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切ないくらい。
作:CHE.R.RY



04:曇り空の名探偵











「ん………」



チクタクと時計が刻む音が聞こえる。

時刻を見ると午前5時40分。……早起きしちまったな…。

昨日、早く寝たせいで早く起きすぎた。


とりあえず、風呂場へ行きシャワーをかぶりサッパリとさせる。


6時過ぎに自室へ戻り、制服のズボンとカッターシャツだけ身につける。


学校までの時間を小説でも読んで潰そうと、本を手にとった時グゥ〜とお腹が鳴った。


いつも寝ている時間に起きていると、腹が減るらしい。俺はしばらく悩み、閃いたように本をベッドに置き、ブレザーとネクタイとカバンを持って家を出た。



――ピンポーン



インターフォンを押してすぐ、パタパタと足音が聞こえてドアが開いた。



「はい、どちら様で…」

「はよ」

「工藤君?どうかしたの?こんな朝っぱらから」

「いや、早起きしちまってな。腹減ったから食べに来たんだけど」

「…家は食堂じゃないわよ」

「食堂ほど美味くねーだろ」

「そんな事を言う人には何も食べさせないわ。さようなら」

「わーーッッ!!いやっ嘘だって嘘!!」

「…自炊くらいしなさいよ」



そうぼやきながらドアを開けたまま中へ入って行った。



「めんどくせーんだよ」



俺もそう言いながら続いて中に入った。



「おや。新一」

「博士、はよ!」

「おはよう。にしても随分早起きじゃな、君にしては珍しいのう」

「ああ、昨日早く眠っちまってな」

「そうか。朝食を食べに来たのか?」

「ああ」

「ま、コンビニ弁当やカップ麺を食べるよりはいいのう」



博士と話してる間に灰原はテキパキと朝食の支度をしている。



「灰原ぁ何か手伝おうか?」

「そうね。邪魔にならないように向こうで座ってて」

「…可愛くねーな」

「貴方に可愛いなんて言われたくないわよ」



ホントに可愛くねェ!!

顔は可愛いんだから、もうちょっとしおらしくしてりゃいいのによ!!



