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この短編集は、下記サイト様からお借りしたお題を元に書いています。
管理人様より投稿作としての使用の許可を得ているものです。

『キスにまつわる20の御題』(http://tw.skr.jp/kiss/)


今回、お題をお借りして書いたので、自分にルールを課しました。

(1)全て一人称。
(2)平・和、半々にする。
(3)とにかく短く。
(4)ラブ度MAX(当社比)。
(5)設定は高校生で。
(6)オーソドックスなストーリーに。
(7)いろんなトコにキス。但し、色っぽい場所は却下。

そしてもう1つ。
「キス」を書くにあたって、今回は「キスに至るまでの過程」を重視してみました。
なので、キスの部分はあっさり風味です。

楽しんで頂けると嬉しいです。
×××(kiss・kiss・kiss)
作:月姫



(1)ご挨拶


「行って来ます」

誰もいないんやけど、一応声を掛けて家を出る。

学校までは歩いて20分くらい。

平次ん家はアタシん家よりちょっとだけ学校に近いから、部活や委員会で時間が合わん時以外は、平次ん家に寄って一緒に登校するんが日課。

「おはようございま〜す!」

玄関の引き戸を開けて声を掛けると、奥でオバチャンが平次を呼ぶ声が聞こえた。

いつもきちんと鍵の掛けられてる玄関は、この時間だけアタシのために開けられてる。
ちょっと嬉しい。

「けどなぁ……」

たまには迎えに来て欲しいて思うんは、贅沢なんかなぁ。

遠回りんなるとか、そう言う事は取り合えず置いといて、恋する乙女としては『彼にお迎えに来てもらう』ってシチュエーションにも憧れたりするやん?

一応『彼氏・彼女』なんやし。

そんな事考えてたら、相変わらず軽そうなカバンを抱えた平次が出て来た。

「おはよ」
「おう」

いつもは玄関に顔を出してくれるオバチャンは、忙しいらしい。

「行って来ま〜す!」

奥に向かって声を掛けたら、遠くから返事をしてくれた。

「なあ、平次。今日の1限の数学……」

門の所で振り向いたら、目の前至近距離にガクラン。
へ?と思った瞬間、おでこに柔らかい感触がした。

「いっ……いきなり何するん!?」

顔が真っ赤になるんが自分でもわかる。

「何て、『おはよう』のキス。やっぱ、ご挨拶は欠かせんやろ?」

おでこを押さえて抗議するアタシに、平次はしれっとそう言うと、スタスタと歩き出した。

……平次がキス魔なん、忘れてた。

人前ではそんな素振り見せんくせに、誰も居らんとこうやって触れてくる。
別に嫌なワケやなくて、どっちか言うと嬉しいんやけど、やっぱり困る時もある。

やって、こんな赤い顔で学校行ったら、絶対からかわれるもん。

……恋する乙女の憧れのシチュエーションは、夢のままで終わらせた方がええんかもしれない。

平次の背中をちょっとだけ睨み付けながら、アタシは明日からも服部家に迎えに来ようと心に誓った。














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「いきなり何するん?」(和葉)

『キスにまつわる20の御題』(http://tw.skr.jp/kiss/)












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