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今回は作者の諸事情により『あとがき†無双』はありません、ご了承下さい
72話 それぞれの思いの為に
 
呉蘭SIDE

炎とは本来生き物にとって恐怖の対象である

山火事となれば生き物はその土地を逃げ出すしかないし、身を蹂躙されれば命等容易く奪われる

だからこそ人間はその叡智によって炎を制御する術を身に付けたのだろう

…使いこなせると分かると人とは現金なもので恐怖を感じるどころかその光に暖かみすら感じてしまう、そう、今の俺の様に…

「疾っ!破っ!!逝っ!!(しっ!はっ!!せいっ!!)」

 

蝋燭とは誰が考えついたのか、素晴らしい知恵だと思う、こんなに長い時間火を点しておく道具を考えついた人間はまさに天才だろう

おかげで一人薄暗い道場の中で一心不乱に拳を振るい続けられる

フッ!フッ!フッ!フッ!フッ!フッ!フッ!フッ!フッ!

拳を振るうと思考が澄んでいく、頭を空にした様に考えがまとまるのだ

…いつもならば

(…何故張任様は魏との戦いなど望む?…この戦に大義は在るのか?)

ヒュッ!ヒュッ!ヒュン!!ヒュン!!

拳が空を切る度、いつもならば冴える思考はどんよりと濁るばかり

(…違う、我等が倒すべきなのは劉玄徳のはず、魏と事を構えるのは避けるべきだ…張任様には何かお考えが…?…それならば何故俺にそれを教えてくれない?…いや、事実魏と争う理由は…)

「……誰だ…?」

「フフッ、失礼します」

部屋の奥から白い影が現れる…入り口以外扉もないこの部屋にこの男いつの間に…

「…貴様、無断でこの部屋に入るな」

「申し訳ありません、お悩みのご様子だったので、解決して差し上げようと思いまして」

「…貴様は知っていると言うのか?」

「はい、呉蘭殿のお悩み、私が解決して見せます」

「…聞かせろ」

「では、あくまで予想、というか仮定の話ですが…呉蘭殿は劉備が蜀にきた時期の様子をご存知ですか?」

 

「あの女の様子だと?」

「いえ、正確には彼女が治めていた国の様子です」

「…それくらいならば理解している、袁紹、袁術の二つがまだ北方で勢力を保っていた時期だ、劉備は情勢が逼迫してきたせいで蜀へと逃れてきた、これで間違いないだろう?」

「その通りです、劉備は袁紹に追われ、蜀へ逃れてきました、しかしおかしいとは思いませんか?」

「…おかしい、だと?」

「えぇ、あの時期袁家は北方で絶大な勢力を誇っていたはず、ですが小さいながらも国を自治し、民にも慕われていた劉備をどうしてわざわざ見逃したのでしょう?生かしておけば後々我が身を脅かす禍根となりかねない者を逃すなどという愚を犯したのか、正直理解に苦しみます」

…確かに一理ある、袁紹の噂は聞いてはいるがいくら袁紹が噂通りの人物でも後の驚異となり得る劉備をあっさり見逃すとは思えないし、曹操との決着の前に後顧の憂いを絶たず戦うなどと言う愚を犯すか?