「へいへい…」



俺は言われた通り、ソファーに腰かけて、新聞を広げた。

7時を回った頃、朝食の準備が出来て三人でテーブルについた。



「いただきまーす」

「いただきます哀君」

「どうぞ」



トーストとスクランブルエッグにベーコン、サラダ、フルーツ…洋食がテーブルに並んでいた。


朝飯を食べる事すら、工藤新一に戻って初めてだ。



「工藤君、珈琲でいいかしら?」

「ああ!」

「博士は烏龍茶よ。カフェインのとりすぎはよくないからね」

「じゃ、じゃが…」

「お昼と夜、飲まないなら構わないけど?」

「…烏龍茶で」

「わかったわ」



そう言うと灰原はキッチンへ行った。



「…奥さんと言うより、お母さんだな」

「厳しいんじゃよ…哀君は……」

「博士の為だろ?それに博士ももう少し痩せれば灰原もそんなに言わねーだろ」

「それもそうじゃが…」

「しっかりした娘でなによりだな、博士」

「そうじゃろ。自慢のワシの娘じゃからのー」



灰原を娘と言うと博士はデレデレと顔を緩ませる。

ホント、親バカだな。本当の親みたいな顔してる。



「バカな事言ってないで、さっさと食べちゃってちょうだい。片付かないでしょ」



灰原は珈琲と烏龍茶をテーブルに置きながら、そう言った。



「「は〜い……」」



俺と博士は返事をする事しか出来ず、そそくさと口に放り込んだ。



「あ。そういや灰原」

「なによ」

「オメー晩飯に睡眠薬入れたろ。確かに俺は言われても睡眠あんまりとらねーけど、睡眠薬はやり過ぎだろ!一応、心配してくれてるみてーだけどさ…」

「…………工藤君」

「あん?」

「何か勘違いしてない?」

「へ?」

「私、睡眠薬なんか入れてないわよ。いくらなんでも、そんな非常識な事するわけないでしょう」

「…え、いやだって、オメーの飯食った日は絶対ぇ眠くなんだよ!入れてるだろ?」

「入れてないわよ。知らないわよ、そんなの」

「…マジで入れてねーのか?」

「だから入れてないって言ってるでしょ?それに私は貴方の事を心配した覚えもないわ」

「そうか?てっきり、忠告も聞かず無理する俺にオメーが心配して薬を使ったのかと…」

「バカね。私の忠告を無視するような人、過労死してみないと分からないのよ」

「おいおい…;」

「冗談よ」



冗談なら冗談らしい顔で言えっての。

真顔で言うな、真顔で!

でも本当に睡眠薬は入れてないらしい。って事はたまたま偶然が重なったのか…

めずらしい事もあるもんだな…。ま、幼児化してた事もあるんだから、こんな偶然めずらしくもねーかな…



しばらく珈琲を飲みながらテレビを見ていた。ふと朝のテレビ番組の上に表示されている時計が目に入った



「やべぇ!もうこんな時間じゃねーか!!」



そろそろ学校に向かわなければいけない時間だ。



「おいっ灰原ァ!行くぞ」

「行けば?」

「行けばじゃねーよ!オメーもだろ!」

「なんで私まで」

「いーじゃねーか!!途中まで一緒に行けば!!」

「いいわよ。貴方は毛利さんと行けばいいじゃない」

「蘭?…あっ!そーいやアイツ迎えに来る頃だな」

「行ってらっしゃい」

「三人で行けばいいじゃねーかよっ!ホラッ」



――グイッ



「ちょ…ちょっと!!離してよ!」



俺はランドセルを担ごうとしている灰原の手を引っ張り博士の家を出た。



「二人とも気をつけるんじゃよ」

「おう!」



道に出た時、俺の家の前に立つ蘭の姿を確認した。



「蘭!」

「ん?新一〜!?どこ行ってたのよ?何回も読んだのよ!!」

「ワリーワリー!博士の家にいたんだ」

「そうなんだ。博士に用でもあったの?」

「え?…いや、まあ…そんなとこかな…」

「ふ〜ん。…あ!哀ちゃん!おはよ!」



蘭は俺の横にいる灰原に気付きそう言った。



「…おはようございます」

「哀ちゃんも今から登校?」

「ええ…まあ」

「ついでだからコイツも引っ張って来たんだ」

「じゃあ三人で行こっか♪」

「え………っ」

「おう!」

「ちょっと…あの…」

「ホラッ行くぞ灰原」



俺は掴んでいた灰原の腕を引き、歩き出した。

蘭もそれに合わせて歩き出して、俺達は三人で行く事になった。



「…離してもらえないかしら」

「あ?」

「手。離してくれる?」

「……離したらオメー走って先行くだろ」

「は?何よそれ。なんで私が走らなきゃいけないのよ。そんな疲れる事しないわ」

「…………ま、いいじゃねーか」

「よくないわ。離して」

「いや」

「どうしてよ」

「なんとなく」

「呆れた」

「いつもの事だろ」

「そうだったわね」



俺と灰原はいつもの口論をおっぱじめながら、ゆっくり灰原の歩調に合わせて歩いていた。


手を離せ、という灰原。俺は何故か離したくなかった。…そのまま、どこかに消えてしまいそうで…捕まえていたかった。



「新一、哀ちゃんと随分仲いいのね」

「…ま、まあ隣だしな!」

「それもそうだね!!…ねぇ、哀ちゃん」

「なにかしら」

「コナン君がアメリカ行ってもう二ヶ月になるね…哀ちゃんは寂しい?」



蘭が言った言葉に俺と灰原は黙った。

だが灰原は静かに口を開いた。



「そうね…少しだけ」



俺は驚いた。まさか灰原がそんな事を口にするなんて…。

『別に』とか言うと思っていたから。



「そうだよね…仲よかったもんね、コナン君と哀ちゃん。私も寂しいんだ」

「……そう」

「元気にしてるかな…コナン君…」



蘭はそう言って空を見上げた。…コナンはもう存在しないのに。

俺が言ってやればいいだけなのに。蘭に江戸川コナンは俺だったって…。

組織はもういない。安全だから真実を話せばいいのに、なんで俺は話さないんだろう…。.


