ハヤテのごとく!短編集〜ヒロインは変わる、時のように〜つながりを持たない短編集2(4/4)縦書き表示RDF


ハヤテのごとく!短編集〜ヒロインは変わる、時のように〜つながりを持たない短編集2
作:ユーリ



第3話:生徒会3人娘編〜女子高生探偵・瀬川泉の事件簿『後編』


翌日、ハヤテ達は瀬川邸に集まっていた。

要求された身代金4500万円も、トランクに詰めてある。


「それじゃあ、今から行って来るね。」

ヒナギク
「泉、くれぐれもムチャはしないでね?」

千桜
「必ず理沙さん達を助けてくださいね。」

愛歌
「任せましたよ。」

ヒナギク・千桜・愛歌が口々に言う。


「大丈夫だよ、心配しないで♪」

泉は笑顔で言った。

ハヤテ
「泉さん。」


「なぁに?ハヤテ君。」

ハヤテ
「虎鉄さんが、これを持って行けと言ってました。」

ハヤテは泉に細長い袋を渡した。


「(これは、確か瀬川家に代々伝わる・・・)ありがとハヤテ君。とても心強いよ♪」

そう言うと、泉は出かけて行った。

パタン!

千桜
「行きましたね。」

愛歌
「大丈夫でしょうか・・・」

ハヤテ
「大丈夫ですよ。ソニアさんが泉さんの後を追ってくれますから。」

ソニア
「後を追うって、どうやってですか?」

ハヤテ
「泉さんの首の後ろに発信機をつけておいたんです。本人にも了承を得てますし、これは泉さんの身が危なくなった時の保険ですから。」

ソニア
「そうですか。わかりました、では今から行って来ます。」

ハヤテ
「お気をつけて。」

ソニアは頷くと、出かけて行った。





泉は今、練馬区内を走っていた。

タタタ・・・


「早く美希ちゃん達を助けなきゃ・・・待てよ?私どこに行けば良いんだっけ?」

泉が戸惑っていると、携帯が鳴った。

ピリリ、ピリリ!


「はい、もしもし?」

「瀬川泉か?オレだ、誘拐犯だ。」

誘拐犯からの電話である。

「行き先を言い忘れていた。南練馬区の廃墟になった倉庫に身代金を持って来い。」


「わかりました。」

「ところで、サツには知らせてないだろうな?」


「大丈夫です、誰にも知らせてません。」

「それで良い。速く来いよ。」

そう言うと、男は電話を切った。

ピッ!


「待っててね!美希ちゃん、理沙ちん!!」

泉はそう言うと、速度を上げた。

ドギャ!!





その頃・・・

南練馬区 廃墟倉庫

美希と理沙は、廃墟となった倉庫の中に監禁されていた。

2人は体を背中合わせにされ、ロープでグルグル巻きに縛られている。

美希・理沙
「ん〜、ん〜・・・ん〜、ん〜・・・」

2人がもがいていると、向こうの部屋にいた2人組が戻って来た。

ガチャ!

美希・理沙
「!」

「お嬢ちゃん達、おとなしくしてたか?」

美希・理沙
「ん、んんん・・・」

美希と理沙は小さく頷く。

「どれ、少し話せるようにしてやるか。」

そう言うと、サングラスをかけた方の男が美希と理沙に近寄り、2人の口に貼ってあるガムテープをはがした。

ピリリ!

美希・理沙
「イ、イタタ・・・」

口が自由になった美希と理沙は、2人組を睨みつけた。

理沙
「1つ聞いて良いか?」

美希
「どうしてまた誘拐なんてくだらない事考えたの?」

「そんなの簡単だ。ですよねアニキ?」

「ああ、オレ達は楽して儲けるのが好きなんだよ。」

美希
「2度も失敗してまだ懲りてないなんて・・・」

理沙
「成長のないヤツらだな・・・」

「何とでも言いな。弟、コイツらの口を塞げ。」

「わかりました、アニキ。」

サングラスの男はガムテープをビッと切ると、美希と理沙に近づいて来た。

美希・理沙
「ちょっ、ちょっと待っ・・・ん〜っ!!」

『待って!!』と言おうとした美希と理沙だが、口にガムテープを貼られてしまった。

美希・理沙
「ん〜、ん〜!!」

「全く、口うるさいお嬢ちゃん達だな。」

「ですね、アニキ。でも今回は仲間がいますからね。」

「そうだな。瀬川泉が手に入るのも時間の問題だ・・・」

2人組は高笑いする。

理沙
「ん、んんんぅ〜・・・(い、泉ぃ〜・・・)」

美希
「ん、んんんんぅ〜・・・(た、助けてぇ〜・・・)」

美希と理沙は、俯いていた。





同じ頃、泉は南練馬区倉庫にたどり着いた。


「やっと着いた・・・ここに美希ちゃんと理沙ちんが・・・」

泉はトランクを持つ手を強く握った。

ギュッ!!


「今行くよ、美希ちゃん理沙ちん!!」

泉は決心し、扉を叩いた。

コンコン!


