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×××(kiss・kiss・kiss)
作:月姫



(10)仲直りのちゅー


金曜日、学校帰りに平次とケンカした。
………いつもの事やったから、原因なん忘れた。

土曜日、平次は名古屋に行った。
………依頼の手紙が来とって、本当なら、アタシも一緒に行くハズやった。

日曜日、一日家に居た。
………蘭ちゃんに電話したら、惚気られてもうた。

「メールくらいくれたってええやん」

携帯に向かって愚痴ってみる。

いつもの事でも、ケンカしたままなんはやっぱり辛いから、昨夜メール送ったんに。
依頼で出掛けとるから邪魔したらアカン思て、電話やなくてメールにしたんに。
アタシから『ごめんね』メールしたんに。

シカトってどーいう事なん!?
右手が思わずグーになる。

「アホ平次」

ベッドの上にポイっと携帯を投げたら、今お気に入りのラブソングが流れ出した。
このメロディは平次からのメール専用。

「遅いやん」

一応文句は言ってみても、思わず笑顔になってまう。
アタシもやっぱり恋する乙女やもん。

「……って、何なんコレ?」

メールはたった一言。

『もうすぐ帰るから待っとれ』

これだけ。

アタシの『ごめんね』にこの返事なん!?
待っとれって、今何時やと思っとるん!?
寝不足は美容の大敵やねんで!?

言いたい事はいっぱいあったんに、何一つ言えんかった。
……言わせてもらえんかった。

やって、顔見るなり『スマン』やなんて言われて、いきなりキスされたら、何も言えんくなるやん?

「いきなり何なん?」
「仲直りのちゅー」
「……アホ」

二人で笑って、もう一回。

仲直りのちゅーは、いつもよりもっと優しかった。














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「喧嘩の原因なんて忘れた。いつもの事だから」(和葉)

『キスにまつわる20の御題』(http://tw.skr.jp/kiss/)












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