「昨日の京極さんの試合、すごかったよね! すっごい技が次々 決まっていって〜 夜遅かったけどテレビに釘付けだったよ」
「そうでしょー。さすが私のカ・レ・シ! 何ちゃって〜」
蘭と私は下校中。京極さんの話題に花が咲く。もっとも、蘭とだったらどんなお話してても楽しいんだけどねー。
「そういえば最近 京極さんから連絡あった?」「うん、たまに来るんだ」
真は今 日本にいないから、直接会うことは出来ない。でも、たま〜に、メールや電話が来たりするんだよね。 あっ、でもそういえば最近は‥‥
「そういえば京極さんって、最近いっぱい試合あったよね。来週も まだあるんでしょ。本当大変だよね」
「そう、真さん強いから〜 もう大変! 試合だらけなんだよー 応援するのも大変よ」
真は最近 試合だらけ。私に連絡する暇なんて無い。
真の試合を見れるのは嬉しいよ。だって、誰だって、自分の彼氏が試合でバッチリ決めてる姿を見れたら嬉しいじゃん。でも‥‥‥‥‥
最後のメールはいつだっけ? ずっと昔のような気がする。
「大丈夫? 園子? どうかした?」
蘭の声が聞こえる。
蘭は工藤君と最近ずっと会ってない。
工藤君は事件の捜査で忙しいから‥‥‥‥
蘭は工藤君と会えない。
似てるよね、私達。
「蘭は最近、工藤君から連絡ある?」
「えっ、新一から‥?」少しだけ、蘭の顔が曇る。やっぱり、蘭も工藤君から連絡ないんだぁ。
真は試合を追っかけて、工藤君は事件を追っかけて‥‥‥‥
私達は、そんな二人からの連絡を待ってて‥‥
同じだね。蘭も私も。
「新一は事件解決に夢中だから‥‥。あんまり連絡は来ないな‥‥。でも、私は大丈夫! だって、新一が一生懸命 推理してる姿を想像すると、なんだか私まで頑張れちゃうっていうか‥‥ その‥‥ 元気になっちゃうんだよ」
蘭は強い。工藤君から ずっと連絡ないのに、その工藤君の姿を考えるだけで、元気になっちゃうなんて。
蘭は強い。でも、私は知ってるよ。蘭だって、本当は淋しいんでしょ。
「園子はどうなの? 京極さんから‥ さっきはあるって言ったけど‥ 京極さん、試合だらけだもん。園子、淋しいんじゃない?」
「いやいや、私は平気! 全然淋しくなんかないよ! あんまりメールは来ないけど、真さんならいつでも見れるから! 私、真さんの試合、全部DVDに録画したんだ! いい男のために熱くなるのがいい女ってもんなのよ!」
本当は淋しい。
全然淋しくないなんて嘘だよ。
でも、私一人だけ弱音を吐くわけにはいかない。蘭だって頑張ってるんだもん。
「アハハハハッ」
やけに頑張ってる私を見て、蘭が笑い出す。
やっぱり、蘭は強いよ。だって、いつでも笑顔なんだもん。
「オッ、ホッホッホッホッ!」
「ウフフフッ」
二人で一緒に笑う。蘭と一緒にいると楽しい。
蘭となら なんでも分かり合えるから。
蘭は私を応援してくれてる。京極さんと遠距離な私を応援してくれてる。だから私も‥‥‥‥
「蘭、工藤君と幸せになりなよ!」
「えっ!?」
蘭の頬が赤く染まる。
「ちょ、ちょっと、何よ。ねぇ園子!!?」
蘭は赤くなって怒る。
「もう、蘭ったら照れちゃって〜」
「照れてるんじゃないわよ! もう園子! どうして私があんな推理オタクと‥‥‥」
『照れてるんじゃない』これは蘭の嘘ね。蘭が工藤君をどれだけ大切に想ってるかくらい知ってるわよ。だって私達は大親友だもん。
「ちょっと、聞いてるの? ねぇ、園子? 大体ね、新一がいなくたって、私はちっとも淋しくなんかないんだからね」
「またまた嘘が出ましたね、蘭!」
「嘘じゃないって! 園子!」
『嘘じゃない』そんなはずないよ。だって蘭は、私なんかよりずっと長い間 工藤君を待ってるんだから。
でも私は、蘭とお喋りしてて、京極さんに会えない淋しさが和らいで来たよ。蘭、ありがとう。
「ありがとう、蘭」
「えっ!? 何のお礼なのよ? 今日の園子ちょっと不思議だよ。大丈夫?」
「大丈夫だよ、蘭がいれば」
蘭がいれば何でも平気。淋しい時も乗り越えられる。蘭は私にとって、大切な大切な大親友!
だから蘭には幸せになって欲しい。
蘭‥‥‥‥ 絶対に工藤君と幸せになるんだよ。
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