「瀬川泉です!持って来ました!!」

泉が叫ぶと、扉が静かに開いた。

ギギギギギ・・・

泉は中に入る。

「持って来たか、瀬川泉。」


「はい。美希ちゃんと理沙ちんはどこですか?」

「あそこだ。」

ニット帽の男は向こうの方を指差した。


「美希ちゃん!理沙ちん!!」

泉が叫ぶと、美希と理沙は彼女の方を見た。

美希・理沙
「ん、んんんぅ・・・(い、泉ぃ・・・)」


「身代金は持って来ました。美希ちゃんと理沙ちんを解放してください!!」

泉は叫んだが、2人組は突然笑い出した。

「ハハハハハハハハハハ!!」


「え?」

泉はキョトンとする。

「悪いが、そういうワケにはいかねぇんだ。」

2人組がそう言うと、扉が開いて数人の男達が入って来た。


「な、何!?この人達は!?」

「オレ達が脱獄する時協力して一緒に脱走した面々さ。」


「ど、どういう事!?」

泉がそう言うと、どこからか声が聞こえてきた。

「やっぱりそういう事だったんですね・・・」

「だ、誰だ!?」

2人組が声のした方を見ると、上の階にソニアが立っていた。


「ソニアちゃん!!」

ソニアは上の階から飛び降り、泉の側に着地する。

トン!

ソニア
「泉さん、これはワナですよ。あなたを誘き出すためのね。」


「ワナ?」

ソニア
「彼らは美希さんと理沙さんをオトリにして、泉さんをも捕らえる気だったんです。ソ○ーの孫娘であるあなたを人質にするためにね。」


「私を・・・」

「フッ、そこまでわかってるんなら尚更帰すワケにはいかねぇな。」

「オマエら、女2人を引っ捕らえろ!!」

2人組の声で、男達が泉とソニアに近寄り始めた。

ジリジリ・・・

ソニア
「泉さんは私の影に隠れて!!絶対に私から離れないでください!!」


「う、うん・・・」

泉はソニアの影に隠れる。

ソニアは服からトンファーを2つ取り出した。

ジャキッ!!

ソニア
「あなた達の相手は私です!かかって来なさい!!」

「ナメんなこのガキィ!!」

男達はソニアに突っ込んで来た。

ダッ!

ソニア
「やぁっ!!」

ソニアは泉を影に隠れながら、トンファーで男達を強打した。

ドガァ!!

ズガン!!

「クソォ、この女強いぞ!!」

ソニア
「当たり前です。私はシスターなんですから。」

ソニアはトンファーを構え、男達を威嚇している。

だが、彼女は背後から近づく男に気づかなかった。

そして、ソニアの影に隠れていた泉が突然うずくまった。


「う・・・」

ソニア
「どうしたんですか泉さん!?」


「ちょっと両手に切り傷が・・・」

ソニア
「クッ!後ろに仲間がいた!?」

「ククク・・・前や横ばかり守っていてもダメって事さ。」

ソニアは泉を片手でかばいながら、回りを見渡し始めた。

「シスターといっても所詮小娘だ。1人だけでその娘を守りきるのは不可能って事なんだよ。」

ソニア
「クッ・・・」

ソニアは泉をかばいながら男達の相手をしていたが、少しずつ彼女は疲れ始めた。

ソニア
「ハァハァ・・・」


「だ、大丈夫ソニアちゃん!?」

ソニア
「え、ええ・・・まだ、大丈夫です・・・」

ソニアはそう言うが、彼女の足がふらつき始めた。

そして、遂にソニアは倒れ込んでしまった。

ドサッ!


「ソ、ソニアちゃん!!」

ソニア
「うっ・・・さっき足を少し切りつけられたみたいです・・・」


「ソニアちゃん、大丈夫・・・」

泉はソニアを起こそうとしたが、サングラスの男に鉄の棒で殴り飛ばされた。

ドカッ!!


「キャア!!」

泉は倉庫の壁に叩きつけられた。


「う・・・」

泉は気絶した。

美希・理沙
「んんん〜っ!!(泉〜っ!!)」

ソニア
「泉さん!!」

男達に押さえつけられたソニアが、必死に叫んだ。

「オマエ達、このシスター娘を縛り上げろ!」

ニット帽の男が叫ぶと、男達が縄でソニアを縛り始めた。

ソニア
「う、ぐぅ・・・」

ソニアは男達によって手足を縄で縛り上げられた。

サングラスの男は泉に近づいて行く。

ソニア
「い、泉さん!起きてください!!」

ソニアが叫んだ。

「うるせぇ!!」

男達の1人がもがくソニアの口にガムテープを貼った。

ソニア
「ん〜ん〜!!」

サングラスの男とニット帽の男が泉に近づき、縄とガムテープを取り出した。

「これで、瀬川泉は頂いたも同然だ・・・」

2人組は、勝ち誇った顔をしている。

そして泉の手を縛ろうとした、その時だった。

彼女の背中から、モノスゴいオーラが発動したのは。

次の瞬間、泉から放たれたオーラは2人組を吹っ飛ばした。

パァン!!

