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第五十六話 宿屋

 誠に更新遅れて(そんなレベルじゃないかもしれませんが)申し訳ありません。

 外に出たときにはもう日も暮れかけている中、冒険者ギルドを出た二人はまず宿屋を探す事にした。と言ってもギルドでいつの間にかローゼにオススメの宿屋をアオトが聞いて簡易地図を貰っていたので場所はわかっていた。


 なので進む速度は速めで止まることはなく順調に事は進んでいるのだが……会話の方は上手く進んでいない。どうやら先程の事をセリアは根に持っているらしく、アオトに口を利く素振りをみせないようだった。


「なあ、セリア……機嫌直してくれないか?」

「私はいつもどうり」

「そんなわけないだろ……」

「じゃあ、なんで私がこんなに怒っているかわかる?」


 セリアは怒気を込めた目付きでアオトを睨んだ。そんなセリアの迫力にアオトは冷や汗をかきながら試行錯誤を繰り返す。


「それは…………わからない」

「……もう放っといて」


 そう言ってセリアの後を追う事しかできないアオト。だが怒っている理由がわからないせいでどうしてもこの現状を打開する事ができなかった。


 ????????????????????????


 結局そのまま現状が打開される事もなく二人は紹介された宿屋の前に着いてしまった。その宿屋は冒険者ギルドからそこまで遠くなく、都市の南の門に近い場所に建っていた。冒険者ギルドは南の門から少し歩いたに建っているらしく立地は悪くない。扉の上に大きく宿名が書いてあり外見は高貴な感じを出しているわけではないが決して質素と言う程でもない程度の普通の印象を受けた。構造も二階建てで普通より少し大きいかぐらいの程度でしかない。正直に言ってしまうと金銭ならば“奈落”で溜めた物があるし、素材も腐る程あるのでもっと豪華な所でも良いのだが堅苦しいのは嫌うところがあり二人からしてみればとても好印象だった。


(宿名は“小鳥のさえずり亭”か)


「いらっしゃい」


 入った瞬間に玄関の近くの簡易のカウンターに居た茶髪に茶色の目の女将と思われる女性に挨拶された。


「とりあえず一部屋3泊ほど頼みたいのですが追加になるかもしれないのですけども大丈夫ですか?」

「追加の際はそのときにまた払ってくれれば大丈夫だよ。一泊が4000ピス(銅貨40枚)、飯は朝と夕で800ピス(銅貨8枚)だよ。飯は追加するかい?」

「お願いします」


 女将はセリアに優しそうな表情で対応してくた。そんな中、セリアが一人で対応している間アオトは後ろで宿屋の内装を確認していた。


 殆どが木製でできていた。中に入ってみると外見ではわからなかったが豪華と言うよりも清潔な印象を受けた。掃除が行き届いているのであろう宿屋の中は過ごしやすさを感じさせた。


(やっぱ紹介してもらった宿屋なだけはあるよな)


 セリアはその間も勘定をしていた。


「全部で……14400ピス(銀貨1枚と銅貨44枚)だね」

「これでお願いします」

「銀貨二枚だね。……銅貨56枚だよ」

「ありがとうございます」


 そう言って軽くお辞儀をしたセリアを見て女将は一瞬表情が固まったがすぐに元に戻り、とても喜ばしい事のように頬を綻ばせた。


「良くできてるねえ、あんた達冒険者だろう?」

「はい」

「ここまで礼儀正しい冒険者はここ最近見ていなかったから一瞬驚いてしまったよ。名前を聞いていいかい?」

「セリアです」


 そう言った女将に満更でもなさそうに笑顔を見せるセリアに今度は女将が大きな声で笑った。それを聞いてセリアだけでなくアオトも女将の方へと目が引き寄せられた。


「はっはっは。本当によくできた子だね。そこのあんた、この子を一生かけて大事にするんだよ」


 アオトに鋭さと優しさを兼ね備えた目付きを向けて声をかけた。対するアオトは表情を変えることなく答えを返すことにした。


「そのつもりです。俺のセリアは何があっても守るつもりですから」


 この言葉を聞いたセリアはアオトに見られないように顔を背け、顔を赤くしていた。


「良い心構えだね。そこにいる家の娘に部屋まで案内させるからこの鍵を持ってお行き」

「アオトと言います。あなたとは仲良くできそうです」

「敬語は使わなくていいよ。それと私はイーナって言うんだ」

「わかった。これから世話になる」


 そう言うと優しく微笑んで娘を呼んだ。


「ウイナと言います。よろしくですっ!」


 そう言って頭を下げる少女は女将さんと一緒の茶髪を後ろで纏めた髪をしていた。目も茶色で親子と言うのがよく分かるような感じがした。


「ああ、よろしく」


 その後、ウイナに二階の端の部屋まで案内してもらったのだがその間もずっとセリアが顔を赤らめてアオトと会話をするどころかウイナと挨拶もできなかったのはご愛嬌だ。


 その日は二人ともやっと外に出られた事で気が抜けたのか夕食を食うこともせず眠りについてしまった。

 アオトが女将さんからの視線を躱すためのちょっとした言い方だったんですがセリアには刺激が強過ぎたようですね……。



 もう二ヶ月程になるでしょうか。本当に更新が遅れて申し訳ない……。実は受験は少し前に終わっていたのですがその後久々に書こうとするときにエタり気味なことにも気づいていながらここまで投稿する事ができませんでした。

 誠に申し訳ない。


 感想、ご指摘お待ちしております。

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