66、ダンジョン発見
エクレール達が帰還して10日ほどたったが、村人と獣人達の関係はまだギスギスしているが、相手が薬師と子供なだけに疎外するわけにもいかずどうしたらよいか距離を計っているようにも見える。
特にガンとイーワの二人はセーキとそれなりに親しくなったようでたまに一緒になって訓練をしているようだ。
エクレールは、随分葛藤しているようだな。
俺への忠義心と今までの常識との狭間でどうしたらよいか迷っているようだが、悩みとしてあればそのうち折り合いをつけるだろう。
「ネス様少しよろしいでしょうか?」
いつものようにメインダンジョンの執務室で情報の処理をしているとマネとドリーが連れだってやって来た。
ドリーは大トンネルと開拓村を線を一辺とした正三角形の頂点辺りに築いた下位ダンジョンマスターである。
大トンネルと開拓村から見れば南側にある。
ちなみに北側にも設置してありダンジョンマスターの名はアドといい二人は共に種族はハイドリアードだ。
「どうした?何かあったのか?」
「ハイ、うちの狼達がダンジョンを発見いたしました。」
「ダンジョン?位置はどこだ?」
「ドリーのダンジョンより南西に5キロほど離れた場所で大森林に少し入った所です。」
「なかには入ったのか?」
「偵察のためにウルフを何体か投入いたした所ゴブリンとオークに襲われたようです。すぐに引き返したのでそれ以上の情報はありませんが、ゴブリンとオークが共にいることはまずないのでダンジョンの可能性が高いと判断力いたしました。」
「冒険者の出入りした様子はどうだ?」
「今のところ人が近づいた形跡はありませんでしたが、ダンジョンモンスターが外に多少は出ているようです。」
どうするかな?
攻略してみるか?
位置的に今まで未発見のダンジョンだろうが古参のダンジョンではないだろう。
そう森が深い場所ではないから2年もあれば発見されていてもおかしくないはずだが人入った形跡がないのが証拠だろう。
モーブ辺りに聞いてみるかな。
ゴブリンとオーク両方を使役している者は少ないだろうからな。
ダンジョンマスターの街にいって来るか。
と、言うわけでダンジョンマスターの街に来たんだが、店の中にいたエリーゼが俺の顔を見るなり鬼の形相で睨み付けてくる。
俺何かしたっけな?
「ネスさん、ちょっとひどくありませんか?」
「酷いってなにがだ?」
「あんなに人が来るなんていってくれなかったじゃないですか!」
「最初からわかってなかったのか?200人の新しいダンジョンマスターが来ることが?」
「でも、でも!」
あれか、客が多すぎてテンションがおかしくなっているのだろう。
「でも一月近くこっちに来なかったじゃないですか。」
「仕方ないじゃないか、忙しかったんだ。で、店の方はいいのか?」
「今はお昼の営業が終わったんです。今はお休みです。」
「街の様子はどうだ?」
「知りません、自分で調べてください‼失礼します❗」
なにを怒ってるのかわからんがプリプリしながら帰っていった。
いったいなんだったんだろう?
「こんちは~。おや?珍しいっすね?ネスさんがこっちにいるなんて。」
「丁度いいタイミングだ。お前に様があってな。」
「俺っすか?なんっすか?」
「俺のダンジョンの側にダンジョンを見つけてな。誰のダンジョンか知っているか聞きたくてこれから探そうと思っていたんだ。」
「へー、どんなダンジョンすっか?」
「まだ、少ししか調べてないんだが出てきたモンスターはゴブリンとオークだった。」
「オークとゴブリンっすか?…………あ、あいつらじゃないかな?」
「ん、知っているのか?」
「ハイっす、こっちに来たとき暴れ回った三人組を知らないっすか?あいつらモンスター交換してるっすから三人の誰かとはわかんないっすけど。」
「ああ、あいつらか…………あいつらなら潰しても問題ないな。」
「ほとんどのダンジョンマスターが認識拒否してるんで問題ないっすよ、って言うか潰しちゃってくださいっす。」
あいつら本当に嫌われているんだな。
潰していいなら利用させてもらおうか。