「グォァ!!」

2人組は壁に叩きつけられる。

「何なんだ、今のオーラは!?」

「フン、所詮見かけ倒しだ!」

「そうだ、数でかかれば怖くねぇ!」

「やっちまえーっ!!」

ソニアを押さえつけていた男達が、泉の方へと走り出した。

ダッ!

それと同時に、泉もゆっくりと立ち上がる。

スゥゥゥゥゥ・・・

ソニア・理沙
「!!(こ、これは・・・!?)」

シスターであるソニアや巫女である理沙にはわかる。

泉の体から、ただならぬオーラが感じられる事を。

泉は背中に背負っている袋から何かを取り出した。

スラッ!

ソニア
「(ま、まさかあれは・・・)」

それは木刀だった。

そして、泉はそれを構え念を込め始める。

コォォォォォ・・・


「ハァァァァァッ・・・」

男達が泉に飛びかかった、その時である。

泉は木刀を振り、男達を一気に吹っ飛ばした。

バシィ!!

「グァッ!!」

「ガハァ!!」

ソニア・理沙・美希
「!!」

男達が次々と地面に落ちる。

それと同時に、2人組が目を覚ました。

「ク・・・ア、アニキ!仲間が全滅してます!!」

「何だとぉぉぉぉぉ!?」


「安心して、峰打ちだから。」

泉は冷ややかに言う。

「チクショーッ!!」

2人組もナイフと拳銃を取り出し泉に襲いかかる。


「私の友達をキズつけようとした事、後悔させてあげる!瀬川流剣術、潮騒の波動斬り!!」

泉は木刀を一振りし、ナイフと拳銃を叩き斬った。

ザンッ!!

「えっ!?」

「ウソ・・・」

2人組が持っていた拳銃とナイフは、真っ2つになった。

泉は慌てる2人に木刀を突きつける。

ジャキッ!!

「ヒ、ヒィッ!?」


「自首・・・してくれるかな?」

「は・・・はい・・・」

2人組はヘタヘタと地面にへたり込んだ。

その後泉が電話で呼んだ警察が駆けつけ、2人組と仲間達は連行されて行った。





泉達4人は、瀬川邸に帰って来た。

ハヤテ達が4人を出迎える。

ヒナギク
「泉!」

千桜
「理沙さん、美希さん!」

愛歌
「無事だったんですね!」

ヒナギク・千桜・愛歌が泉・美希・理沙を囲んだ。

ソニア
「泉さんのおかげなんですよ。彼女の持つ木刀がなかったら、私達も危うく捕まるところでしたから。」

ハヤテ
「そうだったんですか。」

ソニア
「ところで、泉さん?その木刀ってやっぱり・・・」


「うん、ヒナちゃんが持ってる正宗と対をなす木刀・村正っていうんだよ。瀬川家に代々伝わる家宝なの。」

ヒナギク
「それはスゴいわね。1度手合わせしてみたいわ。」


「う〜ん、また今度ね〜。」

ハヤテ達は皆、微笑んでいた。





翌日 白皇学院

理沙と美希は、相変わらず生徒会の仕事をサボろうとしていた。

理沙
「よし、誰もいないぞ美希!」

美希
「今の内に逃げましょう!」

そう言って走り出そうとする2人。

だが・・・


「どこへ行くのかなぁ〜・・・美希ちゃ〜ん?理沙ち〜ん?」

いきなり2人の後ろに泉が現れた。

右手には木刀・村正を持っている。

理沙
「うわぁぁぁぁぁ!!」

美希
「泉ぃぃぃぃぃ!?」

千桜
「私達もいますよ。」

美希と理沙を、ハヤテ達が取り囲んでいた。

ソニアもいる。

理沙
「な、何でソニアさんがここに!?」

ソニア
「昨日づけで白皇学院に転校して来たんですよ♪」

美希
「そ、そうなの・・・」

愛歌
「それよりも、この状況は多勢に無勢ですわね?」

美希
「うぅ・・・」

理沙
「お、お願いだ泉!今日だけは見逃してくれ!!」


「ダメだよ〜♪また一昨日みたいに危ない目に遭いたくないでしょ〜?」

理沙・美希
「そ、それはそうだけど・・・」


「じゃ、決まりだね。」

愛歌
「諦めた方がよろしいですわよ、お2人さん♪」

理沙・美希
「そ、そんなぁ〜!!」

ハヤテ
「じゃあ、生徒会室に行きましょうか。朝風さん、花菱さん?」

ソニア
「これも神のお導き・・・」

美希・理沙
「イヤだぁぁぁぁぁ!!」

美希と理沙は、哀れにも泉達に引きずられて行った。

その後ヒナギクは泉に木刀での勝負を挑んだが、1度も彼女に勝つ事ができなかったという・・・

生徒会にはそれから、会計としてソニアが入り前より賑やかになりましたとさ♪



生徒会3人娘編・完














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