Vol.6 女神の悲哀、回りだす運命の歯車(6)
「――リファー! あたしよー。ショーコ」
二回目の呼びかけにも、中からの応答はなかった。
(うーん……。やっぱ、思っていたよりもしんどそうね――)
リファの様子を見に宿舎棟へやってきたものの、やはりリファは閉じこもったまま出てきそうもなかった。サラも一日に一度は彼女の部屋を訪れているようだが、結果はいつも同じらしい。
セレアは「そっとしておいてあげて」と言ったが、完全に放置しておく訳にもいかない。
今回は駄目もとでショーコが来てみたが、リファは一向に姿を見せなかった。
借金取りでもないので、これ以上ドアを叩くことは憚られた。
(ま、根気よく声かけてあげるしかないよね)
そう思いつつ部屋の前から立ち去ろうとすると
「……あら、副隊長さん。お疲れ様」
中年女性の元気な声がした。
ウェラであった。
両手にどっさりと、食料品を詰めた袋をぶら下げている。買い物から戻ったのであろう。
「あ、どーも。いつも差し入れ、すみません」
ショーコがお礼を言って頭を下げると
「なんも、いいのよー! いっつも同じ物ばっかりで、ごめんなさいねぇ。飽きちゃうでしょう? ――それよりも、皆さんにちゃんとあたっているかしら? もしかしたら、足りないんじゃないかなって、いつも心配なのよ。ほら、若い人しかいないでしょう? 若い人はたくさん食べるし、食べないと頑張れないものねぇ。毎日毎日大変な仕事しているのをあたしも見てるから、ホント、何かしてあげたくてねぇ。……もう少し、量を増やして作るわね。せめて、そういうことしか力になってあげられないのも申し訳ないんだけど」
まったく切れ間なく、マシンガンのように喋り出した。
ショーコはえへへ、と笑いながら聞いているしかない。
Star-lineを陰で支えてくれている重要な人であるから、別にそれはいい。
そんなことよりも「量を増やして」という言葉にショーコはぞっとした。
足りているどころの騒ぎではない。
若い人間だといっても、食える量には限界がある。ティアが甘いものを無制限に食べるのとは一緒にならないのである(あれもショーコは不思議に思っていたが)。
ウェラが差し入れを始めてくれた当初から、旧知であるサイとナナがげっそりとした顔をしているのを見て「ありがたいコトじゃないのよ」と、サラやショーコは言っていた。
が、そういう事態が毎日続き始めると、さすがにそうも言っていられなくなってきた。
残して捨てては申し訳がないから、大抵全員で分担して、それでもやっとコンプリートできるという量なのである。リファを含めて十一人。それでようやく完食できるというその量を、どうやって作っているのか、ショーコを含め皆が疑問に思っていた。しかも一品や二品ではない。六品も七品も、である。
D2NC体制になって数日後、シェフィなどは「……私、太っちゃいました」と涙目になってユイにこぼしていた。とかいうショーコも、最近怖くて体重計には乗れずにいる。
「あ、あの、とっても、たり、足りてますよ! むしろ、丁度いいくらいだって、みんな、その、言ってます。はは……」
口が裂けても、減らしてくれ、などとは言えない。あくまでも、何から何まで好意なのである。
ウェラはにこっと笑い
「あら、良かった! あたしねぇ、それだけが心配だったから、時間を見つけて訊きにいこうかと思っていたのよ」
ここで彼女に会ったのは幸運だった、とショーコは思う。
もしオフィスでそういう話をされたとして、空気のよめないティアなどがやってきて「多すぎっす」などと口を滑らせてしまった日には、何もかもぶち壊しになる。ミサでも同じ結果が待っているだろう。
「……それはそうと、リファさんの様子を見にきたのね?」
話を変えてウェラがそういうことを言ってきたので、ショーコはちょっと驚いた。
ウェラにもリファの不調が伝わっているとは、思っていなかった。
