77、ギルドにて
ちょっと期待してエクレールの案内でギルドに向かう。
「ネスさん、ここがギルドの入り口です。」
「ここがそうか。」
思っていた通りのテンプレの酒場だな、期待通りだ。
「そちらではありませんわ、隣ですよ。」
何?こっちじゃないだと?
隣は、二階建ての喫茶店を思わせるおしゃれな建物じゃないか、これがギルドだと?
「こっちの酒場じゃないのか?」
「そっちはギルド直営の酒場ですわ、お上りさんはよく間違えるようですが、そこ!!笑わない‼」
「エクレール?お前も間違えたな?」
「え、なんのことですか?そんなわけ無いじゃないでづか。」
「噛んでるぞ‼まあ、そんなことはどうでも良いか。ここ間違いないんだな?」
「こほん、間違いありません。」
ごまかしたな。気を取り直してギルドに入ろうか。
まるで役所のようにカウンターで仕切られて奥では職員が作業をしており、入り口の左右には机がならんでおり冒険者らしきものがファイルをめくって何かを探している。
どこかしら職安のような場所に思える光景だ。
「ネスさん、こっちでカードを引いてください。」
「カード?」
エクレールが一つの機械?を指差してそういった。
そこには銀行とかにある数字のかかれた紙が出てくる機械?があった。
取り敢えず引いて見ると37とかかれた板が出てきた。
「これはなんだ?」
「そのカードを持っていると呼ばれますのであっちのベンチで待ちましょう。」
【ピンポン!!37番でお待ちのお客さま3番窓口までお越しください。】
番号が呼ばれたようだ。
違う、こんなのは俺が思うギルドはこんなのじゃない。
そんな信じたくない気持ちで一杯で少し呆然としてしまった。
「ネスさん?呼ばれてますよ。早くいきましょう。」
エクレールの声で我にかえり3番窓口に向かう。
「37番の札をここに出してください。ハイ、確認しました。本日はどのようなご用でしょうか?」
「え~と、冒険者の登録をしに来たんだが本当にここでよいのか?」
「ええ、こちらで承ります。登録なさいますか?」
「お願いします。」
「では、こちらの用紙に記入をお願いいたします。」
「わかりました。」
え~と、名前に出身地、得意な武器、魔法、アピールポイント、パーティーの有無、特技、賞罰の有無、etc.
「全部書かないといけないのか?」
「いえ、最低限名前と出身地、武器か魔法、パーティーの有無を書いていただければ問題ありません。」
「出身地だがこことは違う大陸なのだがどうしたらよい?」
「…………?え~と、空欄でお願いします。誰か実証する方はいらっしゃいますか?」
「それはエクレールが証言してくれる。転移してきた時その場所にいたからな。そうだな、エクレール?」
「ええ、その場におりましたわ。後ろのメンバーも一緒にいましたわ。」
「わかりました。ではエクレールさんは彼女についていってください。ちょっとした確認をいたします。」
受付嬢が隣にいた女性を示した。
「では、ご案内いたします。ついて来ていただけますか?」
「わかりました。ネスさんちょっと行って来ますわ。」
「すまないね、頼むよ。受付さん記入はこれでよいかな?」
「確認しますね。…………問題ありません。では、明日カードをお渡しいたしますのでもう一度お越しください。ただ、エクレールさんの話次第では不可の場合もありますのでその点は御留意ください。」
「ああ、わかった。明日カードをもらいに来るよ。」
さて、エクレールが戻って来るのを待つとしようか。