「…さあ。元気にしてるんじゃないかしら」

「そだよねっ!!」

「余計な事に首突っ込んで死んでなきゃ、だけど」



おいおい;

んな恐ろしい事サラっと言うんじゃねぇよ…。

小学一年生が言う台詞じゃねーっての!



「ハハハ…;相変わらずだね、哀ちゃん」

「ここにも似たような人がいるから毛利さんも大変ね」



灰原は俺をチラッと見ながらそう言った。



「…おい。灰原…そりゃどーゆう意味だコラ」

「あら別に貴方に言ったわけではないわよ。私は毛利さんに言ったの」



明らかに俺を指してるだろーがァア!!!!



「ホントよねーっどっかの推理バカもすぐ事件に首突っ込むんだから〜」



をい。



「迷惑な人ね」

「だよね〜ホントこっちの事なんて考えないで自分勝手ばっかだし」



をい、テメーら。



「自分勝手な人にもいろいろいるわ。酷い人もいるし許せる人もいる…でも江戸川君やこの人は、その中でも……」



今更弁解なんかしてくれなくていいっての!!

散々バカにしやがって…!!



「本当にどうしようもなく勝手だわ。自分勝手選手権があったら間違いなく優勝ね」



弁解しねーのかよォォ!!!!
まだましね、とかなんかあんだろーがァア!!

あえて突き落とすのかよ!!



「哀ちゃんよく分かってるね」

「隣に住んでるだけでも、いろいろ迷惑してるもの」

「まったく、小学生にまで迷惑かけてるの?ホントどーしようもないんだから」



灰原のやつ…珍しくよくしゃべったと思いきや、そーゆう事しか言えねーのか!!



「灰原…ちょっと顔かせ」

「小学生の女の子に何するつもり?」

「ホントは84のクセに」



俺は独り言のようにボソリと呟いた。

だが、灰原には聞こえてたみたいだ。



「…今研究中の薬があるの。人体実験でもされたいのかしら」



灰原もそうボソリと呟いた。



「………すいません」



薬とかヤバイだろ。コイツが言うとシャレになんねーよ。普通に危ねぇだろ…!

