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2章 『街』
 私が目覚めたとき、私はこの街にいた。
 何日か過ごしてみると、私はこの街は妙だということに気づき始めた。

 まず気づいたことは、この街は広いにもかかわらず(広いといっても具体的な広さはわからず。東京都と同じぐらいだと考えているが、少なくともバチカン市国ぐらいの広さはあると思われる)、人気ひとけがなさすぎること、静かすぎるということだ。私はまだこの街で、こちらの世界の誰かとは会ったことがない(この街以外でも当然会っていない)。

 そして次に、夜。夜も当然、人はいない。人はいないが、人の形に似ている何かがいる。昼は誰もいないどころか、物音ひとつさえしないのだが、夜になるとやつらは、暗闇で両の目を光らせ、この街を徘徊する。やつらは、人に気づくと襲ってくる習性がある。現に、やつらの最初の襲撃では、逃げても逃げても追いかけてきた。私はなんとか生き延びたが、共に行動していた8名のうち数名は・・・。私(「私」ではなくて「私たち」のほうがいいかもしれない)は、それを人の形をしているが人ではない異形のもの、ここでいう「やつら」を怪物と呼んでいる。

 そして最後。これは最初にも書いたが、この街には人らしきもの、というより怪物以外の生物は見当たらない。けれど、この建造物や本。これらは、かつてこの街にも人がいたということを示している。なので、この街をできるだけ回って、詮索した。その結果、「日記」と思われるものが数冊見つかった。早速その「日記」を調べてみると、興味深い発見をした。書かれていることは一つずつ違うが、最後に書かれた日にちは全て同じだということがわかった。


 これらを総合的にみると、何か分かることはないだろうか。
 人のいない街。夜に潜む怪物。日付が全て同じの日記。
 一体、この街には何があったのだろうか。
 日記に綴られている日付を最後に、この街に「何か」が起きて滅んだ、などということは考えられないだろうか。

 いずれにせよ、この世界の多くの謎は、この街で起こった何かが分かれば、大部分が解るんではないかと考えている。



 PS.大島さんへ
 私達はこれを書き上げた後、南東にある氷山を目指そうと思ってます。
 他の場所の考察メモは私が全て持っています。
 私たちが氷山での調査を終えた後、またここに戻ってこようと思いますが、もし貴方が先に ここに帰ってきたのなら、ここで待っていてください。
 私達は必ずここに戻ります。絶対にみんなで元の世界に戻りましょう。   坂本 真美

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