「ええ、そうなんです。でも、まだ良くないみたいで……」
「そぉお。可哀相にねぇ。少し、ゆっくり休むことかしらね」
心底、気の毒だという顔をしながら「サラ隊長さんがね、何度か来ているのにでくわして、話を聞いたのよ。――心が疲れている人には、そうやって、短くていいから何度も来てあげることが大事ね。出てくるまで戸口で待とうなんて、思わないこと」
「……」
「いつも誰かが傍にいてくれることで、そのうち安心して、そこから少しづつ回復していくの。根気は要るけど、気長に見てあげれば、必ず良くなっていくわよ」
何気ない言い方ではあったが、妙にショーコの胸に残っていた。
自分やサラや、そしてStar-lineの面々がいつも近くで待っているのだと気が付いた時、リファにまたあの無邪気な笑顔が戻ってくるに違いない。彼女の倍以上人生経験を重ねているウェラの言うことである。決して間違ってはいないだろうとショーコは思った。
「そう、ですよね。毎日、声かけにきますよ」
「そうそう。それで、いいのよ」
ウェラは何度も頷いて見せた。
いい加減に足がくたびれてくるほど長く暗い階段を降りきり、分厚い鉄製のドアを開けると、そこには巨大な空間が広がっていた。
床も壁も天井も、隈なく無愛想な鉄板に囲まれていて、窓などはない。
上下に走っているのは照明というよりもサーチライト状の光で、当たっている箇所だけが不必要に眩しく、辺りを満遍なく照らすような光量はない。光と影が不自然に同居している、そんな照度であった。
ふと見ると、4機程の人型CMDが横一列に佇立しており、その足元を数人の男達が忙しそうに立ち働いていた。CMDはどれもあちこちの装甲を外され、床に置かれた大型の機械から伸びている無数のケーブル類が繋がれたままになっている。黒く塗装されているそれらは影と同調して、あたかも影そのものか、人の形をした闇のようにも見えた。妙な威圧感がある。
その中で、手板を持って何事か指示を出していた男がこちらに気付き、ゆっくりと歩み寄って来た。
彼は傍までやってくると、右手の人差し指と中指を立てて敬礼するような仕草をし
「……どちらまで?」
「散歩。今日は天気がいいよ。みんなもさぁ、こんな穴倉に閉じこもってないで、少しはオテントサンを拝みに出たら? カビ生えちゃうよー。レヴォス君、君もさぁ」
そうおどけた返事をしたのは、ウィグである。
が、レヴォスといった男は笑わずに
「それは危険なことを。迂闊に外を歩き回ったりして、治安機構の連中にでも見つかったらどうします? ただでさえ、非常警戒が張られているというのに」
多少不愉快そうに言った。
ウィグは上着を取りながら、そこにあった古びたパイプ椅子にどっかと腰掛け
「……もう、見られちゃった」
ニヤッと笑っている。
レヴォスはたちまち顔色を変えた。
「見られた!? 誰にです? 治安機構か、警察機構ですか!?」
「いや。Star-lineだよ。ちょうど、そこの公園にいるのが見えたんだ」
「Star-lineですと? 何のために……もしや、既に我々の潜伏箇所を突き止めたとか」
自分よりもかなり歳若いこの男の馬鹿真面目さが、ウィグはたまらなく可笑しくなった。が、笑っては悪いと思い、笑う代わりにタバコをくわえた。
「そうじゃないよ。もしそうだったら、俺達今頃、こうやって呑気にCMDのメンテなんかしてないでしょー?」
カチッ、とライターで火を点けようとしたが、ガスがないのか火が点かない。
何度もカチカチやっていると、見かねたレヴォスが自分のライターで火を点けてくれた。
「……サンキュー。安物はいかんねェ。すぐ、これだ」
レヴォスはライターをポケットにしまいながら
「しかし、何故Star-lineなどに遭遇したんです? 彼等の本拠はL地区の筈ですが……」