食べ物にでも仕込まれたらたまったもんじゃない、と思った俺は、素直に謝った



「…それと」

「なんだよ」

「あんまり彼女に心配かけるものじゃないわよ」



灰原は俺にだけ聞こえる声でそう言った。

そして緩んでいた手を強引に解いた。



…別に、蘭は…彼女じゃねーよ…。



「待ち合わせ時間に遅れるからお先に行くわ」

「歩美ちゃん達?気をつけてね!哀ちゃん」



灰原はペコッと軽く頭を下げて走って行った。


…さっきは走らねーとか言ってたクセに。

やっぱ走るんじゃねーかよ……。



「新一、私達もモタモタしてたら遅れちゃうよ」

「ああ、そうだな」

「立ち止まってないでちゃきちゃき歩く!ホラ!」



立ち止まったまま、灰原の走って行った方向を見ていた俺の背中を蘭が押す。



「蘭…」

「…なあに?」

「…………走るか」

「へっ?急に何言い出すのよ…そこまで急がなくても間に合うよ?」

「そうじゃねえ…」



走りたいんだ…。このモヤモヤを吹き飛ばしたいんだよ…。



「走るぞ」

「あ!待ってよ新一!」



ダッと走り出した俺に続いてくる蘭。

俺は後ろを向かずに夢中で走った。



なんでアイツの背中を見送ると、こんなに寂しいんだ

なんでキュッと締め付けられるんだ。

なんでこんなにモヤモヤするんだ。

なんで…一人で行っちまうんだ。

俺を自分勝手だって言うけどオメーも、十分自分勝手なんじゃねーのかよ…。



拭いたい、このモヤモヤを。

汗と一緒に流してしまいたい。

この、名前がつけられない変な感情を…消し飛ばしたい…。



学校近くまで全力疾走で来た。息は完全に上がりきり、肺が満たされなくて息苦しい。…だけどまだ心は晴れない。だから足を止めない。


目を少し動かせば、一本後ろくらいに蘭がついて来ている。

さすがだな。運動神経は俺とそう変わらねーってか。

…そういやアイツも『運動は苦手なの』とか言いながら運動会のリレーで一位をとったっけな…。

意外と足も早くて、ビックリしたんだっけ…。

思い返すと、俺はアイツに驚かされっぱなしだな…。


…あぁ、モヤモヤする…。



「…新一ぃ!ハァッハァッ…いつまで走るのよー!」



さあな。…いつまで?心が晴れるまで?



「もう疲れちゃったよー!!」

「…蘭、教室まで、競争な?勝った方が何か奢る、でどう…だ?」

「なによそれー!」

「オメーが勝ったら、行きたがってたケーキ、バイキン、グおごってやる、よ!」

「ホントにー!?よぉーし!!」



走りながら、会話を終わらせそのまま勢いを落とさず一気にかけぬける。


学校付近で生徒がウジャウジャいる中を交わしながら校舎に向かう。



「あれ?蘭ー!?」

「はぁっはぁっ…園子ー!おはよー!」

「ちょっと!?アンタなんで走ってるのよー!?」

「わかんない!新一がね、教室まで競争だって!勝ったらケーキバイキングおごってくれるらしーよ!」

「マジでェェェェ!?私も参加しよう!!みんなァー教室まで競争して勝ったら新一君がおごってくれるらしいわよ!!」

「マジかよ!工藤が何おごってくれるんだよ!」

「まあいいや!行こうぜ!」

「「「うおおお!!」」」

「工藤を抜けー!!」

「よくわかんねーけど工藤に勝ちゃいいんだろ!?俺らも行こうぜ!」



――ダダダダダダダダッ



ガラッと教室のドアを開けたのは俺だった。

息を切らしながら壁にもたれかかった。



「ハアッハアッ…あーっ惜しかった!!」



蘭は悔しそうに両手を膝について息を整えようとしている。


ふと廊下を見るとドンドン走ってくるクラスの奴ら。


やっぱ勝てねえ、とかチクショーとか言ってる奴もいる。


…オメーらいつの間に参加してたんだよ…。



「あーあ。工藤に新しいゲーム買ってもらおうと思ったのにー」



俺はケーキバイキングを奢るってしか言ってねーつの!


そして園子がゼェゼェ言いながら蘭に歩み寄った。



「ら、蘭…ハァッハァッ…勝った?」

「ううん、負けちゃった」

「えーっ!今日は奢りでケーキ食べ放題だと思ったのに!」



ちょっと待て園子。蘭が勝ったら自然にオメーにまで奢らなきゃいけねーのか。

そりゃおかしいだろーが。そもそも金持ちなんだからケーキバイキングくらいの金払えるだろーが!


