69、一時後退
一層の探索中にモンスターハウスに出くわしたがあれは本当にモンスターハウスだったんだろうか?
ダンジョンマスターが意図的に出したものではなかったのか?
う~ん、あり得ないか、誰かがダンジョンないにいるときにはダンジョン操作は出来ないからな。
あるとすれば付近にいたモンスターを誘導したかもしれないな。
で、あれば戦力の逐次投入は納得がいく。
援軍を同時に投入されれば俺はともかくレッサースレイブバンパイアやスモールストーンゴーレム、パペットが生き残らなかった可能性は高かっただろう。
まあ、今回の戦闘で経験値を大分稼いでクラスチェンジができるように成ったからヨシとしよう。
レッサースレイブバンパイア
↓
スレイブバンパイア
外見はさほど変わらないがスキルに下位闇魔法が生えた。
スモールストーンゴーレム
↓
ミドルストーンゴーレム
100センチから160センチまで大きくなり頭身も5頭身となりバランスがよくなった。
パペットの生き残り3体もウッドドールにクラスチェンジした。
マギドールは無理だったようだがこれは仕方ないか。
日のある内はスレイブバンパイアがダメージを受けるので日がくれるまで待機だな。
各チームにある程度戦ったら一度ダンジョンから出るようにいってあるからそのうち出てくるだろう。
それまで休んでいようか。
日暮れ頃にエクレール達が帰ってきた。
「どうだ?戦闘は問題ないか?」
「は、はい、今のところは特に問題ありません。」
隠しているようだが少し動揺があるな。
「難易度的には余裕があるか?2層にいっても大丈夫かな?」
「2層ですか?え~と、まだ、ちょっと、早い気が。」
歯切れが悪い言い方をするな。
個々の戦闘力には問題ないはずなんだが、やはり連携が上手くいっていないのだろうか?
一度パーティーを二つのパーティーに分けよう。
エクレール、イーワ、セーキとガン、ストン、ロックに分けて見るか?
支援にミドルストーンゴーレム、マギドール、ウッドドールをつけておけばバランス的には問題ない。
みな戸惑った表情をしているがいずれ指揮官としても行動できるようになってもらうためにも獣人になれてもらうためにも頑張ってもらおうか。
男衆の嫉妬と哀れみが混ざって戸惑いは気づかなかったことにしておこう。
つっこむとやぶ蛇になりそうだ。
「いいか、明日朝からダンジョンに潜り魔石を集めてこい。多い方に好きな賞品をやるぞ。頑張ってこい。」
「賞品にお菓子はありですか?」
イーワが目の色を変えて聞いてきた。
一度《G》の特訓のあとに出してやったがその味が忘れないようだ。
カステラとクッキー位のものだったがこの世界では、あり得ない位のものだったようだ。
「ありだ、好きなだけ用意してやろう。賞品として用意できるものなら他のものでも何でもよい。俺が叶えられる範囲ならな。」
「気合いをいれていくわよ、セーキ!!足を引っ張るんじゃないよ。」
イーワが燃えているな。
「カステラ、クッキーカステラ、クッキー、カステラ、クッキー……………………」
エクレールの様子が少しおかしいようだが気にしてはいけない。
俺は聞こえなかった、聞かなかった。
ストレスを与え過ぎたんだろうか?
会った時はこんな子じゃなかったんだが、悪いことをしたかもしれんな。
まあいいか、ダンジョンマスターは人類の敵であるし、邪悪な存在らしいからな。
気にしない、気にしない、気にすると夜も眠れないからな。
寝る必要は本来ないがな。
一層は任せて置いて、俺は日が暮れてからダンジョン一層の主を倒して2層にいくとしよう。
おっと、忘れぬうちにエクレール達に預けるミドルストーンゴーレムを召喚しておかないとな。