「さぁねぇ。っていっても、ドライバーの男のコとアシストの女のコが二人でいただけだからね。きっと、そこにあるスティリアムたらいう施設にお使いにきて、帰りにちょっとデートでもしてたんだろうさ。……いいねェ、若いってのは」
しんみり呟いて、ぷーっと煙を吐き出したウィグ。目が、遠くを見ている。
呑気そうな彼の様子に、どうやら発見されたものではないと思いつつも、レヴォスは多少気になった。
「しかし、見られた、と仰ったではありませんか」
「……俺から、声をかけたの」
レヴォスは呆れた。
自分たちからしてみれば敵である存在に、軽々と声をかけるテロリストがいたものだろうか。
しかし、ウィグの話にはさらに続きがあった。
「だってさ、こないだやられたあいつ、ええと……アーバロか。あいつを沈めたドライバーだったんだよね。興味があったんで、ちょっと喋りたくなっちゃった。そしたらさ、アシストの女の子に俺の正体見破られちゃって……参ったね。キツい感じはしたけど、結構可愛いコだったよ」
「何てマネを。……Star-lineは私設警備会社といえども、もはや我々の仇同然です。正体を知られてしまったというのであれば、放ってはおけません。直ぐに、計画の修正を――」
レヴォスは一人で勝手に慌てている。
そんな彼を、手を振って制止しながら
「いいから、落ち着きなさいって。あのコ達、どこにもタレこんだりしないよ。――Star-lineは確かに手強い連中だけど、こっちから突っつかなけりゃ動きようがないんだから、さ。今、彼等を動かすような事態になってごらん。今、みんなでいじってるそれ」整備中のCMDを、あごでしゃくった。「全部、駄目にしちゃうでしょ――おおっと」
タバコの灰を落としてしまったらしい。
「……」
彼の言わんとしていることを、レヴォスも承知しているつもりである。
Star-lineを相手にすれば、ただでさえギリギリの計画は軽く破綻してしまうであろう。そのために、今回はスティーレイン系施設への襲撃は計画から除外し、当初からの目的一本に絞って検討を進めてきたのである。ウィグがサイやナナに漏らした内容は、嘘ではなかった。
二、三服したウィグは、床にぐりぐりとタバコを押し付けて揉み消しながら
「……俺のヤツ、まだこないんだっけ?」
レヴォスは手板に挟んである書面を捲って目を走らせた。
「明日には、各パーツが到着する予定です。組み立てと調整に一日、ですから明後日ということになりましょう」
パイプ椅子から腰を上げつつウィグは
「ふーん。よろしくね? 計画は、そっからいきましょう。俺はそれまで――」
数歩ばかり歩きかけていた。その背中へ、レヴォスの声が追いかけていく。
「自重願いたいものです。気持ちはわかりますが」
ウィグの足がピタリと停まった。
彼は後ろのレヴォスを振り返り
「……わかってるさ。今さら、どうにもならんと思っているよ」
「……」
レヴォスには、ウィグが半ば自分に言い聞かせているように思われた。
「――なぁんですってぇ!? 誤作動?」
「ええ、そのようなんです。本当に、申し訳ないことです……」
ショーコはほとんどキレかけたが、相手が平謝りしている以上、暴れる訳にもいかない。
X地区に支店を置くストレヴァス運輸からの緊急発報を受け、ショーコ率いるファーストグループが出動した。警戒レベルファースト程度であればSTRが出向くところであるが、セカンド以上はCMDによる襲撃が危惧されるため、Star-lineも機体を担いでお出かけすることになる。今回はレベルサードの警報が出ている。とにかく、緊急出動を要する状況である。
「んじゃ、あとよろしくね、サラ!」
「気をつけて。応援が必要なら、すぐに連絡を頂戴」
サラに見送られて猛ダッシュで本部舎を飛び出した一同。
が、出動途中で異変に気がついたのはユイであった。
『――ショーコさぁん』
「あー? 何―? ユイちゃん」
『ストレヴァスに状況確認したら、そんな発報はないって、言ってるんですけどぉ……』