そして誰かが
「俺ら全員で走って何やってんだろーな」と言うと、そこは和やかな笑いに包まれた。


俺もつられて笑ったけどやっぱり何かが違って。

空笑いが、余計に虚しかった…。

誰か教えてくれ。これは一体なんなんだよ…。



■□■□■□





「ねえ、新一」

「……アー?」

「明日休みだしさ、どっか行かない…?」

「…あー」

「ほんと!?じゃあさ、映画見に行こうよ!今上映してるので見たいのあったんだー」

「…あー」

「愛のあかしって言う映画なんだけどねーっ内容が良さそうなの!」

「…あー」

「それでねー…って新一ぃ!聞いてるの?」

「あー…ぁあ?…あ、ああ聞いてる聞いてる…映画だよな」

「うん。…で?」

「………で、アレだ!………;…わり、聞いてなかった。なんだって?」

「もお!信じらんない!最近ホント変だよ?ぼーっとしてるし…何かあったの?」

「……何もねーよ。…ただ睡眠不足なだけだ」



俺と蘭が下校中、そんな話しをしながら俺の家付近まで来た。



「おっ!帰ってきよった」



聞き覚えのある関西弁に顔を上げた。



「は……服部!?」

「久しぶりやな〜工藤〜」

「お、おまっ…」

「服部君!?」

「毛利のねーちゃんも久しゅう」

「蘭ちゃん!ウチもおんで!!」

「和葉ちゃん!!久しぶりだねーっ!」

「久しぶりぃ!!めっちゃ会いたかったわァ!!」

「私もだよっ」



服部の後ろから遠山さんがヒョコっと出てきて、蘭とキャーキャー言っている。



「…なんだよオメー。来るなら連絡くらいしろっつんだ」

「驚かせたろー思ってな」

「…ったく」

「…えらいシケタ面しとんのー」

「うっせーよ」

「そうピリピリすんなて!久々なんやし!こんな所でなんやし、お前ん家入ろか」



オメーが言うなよな。



「和葉ー俺、工藤ん家泊まるさかいお前は毛利のねーちゃんん家泊めてもらえ」

「泊まる気かよ!!」

「なんやねん。ええやんか」

「蘭ちゃん、ええ?」

「うん!もちろん!おいでおいで!大歓迎だよ!!」

「ほんまに?ありがとう蘭ちゃん!!連絡もせんと急にゴメンなあ?」

「いいのよ!…コナン君がいなくなっちゃって淋しかったんだ」

「ほなウチらはウチで行こか!」

「うん!じゃあね新一、服部君」

「またな〜平次」



嵐のように去ってく女二人。なんか見てるだけで疲れてくる…。


なんで女って久々に会うとあんなテンションあがんだろーな…。


服部は
「気ぃつけよ〜」と見送り、さっさと玄関のカギを開けろと言わんばかりの目で見てくる。


俺はため息をはき、玄関を開ける。中に入ると服部はリビングのソファーにどかりと座った。.



「なんや全然生活感あらへんなァ」

「ほっとけ。寝るだけのようなもんだからな」

「飯はどうしてんねん。毛利のねーちゃんん家で食ってんのか?」

「なんで蘭の家なんだよ。行かねーよ。隣で食うかコンビニだな」

「隣?ああ、阿笠のじーさんとこやな」

「ああ。灰原は迷惑そうだけどな」

「あー…そんな感じするわ」

「…で、オメーなにやってんだよ」

「あ?ああ!明日休みやろ?せやで来てん」

「それくれー分かるけどよ、お前今日学校だったろ?」

「サボってん」

「うわっ」

「なんやねん。ずっとちっこくなってて登校してんかった奴に言われたないわ」

「それは仕方ねーだろ」



俺は冷蔵庫から缶コーヒーを二つ出して、一つを服部に渡した。



「…缶コーヒー…しけとんの〜」

「いきなり来といて文句を言うんじゃねえ」

「へいへい…そらすんません〜」



服部からは全く悪びれてない言葉が発っせられた。



「…なァ?」

「あん?」

「おっきなって、久々の学校はどうや?」

「…どうって…つまんねーな…」

「せやろーな!!学校なんか楽しくあらへん、よっぽど事件の方が楽しいわ」

「違うんだ…そいいうんじゃない…。前と、何かが違うんだ」

「…どういうこっちゃ?」

「わかんねぇ。でも何か足りねー気がする」

「…………。」

「前は…学校がくだらなくても楽しかったさ。でも今は何か違う」

「…サッパリ意味がわからへんわ」

「俺にもわかんねーよ」

「そういや、前電話で言うとった話なんやけど」

「前?電話?………あぁ、あれか」

「今でも毛利のねーちゃんとなんもないんか?」

「ああ」

「せやろな。お前の顔見てすぐわかったわ」

「……………?」












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