閑話 旅立ちしもの 3
今日久しぶりにpv確認したら30,000以上になっていた。
なにが起こったんでしょう?
エクレールです。
今、皆と別れ一人でハフジァの町を治める領主の館に来ています。
「お久し振りです。領主様。」
元々この町は父であったグットイイ公爵領に所属しており、ここの領主であるイチョットイ男爵が今の私の後見人でもあります。
「エクレールも元気そうだな。で、どうだ開拓の方は?やはり厳しいんじゃないか?もうやめたらどうだ?お前の面倒は私がみるから。」
イチョットイ男爵は、心配そうに私のことを見ました。
「なんとかやっております。こちらにやって来たのは冒険者登録をするためです。」
「冒険者?お前が?」
意外だと思われたのでしょう、大いに驚かれておられます。
「はい、開拓している場所にそんなに強くはありませんがモンスターが出没いたしますので魔石を得ることができますが、冒険者でないと取引ができませんので。」
「そうか、それなら納得だ。それでわざわざ訪ねて来たのはどうしてだ?王宮の目があるからおおっぴらに手助けしてやれんが、なにか助けて欲しいことがあって来たんじゃないのか?」
顔は笑っていらっしゃいますが目が真剣なものに変わりました。
「領主様にはかないませんね。2つほどお願いしたいことがあるのです。」
「できることは限られているが出来るだけのことはさせてもらうよ。」
「ありがとうございます。まず一つ目は、冒険者ギルドと交渉していただきたいのです。」
「冒険者ギルドと?」
不思議そうですね。基本的にギルドは国家から独立していますのであまり貴族が関わることは少ないですから。
「はい、現状私の村には冒険者が来て食糧等を求められても余裕はありません。ですので来ないように交渉していただきたいのです。」
「う~ん、いくなとは言えんよ。ただ、一切合切持ち込むようにならなんとかなるとは思うのだが?」
「それでも構いませんが野宿も前提でお願いします。」
「わかった。それなら交渉しておこう。もう1つはなんだ?」
「王宮に対して条件の変更を促してほしいのです。」
「それは無理だ。私の権限の及ばない話だ。」
「条件を緩和してくれと言うわけではありません。最終的なものを減らす交渉をしてほしいのです。」
「どう言うことかな?」
「開拓目標達成すれば公爵位の回復とのことでしたが、爵位はもっと低くても構いませんので開拓した分の領有を認めてほしいのです。」
「現在私のようなものが預かっている領地を放棄すると言うのか?」
「ハイそうです。」
「う~ん、それなら交渉できるかも知れないがそれで本当にいいのかね?多分認められても騎士爵かよくて男爵位だよ。王都の資産も大半が没収されるだろう。それでも本当にいいのかね?」
「ええ、王都には未練はありません。父と母の形見の品をいくつか頂ければそれで結構です。」
「決意は強そうだ。両方ともわたしがなんとかしておくよ。」
「ありがとうございます。」
「今日はとまっていきなさい。」
「ありがとうございます。」
父が断罪され庇護を失って苦しい立場なのに助けていただけるとは本当にありがたいです。
イチョットイ男爵side
逞しくなられたものだ。
彼女の父には随分助けられたからな。
逆にこの程度の手伝いしかしてやれんことが辛いな。
私にも守るべきものがあるし、王宮の様子もおかしくなっているようだ。
今は大きく動けないのだ。
私には守るべき民がいるのだから。