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ゆるゆるだんじょん 作者:YUYU
3/8

こんなんだんじょん

ダンジョンの『マスター』はこの6人の様子を眺めていた。大抵の冒険者は最奥まで来てもそこから繋がる隠し通路に気付かないか、気付いても開き方がわからずそのまま帰って行くのが常である。
だからこのダンジョンの『マスター』は、気楽にこのダンジョンで数年間、アホな冒険者たちががっかりしているところを見ては笑っていたのである。
この6人も初めのころはそうだった。むしろ気にも留めていなかった。何せ浅い階層で手間取っているような輩などどうでもよかったためである。
しかし、何回も挑戦し、ある程度の実力がついてきたため最奥までたどり着いてくるようになったのである。だがやはりというべきか、隠し通路に気付いても単純に攻撃を繰り返し、何の変化もない所を見てがっかりして帰って行ったのであった。
ダンジョンの『マスター』は久しぶりに来た馬鹿なやり方に大爆笑であったため今回もすぐ帰る喉と思ったのであった。


――――――――――――――――――――――――――――――――

「ベルティア、ほんとにわかったのか?」
チャラ男がそう聞いた。
「うん、たぶんあってる。・・・・・・と思う」
帽子女が答える。
「ちょっとやってみる」
帽子女が壁に向けて杖を向ける。
集中しているのかそのまま動かない。しばらくして
「これ、開錠するのにキーワードがいる」
と言った。
「しかも魔術でしか開けられない。いわゆる魔錠」
「なんだと!でもこのダンジョンにはそんなヒントも何もなかったぞ!」
鎧男が叫ぶ。無理もない、このダンジョンの『完全効略』のためにかなりの時間と金をかけたのだ。
「まあ、そうあせんなって何のために情報集めたと思ってんだよ。こんなことになりそうだって前もって話し合ったじゃねーか」
チャラ男がなだめる
「そうよ~、それにそのためのスキルをゼスとベルティアが取ったんでしょ?」
マッチョ女もそれに続く。
「それに、リーダーのあなたが一番落ち着きがなくてどーするの?それは一番やっちゃダメなことって教えたでしょ?」
「すまん、メグ。ちょっと落ち着きがなかったみたいだ初めての『完全攻略』で気を()いていたみたいだ」
「いいわよ別に。わかってくれれば」
やれやれといった感じでチャラ男が、
「で、やっていいのか?やるなら俺たちのこと守ってくれよ『マスター』は抗ってくるだろうからよ」
「・・・・・・お願いする」
「任せろ」


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ダンジョンの『マスター』は焦っていた。
無理もない。自分しか知らないはずの魔錠を開かれようとしているためである。
もちろん抵抗し、即興でコードの変更を行うが実際追いついていない。莫大なリスクコストを払っても追いつかない。これを開錠されればもう自分と『コア』の目と鼻の先なのである。
モンスターや致死トラップをリスクコストを支払って冒険者どものルームに放っているが、いかんせんそちらも火力不足である。
もはやこのダンジョンの命運はついたと言ってよいものであった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「映像はここまで」
男は言った。
「さて、このダンジョンだがどう思う?そうだな、とりあえずあの最奥まで来てしまったとしてだ。真ん中の坊主頭」
「はっきりいってダメですね。お粗末すぎるにもほどがある」
ほう、と男が、
「ならどうすればよかった」
「そもそも最奥で不可視の魔錠、それも可変式であればある程度の中級スキルがあれば探知、開錠ができます。それにあんなに剥きになってコード変更するよりも『コア』ルームにモンスターやトラップをある程度準備しておくのがセオリーでしょう。リスクコストもかかりませんし、なのにあの『マスター』はそれすらしていなかったということが不思議でならないですね」
「つまりモンスターの物量で押しつぶすということだな?」
「はい、それが楽に倒せるでしょう。倒せなくとも追い払えたはずです。」
なるほどと、男がうなずき、座るように促す。
「他にあるか?みな同じような考えか?」
部屋にいる全員が同じような考えをしているようであった。
「そうか、なら右最後尾の白衣女。お前だ。お前ならどうする。」
と、睨むように男が言った。なにせ映像もほぼ見ずにずっとあさっての方向を向いていてためである。
「さぁ?」
「さぁ?となんだおまえは。まったく、面倒ならっさっさと言って終わらせればいいだろうが。」
と、男がが呆れながら言った。白衣の女は面倒臭そうに
「強制破棄すればいいんじゃないですかね」
といった。すると周りがとたんに
「ダンジョン破棄などペナルティがでかすぎるだろ」
「ありえん、仮にも20層近いダンジョンを強制破棄だと?」
「おまえは財貨管理もできんのか!」
口々に怒号が飛び交う。それだけこの白衣女の言ったことは非常識なのであった。
部屋中ブーイングの嵐(>_<)
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