閑話、旅立ちしもの 2
やあ、俺はロックだ、盾戦士としてパーティーの壁役をしている。
お嬢について開拓団に参加したはずだが、冒険者として活動することになり、あの野郎に死にそうな特訓を受けさせられた。
それでもお嬢と共に行動できるから文句はないんだがな。
お嬢とその親父さんには返しきれない恩があるから、こうして役に立つことは嬉しいことだ。
お嬢は仲間なんだからエクレールと呼び捨てにしてくれと言うがさすがにそれはできなかった。
イーワなんかは喜んで呼んでいるが俺には無理だから、あだ名としてお嬢と呼ぶことで勘弁してもらった。
特訓が終わり、冒険者登録をする為に近くの町に行くように命じられたんだが、あいつの常識は大分ずれていないか?
必要だろうといくつかの道具を渡されたのだが、すべてマジックアイテムだった。
魔石水筒 1日2リットルの水を生む
魔石コンロ 持ち運べるコンロ
虫除けの香炉 半径5メートル以内に虫を寄せ付けない
魔道バック 容量2倍、重量1/2
これだけで一財産なのがわかっているのだろうか?
一流冒険者だって欲しがるアイテムだぞ?
金も渡されたがこっちも大金だった。
金貨20枚、半金貨5枚、銀板4枚、銀貨16枚、半銀貨4枚、銅板2枚、銅貨56枚、半銅貨5枚、賤貨10枚だった。
合計2,293,795ウルだったが額が適当だな。
適当につまんで入れたような枚数だぞ。
ちなみに貨幣の価格差は
1金貨=100,000ウル
半金貨=50,000ウル
銀板=10,000ウル
銀貨=1,000ウル
半銀貨=500ウル
銅板=100ウル
銅貨=10ウル
半銅貨=5ウル
賤貨=1ウル。
金貨の上に碧貨(1,000,000)、朱貨(10,000,000)、光貨(100,000,000,000)があるらしいが見たこともない。
街中では銅貨1枚あれば1日分の食事ができる。
それなのに2000万以上の金をポンと出すなんて、、、、
どうかしてるぜ!!
多少買い物も頼まれているが、それにしても初心者冒険者には過ぎた額で持っているのも怖いぐらいだ。
銀貨以上はお嬢が管理しているし、冒険者登録が出来れば預けておくこともできるからハフジァの町までまもり抜けばよいか。
旅は順調だった。
最初の夜に野宿した時にお嬢とイーワが夕食の準備をしていて焦ったが案外まともな、というかうまいスープが出てきてびっくりした。
おかしい?二人とも料理=ダークマターだったはずなのだが?
聞いて見るとあの野郎に渡された茶色いブロックをお湯に溶いただけらしい。
あいつ、こんなうまいスープを簡単に作るものまで用意できるのかよ。
これも売り出したら儲かるのに、他のものには見せるなということらしい。
なぜなんだろうな?
売れるものはたくさんもっているし、有効なアイデアもある。
商売すれば儲かるのに、儲けようとは考えていないのだろうか?
わかんねー。
頭はよい方じゃねーし、細かいことはお嬢に任せておくべきだな。
2日野宿して村に一泊、2日野宿して村に一泊、2日野宿して何事もなくハフジァの町に着いた。
入り口で、入場許可に一人50ウルを支払い町に入る。
冒険者になれば、必要なくなるからいまだけだ。
冒険者登録は問題なくすみ、馬と馬車、食糧を発注して2日後の朝に受け取りの約束を交わして宿に向かった。
お嬢から明日は自由に過ごすようにお小遣いとして銀貨を一枚もらったが本当に使ってよいのだろうか?
どうせ、あいつの金だしパート使ってしまおうか、村のみんなにおみやげでも買いにいこう。
みんなはどうするのかな?