「…まさか…曹操か?」

「あくまで噂ですが、劉備が曹操へ遣いを出したという話も有りますし多分そうではないかと」

「北方での同盟関係の有無は?」

「いえ、それでは曹操への利点は殆どないかと」

「…では何故…」

「…南方の征圧が目的だったのでは?」

「劉備を利用してか?…劉備の求心力ならば不可能ではないか…?しかし…」 

…有り得ないとは言い切れない、魏の軍師達はどの人物も相当な才覚を持っていると聞き及ぶ、その程度の策など造作もないだろう

「…張任様はそれに気付いたのか…?」

「…実はこの話は張任様からされまして」

「何だと…?何故貴様に張任様がその様な話をなさると言うのだ…?」

「貴方が悩んでいるだろうからと張任殿は私にそれとなく伝える様にと…気を遣わせてしまった様ですね」

「………」

「疑っておられるのですか?」

「疑ってなどいないさ、貴様がそのようにすぐにばれる様な虚言を吐くとは思えん」

「ふふっ、信じて頂けて幸いです」

「だがな…忘れるな」

「なんでしょうか?」 

拳を眼前へ突き付ける

「俺は貴様を信用していない、もし張任様の期待を裏切る様な真似をしてみろ…その時は『俺が殺す』」

「…胆に銘じておきましょう、それでは失礼します」

カチャリと閉じた扉

得体の知れぬ妖術師などに構っている暇はない、王塁に再度指示をし直す必要がある

「劉備の前に曹操とは…これもまた仕方なし、か…」

………

……



華琳SIDE

「華琳様、お疲れ様です…そちらのお二人は?」

「お帰りなさ〜い♪あれ〜♪かわいい〜♪」

「二人とも、ご苦労様、この二人は蜀の軍師の諸葛亮とホウ統、私のお客様よ」 

「失礼しました、お初にお目にかかります、魏軍親衛隊の黒花と申します」 

「私は白花、よろしくね〜♪諸葛亮ちゃん♪ホウ統ちゃん♪」 

「は…!はじゅめましゅて!!」

「あ、あぅぅ…こんにちはでしゅ…」

「うぅ〜ん♪かわいい〜♪華琳様ぁ〜、お持ち帰りしても良いですか〜?♪」

「駄目よ白花、今から二人には用事があるのよ、お茶をお願い、終わったらしばらく天幕から離れていなさい」

「はっ!」

「残念だなぁ…、はぁ〜い♪」

「入りなさい二人とも」

白花と黒花が離れたのを確認して二人を中へ

「は、はい」

「…はぃぃ」 

オドオドピクピクするこの二人の様子は見ていて愛らしいが今日は悠長に眺めてる暇はない

「別に取って食べたりしないわ、そこにかけて頂戴」

しかしまだソワソワしている様子

「まったく…天才軍師二人がそんな様子でどうするの?私がわざわざ呼び出したのは貴女達を怯えさせる為ではなくてよ?」

「はぅぅ…す、すみませぇん…」

「あぅぅ…ごめんなさいです…」

「謝るのは良いわ、どうして此処に呼ばれたのか貴女達ならわからない訳ないでしょう?そっちを片付けましょ」

「劉璋さん、の事でしょうか?」

「流石ね、ただちょっと違うわ、私が聞きたいのは劉篶の事よ」

「劉篶さん…」 

「…一刀の話では劉篶の死因については聞かされなかった、…劉篶の死、御家騒動の間に死んだ劉璋以外の兄弟三人、そして劉璋、あまりにも死亡する時期が出来過ぎている…もしこの全員の死に関わる人間がいるとすれば、最低でも貴女達が蜀にくる一年以上前から蜀にいないといけない事になる」

「私達がまだ水鏡先生の所にいた頃ですね」

「桃香達も旗揚げはまだといった所でしょう、だとすれば…」

「…暗殺の犯人は内部に…?」

「…でも朱里ちゃん…そうすると…」

「うん…それだと利がある人間が…」

「…劉璋、もしくは劉璋の側近の人間だけ…いえ、違うわね…その劉璋が死んだ今、利がある人物は…」 

「「…張任さん…」」

考えればそうだ、現在の組織を操っているのは実質張任、つまり一番の利を得たのは当の本人

(…偽善斬党、一筋縄ではいかないようね…)

華琳は自分の言葉を反芻し深々と溜め息を吐いた…

………

……



一刀SIDE

桃香の天幕を後にした俺は詠の元に向かう事にした、詠にお礼を言っておきたいと思ったからだ

「しかし…いったい何処行ったんだ?」

普段は桃香の周りにいる筈の二人は軍事に関わる話の為、天幕から離れているらしい

「彼女達に天幕か休憩所とかってあるのかな?」

でも侍女さんの休憩所って何処なんだ?

