(17)不意打ち
いつも平次にドキドキさせられて、時々悔しくなる。
やって、アタシばっかり好きみたいやん?
……まあ、それは否定出来んのやけど。
せやけど、やっぱり悔しいから……。
平次は今、パソコンに向かってる。
多分、事件の資料纏めとるんやろう。
ベッドに寄り掛かって雑誌を読むフリしながら、そおっと様子を伺う。
あんまり見とると気付かれるから、飽くまでもそおっと。
焦ったらアカンで、アタシ。
ドキドキする胸を押さえて、さり気なく立ち上がる。
アタシがドキドキしてどうするん?
本末転倒やん!
そう思っても、緊張してまう。
しゃあないやん?
こんなん、初めてなんやもん。
頑張れ、アタシ!
「何や?」
横に立ったアタシに、平次が問い掛けてくる。
「何もないよ?」
そう返事して、画面を見たままの平次の頬に、ちゅ、とキスをした。
『鳩が豆鉄砲くらったような顔』言うんかな?
勢い良く振り返った平次は、目を丸くしてる。
「……びっくりした?」
「心臓止まるかと思た」
アタシの顔が真っ赤なんは自分でもわかっとるけど、平次がちょっとだけ顔赤くしとるように見えるんは、気のせいかな?
「お返しや」
そう言った平次に頭を抱え込まれてまったから確認出来んかったけど、代わりに心臓の音が聞こえた。
もしかして、ドキドキしとるん?
平次のシャツをキュッと握って、アタシは小さな幸福を噛み締めた。
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「へへ、びっくりした?」(和葉)
『キスにまつわる20の御題』(http://tw.skr.jp/kiss/)
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