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ドラマチック・ラヴァーズ
作:梶原ちな



エピローグ クランク・アップ






 いつもの時間。
 いつもの電車の、いつもの車両。

(また、いた)


 春のやわらかい日差し。
 よごれた窓の向こう側。
 すれ違う電車、色づくセカイ。

 混雑する車内でも、あのひとだけは別。

『いってらっしゃい』

 小さな声でそう手をふれば。
 向かい側の彼はまたあの意地悪そうな顔で笑った。

 窓から見えた彼の手は、てっきりあたしにふりかえされるかと思っていたのに。

「っ!?」

そのまま口元に当てられた指先はあたしの方へと向けられた。

「……うわー、お兄ちゃんああいうキャラじゃなかったのになあ」
「みっ、みはね!? 何で?」

 後ろから聞こえた声に振り返れば、そこには未羽が立っていて向かい側の電車にいる彼を驚いた表情で見ていた。

「なっちゃんとそこまで一緒にきてたの。で、奈緒と一緒に行きたくて同じ電車に乗り込んだらこんなことに。ほら、なっちゃんも向こうに乗ったでしょう」

 未羽の指の先。
 向かい側の電車にはたしかにナツキがいた。
 彼をからかったのか、頭を殴られている姿が見える。

「もう。お兄ちゃんてば」

 くすくすとこぼれる未羽の甘い声。
 笛の音が響いて、動き出す電車。

 彼と目が重なって、少しずつ遠ざかる。
 だけど、それはほんの一瞬のできごと。


 流れる窓の外。

 空の青。
 桃色の花びら。


 この胸で芽吹いたものはいつまでも。
 色を失うことなく、枯れることなく。

 あなたのために咲きつづける。












                       
 

              **おわり。


****** ***

ここまでお付き合いくださって、本当にありがとうございました。
こんなにたくさんの方々に読んでいただける作品になるとは思わず、いつもいつも嬉しい気持ちでいっぱいでした。

私にとってこの作品は、たくさんの方々に出会えた、なによりもいとおしいものになりました。
本当にありがとうございます。
一行でも一文でも単語でもかまいません。
なにかひとこといただければ、幸いです。

また感謝の気持ちを込めて、HPにて隠しトラック『続・エピローグ』を公開しています。
お時間のあるときにどうぞ。
読んでいただければ嬉しいです。

では最後となりましたが、ここまで読んでくださったこと、コメントやご評価いただけたこと、何よりこの小説をクリックしていただけましたこと、感謝申し上げます。
本当にありがとうございました!


2007.09.22 梶原ちな
****** ***






ドラマチック完結記念
続エピローグはこちら









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