「…まいったな」 

とりあえずメイドさんが関わりそうな所でも行くか…

「やっぱまずは調理場、かなぁ…」

給仕の仕事でいる可能性は高いし、いなくとも誰かしら行方を知ってる人がいるかも知れない

周りをキョロキョロと見回しながら調理場へと移動する途中…

「わ〜、挙動不審な人がいる〜、きっと孕ませる相手を探してるんだね♪きゃ、こわ〜い♪」

「…姉さん、北郷様に失礼です、撤回して下さい」

「…いや、良いけどね…どうせ俺しかいないし…ただ他の人達の前はやめてね…本気で引かれるからさ…」

「…前に何かあったのですか?」

「…聞かないで」

「姉さん、何か傷に触ったみたい…、やめて」

「はぁい♪」 

「…で、白花と黒花は何してるの?華琳天幕に戻っただろ?」

「華琳様よりお茶を運んでくる様に申し付けられました」

「なんだかかわいい軍師さんを連れて大事なお話してるみたいです♪」

「孔明ちゃんと雛里ちゃんだね、何の話だろ?」

「さぁ…我々にはなんとも…」

「難しいお話はさっぱりなので〜♪」

「そっか…あ、ごめん、話は変わるけど詠…桃香の侍女さん見てない?」

「劉備様付きの侍女の方ですか?いえ、見ていませんが…」

「緑髪のツンツンちゃん?薄紫のフワフワちゃんならあっちで見たよ♪」

月ちゃんがいるなら多分近くにいるはず

「ありがと、ちょっと行ってみる」

「あ、北郷さん」
 

「何?白花?」

「まだお日様は高いです♪女の子『で』遊ぶには少ぉし早いですよ♪」

「女の子『で』って何!?すごく人聞き悪いから!!」

「あはは〜♪ごめんなさ〜い♪」

逃げる様に行ってしまう白花

「うぅ…まったく」

「すみません…北郷様…あの…お気を悪くなさらないで下さい…」

黒花はすまなそうに頭を下げている

「いや、そんな謝らなくても…」

「姉さんは北郷様との会話をとても楽しんでいるんです、ですから不躾なお願いですが姉さんを嫌わないであげて下さい」

 

「心配いらないよ、俺だって白花は友達だと思ってるし、悪意がない…とは言わないけど嫌がらせのつもりじゃないのは理解してるしね」

「そうですか…ありがとうございます」

ホッとした様な表情をする黒花

「黒花は優しいんだね」

「いえ、姉が失礼を働いたのですからこれくらいは当たり前です」

「いやいや、俺が言ってるのは黒花が白花のやった事を変わりにカバ…補ってる事を言ってるんだよ」

「……?姉の失態を補うのは当たり前では?」

「むしろそういうのは当たり前って感じなの?」

「当然です、姉さんは私が困っていれば必ず手を貸してくれますから」

 

なんとも簡潔な答え、助ける助けないという話ではなくまるでそれが自然という感じだ

「本当に仲が良いんだね」

「私が姉に依存しているからでしょう」

「え?どっちかというと白花が黒花にべったりしてる印象があるんだけど…」

「確かにそうですね、ですが私はそれに甘え常に傍にいるのが当たり前だと思ってますから、いざ姉と離れる事になれば多分私の方が狼狽するでしょう」

「へ〜、ちょっと意外だな、黒花なんかしっかりしてるし白花がいなくても全然平気なのかと思ってたよ」

「そんな事はありません、私達は二人で一人の様なものですから」

「二人で一人…」

 

「きっとすぐにこの言葉の意味はご理解頂けると思います、すみませんが失礼します、姉を追わなければいけませんので、姉の申していた侍女さんはあちらの救護用の天幕辺りで見かけましたので」

「あ、うん、ごめん、わざわざありがとう」

「それでは」

すっと頭を下げ足早にいなくなる黒花を見送り俺も移動する

救護用の天幕か、確かに彼女達ならそういった手伝いをしている可能性は高い

「…失礼しま〜す、詠いるか〜?」

中には怪我をした兵士数名と忙しそうに動くメイド服の少女が一人だけ

「あ、…すみません、詠ちゃんは桃香様の所に…」 

ありゃ、行き違いになったらしい、多分調理場に寄ってる間だろう

ま、ならその内戻るだろうし俺も手伝いしよう

「そっか、なら俺に何か出来る事ない?手伝うよ」

「へぅ…えと…」

「詠が戻るまで暇なんだよ、何か手伝わせてよ」

「…すみません、お願いします」

「何から手伝えば良い?」

「皆さんの着替えを準備してますのでお願いできますか?」

「了解、着替えの手伝いだね」

「あ、その…」

兵士達がバツの悪そうな顔をして月ちゃんを見ている







「…!へぅ…すっ、すみませんっ!!」

 

真っ赤になりながら慌ててパタパタと天幕から出ていく月ちゃんを横目に周りの兵達は苦笑している

「月ちゃんって普段はあんな感じなんですか?」

「いや、我々もあのような姿は初めて見ました、普段なら着替えを準備した時点で外で待っていて下さるのですが…」

「ま、多分原因は…」

「えぇ」

「だなぁ…あ〜あ…遂に彼女にも春がねぇ…」

「え?春って何が?」

「「「………」」」

「え?え?」

(あれ、本気で言ってんのか?)

(皮肉ならば相当良い性格していますね)

(でも本気そうだぞ?)