「はぁ!? 知らない? 何よ、それ」
警備システムの誤作動というのも、全くない話ではない。
であれば出動前に確認すればいいということでもあるのだが、本当に襲撃を受けているような場合、現場への到着が優先される上、発報した側としても悠長に状況を伝達している余裕などある筈がないのである。往々にして状況確認は、移動中に行われることになる。
そしてまた、緊急事態の発生が確認できないからといってその場で引き返してくる訳にもいかない。一応現場まで出向いて安全を確かめた上で撤収しなければならないのである。
ハイウェイを制限速度を軽くオーバーで走ってきているから、X地区はもうすぐ目の前になっていた。
「とにかく、現場確認するわよ! 向こうさんには、詳しい発報状況を把握しておいてもらって」
『あーん! それより、ショーコさぁん!』
「あん? 今度は何よ?」
『警察機構高速規格道交通警備隊から警告入ってますぅ……飛ばし過ぎだってぇ』
「うっさい! こっちゃ、犯罪撲滅に協力したってるのよ! ぐだぐだ言うなっての!」
『あたしに怒らないでくださいよぉ! お巡りさんに言ってください!』
――などとやっているうちに、ファーストグループはストレヴァス運輸へと到着した。
特殊装甲車を停止させるのもそこそこに、ショーコは営業所内へと飛び込んでいった。
「はいはいはい、こちらStar-lineですけど! 安全責任者はどなた様?」
オフィスで事務仕事をしていたその場の全員が驚いた。
乱暴に入り口のドアが開いたかと思いきや、若い女性が大声を出しながらどかどかと踏み込んできたからである。体制一新以来、作業服での出動は禁じられていたから制服姿にこそなっていたものの、ネクタイも締めず胸元が乱暴に開けっ広げになっている。
奥の一際大きなデスクに向かっていた中年の男がおどおどと立ち上がり
「あ、あの、私が支店長のマッケンですが……」
「ああ、あなたがそう? 状況をお願いします」
言いながら、ショーコはオフィスの真ん中へずけずけと進んでいく。
これでは、押込み強盗なのか警備屋なのかわからない。
後からやってきて、入り口から恐る恐る中を覗きこんでいるユイ、サイ、そしてナナ。
「……あーあ。ショーコさん、またやっちゃった」
「機嫌悪いと、いっつもだな。今日は特にタイミングが悪かった……」
サイがそうぼやいたのには、訳がある。
出動前、DX−2の電装部品交換を終えてテスティングしようとすると、起動しないというアクシデントがあったのである。
「ああっ! 何なのよ、もうっ! どーせまた、ティ――」
と、有無を言わさずティアに雷を落とそうとしたショーコを、サイが止めた。
「ひ……」
既にハンガーの片隅で、ハンターに追い詰められたウサギのようにティアが小さくなって震えている。
「ちょっと待ってください。取り付け前のチェックでは、何のミスもなかった。一回、バラしてみましょう。こいつは案外、原因は別のところにありそうだ」
彼は自分で昇降段をDX−2にかけて昇っていき、コックピットブロックをいじり始めた。
「あ、あ、あたしも、て、手伝い……ます」
ティアが恐る恐る、にじり寄ってきた。
「当然でしょ! あんたの担当なんだからね!」
「は、はいっ!」
不条理な一喝を喰らったティアは、ばたばたとDX−2の方へ駆け出していった。
ショーコの傍では、リベルが帽子を取って頭を掻いている。
「おっかしーなぁ……。CからMカセットまで、全部残らず電導試験はやったんだぜ? どれも正常範囲だった筈なんだが」
彼がそういう以上、一連の作業にミスはなかったといっていい。
その上、今日の作業はサイも加わって行われている。例えばティアがミスれば、途中でこの二人のどちらかが気付くであろう。
間もなく、原因が判明した。
DX−2のコックピットに上半身を突っ込んでいたサイが
「……ああ、わかりましたよ。こいつだ」
