洗物をしているところです。葉音さんと敏樹さん、グライは部屋の掃除が終わってソファーでぐったりしています。洋さんは空斗さん吹っ飛ばされてまだ気絶しています。洋さんがあんな目に会ったのでみんな怖くなって空斗さんの家の手伝いをすることにしました。海波ちゃんと海実さん、空樹さんは友達と遊びに行ったようです。
この時期の水はまだ少し冷たいと感じます。乃香さんも冷たいと言っていましたがなれた手つきでお皿などをどんどん片付けていってます。
「えー、ルルちゃん」
「はいなんでしょう?」
いきなり乃香さんが私の方を見て質問してきた。何かニヤニヤしている。
「単刀直入で言うよ」
「え、はい・・・・・・」
何のことかさっぱり分からない。
「ルルちゃん空斗君に惚れちゃったでしょう」
「な!」
自然と手に持っていたスポンジが床に落とした。私の顔は今真っ赤だと思う。乃香さんはやっぱりーと言って笑っている。
「最近様子が変だなーって思っていたから」
「そ!そうですか!」
「何で声が大きくなるかな」
そりゃ私だって恥ずかしくて言えることと言えないこともありますよ!でも、今自分で確信した。私は空斗さんのことが好きになっている。多分それは会った時からだったと思うけどこないだの事件の時に確実になっている。
「私と葉音ちゃんが空斗君好きなの知っているでしょう?だからなんとなく仲間が増えたようで少し嬉しいの」
「そ、そうなんですか?」
私からすれば同じ人が好きだったらその人のことを嫌いになりそうだけど乃香さんや、葉音さんは仲間として受け入れてくれる。私はこの時ほっとしていたのかもしれない。
そんなことを話している間に洗物も終わり私達もテーブルの椅子に座ることにした。乃香さんがお茶を二人ぶんついで私の前に置いてくれました。御礼を言ってお茶を飲む。麦茶で冷たくてとっても美味しかった。
「やっぱり落ち着くね〜」
「そうですね」
私達は笑いながら会話を進めた。
それから五分ぐらい経った時玄関が開く音が聞こえた。多分空斗さんだと思う。私達が仕事をしている間に何時の間にかどこかへ出かけていたので。今は7:56分。空斗さんが消えて三十分ほど経っていた。
その三十分の間何処で何をしていたのかが気になってしまう。私の予想だと適当にその辺を散歩してその辺で昼寝・・・・・・朝だから違うけど多分寝ていて起きたので帰ってきたのだと思う。
だが、普通帰ってきたらリビングにくらい顔を出すだろう。でも空斗さんはリビングのドアを開けることは無かった。じゃー、上の部屋に行ったのかな?でもこの数週間この家に住んでて分かったけど上に上がる時階段を上がる時の足音がリビングに聞こえるのだ。でもその音も聞こえない。ということはずっと玄関にいるということだ。
私と乃香さんが不思議そうに顔を見合わせる。グライとライル、葉音さん、敏樹さんも疑問に思っているらしくドアの方を見ている。
そして聞こえたのはドアが開く音でもなく、階段を上がる音でもなく。
「ヘルプ!誰でも良いからヘルプ!!!」
叫び声。
「く、空斗さん!?」
私達全員は急いでドアを開け玄関を見る。そこにいたのは玄関のドアを両手で掴み何かに引っ張られているようでふんばっている空斗さんがいた。
「開けてよー!!入れてよー!!」
「駄目だ!!これ以上俺を厄介ごとに巻き込むな!!こんなところで俺の人生を狂わせる気はこれっぽっちもねーんだよ!!大体おまえは上手く言って家に住もうとか考えているだろ!!!」
「だって〜!!私は住む所も無いし寝るところもご飯食べるところもお風呂に入るところも無いの!!」
「逆切れすんじゃねー!!!これ以上ボケが増えたら俺一人じゃどうすることも出来ないの!!!」
「意味わかんない!!!どうでもいいから入れて!!!」
「却下!!!」
「それは受け付けません!!!」
「それこそ却下!!!」
「いいから入れてよ〜!!!」
「駄目だっつうの!!!」
「諦めなさい!!」
「おめーに言われたくないわ!!!」
「差別よ!!!三人は住まわせて私だけ住まわせてくれないだなんて!!!」
「差別じゃねー!!!いろんな意味で誤解を招くようなことを言いうんじゃねー!!!ご近所の皆さんに迷惑だろうが!!!」
「ご近所のみなさーん!!この家の男の子はこんなに可愛い女の子を家に入れないらしいですよー!」
「だまらっしゃい!!!それこそ迷惑だ!!」
「あ、なんか気分悪くなってきた。病院行きたいけど場所が分からないから教えてくれるためにここを開けて!!」
「十分元気じゃねーか!!おまえが行く病院は内科じゃなくて精神外科に行きやがれ!!!」
あのー。私達はどうすればいいのでしょうか?皆ただただ空斗さんと玄関の向こうにいる声からして私達とあまり変わらない歳の女の人が口喧嘩をしているんですが。でも、さっきの声どこかで聞いたことがあるような・・・・・・
「おまえ等の魔法でこのドアの向こうにいる奴と玄関のドアごと吹っ飛ばしてやれ!!」
「駄目ー!!私も魔法使いですよー!!裏の人間ですよー!だからこの馬鹿をどかして私を家に入れて!!」
「それ以上話すんじゃねー!!!てめーに話す権利は無い!!だからここから立ち去れ!!!」
「話す権利が無くてもこの家に住む権利はあるわ!!」
「ねーよ!!!」
何かまた始まっちゃいました。しかもこのドアの向こうにいるのは私達と同じ裏の人間。魔法が使えるこの世界に元々はいなかった人間だそうです。
「ど、どうする?」
ライルが困り果てたように私に聞いてきた。私からしてみれば同じ裏の人間として助けてあげいのですがここで彼女を助けると空斗さんの鬼のような顔が頭の上をよぎる。
「・・・・・・ほっとく・・・・・・」
グライの言うとおりここは二人には力を貸さないでじっと見とくというのが良いですね。
「じゃ、見とくということで」
私がそう言うと二人とも肯き再び空斗さんの方を見た。
「こ、こうなったら!」
ドアの向こうで何やらたくらみを思いついたような声が聞こえたような気がしたんですが・・・・・・
「あった!爆弾!」
「ば、爆弾!!!」
空斗さんと私達が驚いて一瞬にしてドアから下がる。私はおどおどしながらドアの方を見つめる。
すると爆発などは起きずドアがゆっくりと開いた。
私達は呆気に取られて開いた口がふさがらない。
ドアが開いてそこに立っていたのは見覚えのあるオレンジ色の髪の少女。
「リ、リノ!」
「あ!ルルちゃんにライルちゃん、グライ君!久しぶり!」
少女は右手で敬礼をし笑顔で話し掛けられた。
「そんなにおどおどしなくても爆弾は嘘だから」
と少女が言うと空斗さん以外の人はほっとしてその場に座り込む。
すると空斗さんがずかずかと少女に歩み寄り右手拳に力をこめ、
「まぎわらしいんじゃーー!!!」
渾身の一撃を少女の頭へと放った。
作者「空斗おまえすごいな」
空斗「何が?」
作者「口喧嘩の時息継ぎ一回もしないでよくあんだけ言えたな」
空斗「仕方ないだろ、頭に血が上っていたんだから」
ルル「そっちもすごいけど拳骨もすごいですよ」
空斗「それ、誉めてんの?」
ルル「・・・・・・」
作者「はい、これからも「魔法は効率よく使うべし」を宜しくお願いします」
空斗「え、今の間は何?」
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