「…なんで固まって相談始めるかな?」

 

(本気のようですね…)

(本気みたいだな)

(本気だな)

「俺だけ除け者で何の相談?」

「…これが魏の種馬…ですか…恐るべしですね…」

「かぁ〜!天然って怖ぇなぁ!」

「それもただの天然じゃなく天然の『女殺し』ときやがる、羨ましいねぇ!」

で、周りの人達巻き込んで大笑い…

「…元気だね」

「ハハッ…ここは比較的軽傷な者の天幕ですから、殆ど自然治癒で回復が見込める人間ばかりです」

「じゃあ重傷の人達は?」

「正面に天幕があんだよ、そこにいる」

「多分治療受けてんだろうなぁ…」

「俺はもういやだぜあんな治療…」

皆が一様に顔色を曇らせる

「…何かあったの?」

 

「…ありゃあ治療じゃねぇ…殺気が篭ってた…」

「「確かに」」

「…殺気の篭った治療って何…?」

…それ治療なのか…?

「叫び声をあげてぶっとい針をぶすっ!だぜ?治療じゃねぇって」

………え゛っ!?

「…もしかしてその医者って赤い髪の若い男…ですか…?」

「そうそ!んで『ゴットベイドー!!』とか叫ぶ変な男なんだよ、おかしいだろ?おりゃああんな医者初めて見たぜ」

「ちげぇよ、『ゴットヴェイドー!!』だろ」

「そう!それだよ!」

…間違いない、多分華陀だろう、しかし何故今の時期に蜀にいるんだ?

「どした?兄ちゃん、その男知ってるんかい?」

 

「えぇ、まぁ…ちょ、ちょっと失礼します…」

華陀の事だから大丈夫だろうが何故蜀にいるのか聞いておかないといけない気がするのだ

しっかし詠を探しにきたはずが何故に華陀の心配しなきゃいけないんだ?

「北郷さん、皆さんは着替え終わりましたか?」

「あ、えっと着替えは大丈夫、ゴメン、ちょっと向こうの天幕見てくるよ」

「何かありましたか…?」

「いや、心配するような事じゃないよ、ちょっと知り合いがこっちにきてるらしいから挨拶ぐらいはしとこうかと思ってね」

「…怪我をなさってるんですか…?」

「あ〜、違う違う!むしろ治療してる側!医者なんだよ」

「そうですか…良かったです…」

 

ほぅ、と安堵の溜め息をつく月ちゃん

(やっぱりこんな優しい娘が悪い事なんかできる訳ないよなぁ…)

「…あ、あの…私の顔…何か付いてますか…?」

「え?」

気が付けばジッと月ちゃんの顔を見ていたらしい

「…へぅ」

視線をそらし真っ赤になる月ちゃんに釣られこっちまで赤くなってしまう

「あ、えと、め、目と鼻と口と…」

「何当たり前の事言ってんのよ阿呆!!」

パァン!と側頭部を激震が襲った

「おぐっ!!…痛っつ〜!…何すんだよ詠…」

「あんたこそ何ふざけた事言ってんのよ!月が困ってるでしょうが!!」

「へぅ…え、詠ちゃん…私は大丈夫だから…」

 

「良いのよ月、こういう害悪は滅んでしまった方が世の中の為なんだから、…ていうかむしろ死ね」

「ひどっ!!俺が何かしたかよっ!?」

スッと顔を耳元に寄せる詠

…段々と吐息が近くなって…え、え、なんで!?なんで突然この展開!?

その距離が0になった瞬間

(これ以上月に近付いたら殺すわ)

凍える位冷たい声で囁かれた…

「…詠ちゃん?」

「なんでもないわよ月♪」

…あからさま過ぎる態度の豹変

それだけ月ちゃんが大事なんだろう、仲良くしたいが嫌われては困るし

「詠」

「…何よ?」

「わざわざ付いてきてもらってほんと助かった、ありがとう」

「…なにそれ」

 

「それだけ言っておきたかったんだよ、んじゃ、俺向こうに用があるから」

「はい…」

「…勝手に行けば」

「それじゃ」

その場に残されたのは二人だけ

月は赤い顔のまま見送り

詠は最後までその鋭い視線を外そうとはしなかった

………

……



華琳SIDE

「華琳さん…まだ私達の考えは推論に過ぎません、ですから…」

「分かってるわ、まだ他の者には黙っておく、もちろん貴女達もよ」

「分かっています」

「それでは…失礼します」

「えぇ、わざわざ来てもらって悪かったわね」

天幕の入口が閉じられまたすぐに開かれる

「華琳様ぁ♪」

「あら白花どうしたの?」

 