彼は電装品に取り付けられていたカセットの一つをショーコに投げ渡した。
見れば、電流を通す金属部分が焼け切れてしまっている。ついさっき、取り替えたばかりの部品である。いざ機体に取り付けて強電力を流した途端、一気に吹っ飛んでしまったらしい。
手にした部品をまじまじと眺めているショーコの左右から、ティアやユイ、ミサ、シェフィにナナがそーっと覗き込んでいる。
「……ああ」
「ひどいっすね」
「これは……」
「……不良品ね」
すると、いきなりショーコはカセットをポイと放り出し、バタバタとオフィスへ走っていった。
「わあっ!」
宙を舞っているカセットを、慌てて両手で受け止めるユイ。「これ、高いのに……」
ショーコのその後は知れている。
部品の製造業者へ、怒涛のクレーム電話である。オフィスで電話片手に荒れ狂うショーコの罵声に耐えかね、サラもブルーナも避難してきた。あとの面々はもちろん、誰一人オフィスへ入ろうとはしない。
――そういうことがあったため、ショーコの機嫌は最初からレッドゾーンを指していたのであった。
マッケンなる哀れな支店長の弁明は、至ってシンプルであった。
通常通り業務を行っていたところ、突然Star-lineから無線通信があり、当支店から緊急発報が流れていたことを知った。慌てて警備ネットワークシステムを調べてみると、確かに発報された形跡がある。とはいえ、普段は誰もそんなものは触ったりしない以上――と、いうことらしい。
「……そうですか」
これが間違って発報ボタンを押した、とかいうならショーコも黙ってはいなかったであろう。
が、機械が勝手に動いた以上、そこにいる人間を責める訳にもいかない。
「機械のことですから、まぁ仕方がありませんわ。定期的に、メンテナンスしてくださいね」
それだけを言って、ショーコは営業所を後にした。
入り口に立ってぺこぺこと頭を下げているマッケン支店長に、これまたぺこぺことユイが頭を下げている。
サイは念のため、MDP−0の対CMD感知センサーを立ち上げてみた。
半径300メートル以内で、不審な動きをしているCMDはいない。幾つか稼動が確認されたのは、土木工事現場で作業しているものであろう。
と、突然集音機が単発の大きな音を拾った。
「……?」
コックピットから顔を出してきょろきょろしていると、ナナが親指でくいっと背後を指して見せた。
どうやら怒りのやり場を失ったショーコが、思い切り装甲車を蹴飛ばしたらしい。
無駄足で引き上げてきたショーコとファーストグループ。
リベルにハンガーの扉を開けてもらいトレーラーを収容していると、一台の見慣れぬ車が敷地から走り去っていくのが見えた。比較的高そうなものである。
装甲車から降りてドアを閉めながら
「……何かしら、あの車」
ナナが不思議そうに呟いた。
「さぁな。俺達が出動している間に、お客さんでも来てたんじゃないか」
二人はそのまま、オフィスへ向かった。出動報告を書かねばならない。
オフィスのドアを開けようとすると
「――それであんた、了解しちゃったの!?」
いきなりショーコの大声がドアの向こうから飛んできて、思わずサイは手を引っ込めた。
彼女は先にオフィスに戻ってきていて、サラと何事か話していたらしい。
ナナの方を見ると、人差し指を立てて唇に当てている。
「……」
入りそびれたサイは、じっと中の様子を覗うことにした。
中では、サラがぼそぼそと喋っているようだが、はっきりと聞こえない。
そして――続けて炸裂したショーコの大声に、サイもナナも耳を疑っていた。
「そんなコト言ったってサラ! 今ユイちゃんを失ったら、Star-lineはどうなるのよ!?」
「……!?」
ユイを失う?
自分たちがいない間に何が起こったというのか、サイには見当もつかなかった。
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