「ちょっと匿って下さい、黒花ちゃんから隠れてるんです♪」

確かに外から白花を呼ぶ声が聞こえる

「…白花、かくれんぼなら余所でなさい…」

流石に今の精神状態で彼女の突飛な行動に付き合う訳にはいかない

「華琳様酷いです〜、それじゃまるで私が遊ぶ為に来たみたいじゃないか〜♪」

事実その通りなのだが…

「…遊ぶ為で無いなら私の天幕にいったい何の用かしら?『白花』?」

華琳の表情が『曹 孟徳』へと切り替わる、いつもと変わらない白花の口ぶりだが目が笑っていないのに気付かされたのだ

「もうすぐ戦になると思うんで〜、『私達』を先陣にしてもらえませんかぁ?」

 

「それは『■■』として戦場に立つつもりと受け取って良いのかしら?」

「そうで〜す♪」

「急に何を思ったの?」

「そろそろ黒花ちゃんが限界なんで〜、何か武勲でも立てないと〜って悩んでるみたいで〜」

「だから前線で武勲を立てると?」

「黒花ちゃんの悩みは私の悩みですから〜♪それに〜…私も華琳様にお願いしたい事があるんです♪」

「何かしら?」

「それは武勲を立ててから言います♪」

「そう、私にも秘密、という訳かしら?」

「はい♪」

「…相変わらずね」

「えへへ〜♪」

「失礼します!」

「あっ!黒花ちゃん♪…見つかっちゃった♪てへへ…♪」

 

「姉さん…てへへじゃありません!!華琳様の天幕で何をしてるんですかっ!!」

「黒花、白花は私の話し相手をしていたの、怒る必要はないわ」

「か、華琳様…し、失礼しました…」

「それで、黒花?貴女は私に何を望むのかしら?」

「っ!!姉さん…喋りましたね…?」

黒花の白い髪の背後から真っ黒い闘気の様なものが立ち上っている…

「あれぇ?黒花ちゃん怒ってるぅ?」

「…姉さん、後で覚悟して下さい」

「ふぇ〜ん…」

「黒花、あまり白花をいじめないの、貴女の為に私に報告に来たのだから」

「………は」

「それで黒花、貴女は何が欲しいの?貴女の口から聞かせて欲しいのだけど」 

「う!?あ、その…!!」

サディスティックな笑みを浮かべ黒花の顎へ指を這わせる華琳

「貴女は…私に…何をさせたいのかしら…?」

「あ…あぁ…わ、私は…か、華琳様と…」

華琳が顔を近付け、黒花は顔を上に背け華琳の顔を見ないようにしている

その顔は火を噴きそうな程真っ赤になっている

「…私と?」

「い、い、一夜…一夜を共にしたく…」

酸欠で口をぱくぱくさせながら蚊の鳴く様な声でようやく搾り出した言葉に華琳は

「ふふっ…良いでしょう、戦果、期待してるわ。……白花、黒花、貴女達二人は一時親衛隊の任を解任、北郷一刀の専属護衛武官として彼の護衛にあたりなさい、貴女達には『将の副官』として戦に臨み、私の下に戦果を」

「はっ、我が身命を賭け曹孟徳に必ずや勝利を!!」

「がんばりま〜す♪」

「今夜から私の警護は要らないわ、二人共一刀の天幕に付きなさい」

「は〜い♪」

「はっ!」

天幕から出ていく二人を見送り華琳は苦笑した

彼女達を地方から呼び戻したのはごく最近、三国平定戦の数週間程前だ

旧袁紹領に派遣した太守の中で一際目立った活躍をしていた彼女達に本城駐留の白羽の矢が立ったのだ

あの姉妹の能力は間違いなく超一流、双方性格には多少ムラが有るがその程度些細な事、使いこなしてこその覇王、だからこそ今彼女達は私の覇道の支えとなっている

「ならば我が刃を一刀には使いこなせるかしら?」

…華琳は意地悪く笑みを浮かべた

前書きにも書きましたがあとがき†無双は今回は無しとさせて頂きました。
代わりにあとがきを利用して感謝を、
今回震災の影響で電気やガスが止まり、車の中で携帯を充電しつつ小説や活動報告を利用して安否報告をさせて頂きました。
たくさんの方からお返事や励ましの言葉を頂き本当に感謝しきれないほど読んで下さった方達に励まされた次第です、本当はこのような場ではするべきでは無いのですが少しでも自分の感謝が伝わります事を祈り、感謝を

本当にありがとうございました

4/18 クライト


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