62、旅立ち
「今日までよく耐えた。これより町にいって冒険者の登録をしてもらう。」
ある程度の戦闘力を身につけたと思いエクレール、イーワ、ストン、ガン、ロックの5人を冒険者登録させるために町に送り出すことにした。
若干、裏切ってダンジョンのことをばらすのではと言う不安がないわけではないがそれをいってしまえばなにもできなくなる。
ダンジョンマスターとして生まれ変わったがせっかく異世界に来たのだこの世界のことが知りたい。知識を獲たい。そんな欲求が最近特に強くなってきているような気がする。
「ある程度、資金をを渡しておくから旅費にしてくれ。魔石は売却して馬と馬車、食糧を買って来てくれ。それから注意事項を忘れるなよ。」
「はい、わかっております。ギルドにたいしては、魔石は村人総出で倒したものであること、開拓村であるから冒険者が来ても宿泊や食糧の売却することができないことをしっかり伝えておきます。」
「少数ならばこちらで対応できるが、大勢一度にこられると処理が追い付かないからな。ああ、例の件も頼むよ。」
「爵位とこの村の采配権ですね、お任せください。」
「では、皆に挨拶をして気をつけていって来なさい。」
「「「「「いってまいります。」」」」」
なんだか娘たちの旅立ちを見守る親のようになってしまったな。
眷属にしているから親といっても過言ではないが、この世界ではまだ2才なんだが、前世ならあのぐらいの子がいてもおかしくはないか。
大きな町までは途中に村を2つ挟んで徒歩で10日前後、往復して帰ってくるまで3週間ほどかかるだろう。
さて今まで手にはいった情報を整理しておこうか。
まず現在地だがグレルンデの大森林と呼ばれる魔境だそうだ。
そこまで強いモンスターはいないと思うのだが?
ワルイーカモ王国
人口約15万人で中堅規模の王政国家。
ほぼ方形の半島を領土としていてその南端にうちのダンジョンがある。
大陸側には200万ほどの人口を誇る帝国があり、国境には険しい山脈で分断され唯一の山脈の切れ目には深い谷があり橋が唯一の交通手段である。
基本農業国で他のことは可もなく不可もなくといった所である。
王権はさほど強くなく貴族のちから強い。
また、マリアと言う存在が国政が混乱しているようだがまだ上層部のみで国民にはまだ影響が出ていないようだ。
また、皇太子妃としての勉学から逃げているようで一部では排太子した方がよいのでは声が出始めている。
上位貴族の子弟が中心として排太子の話を打ち消しに躍起になっている。
冒険者ギルドはちょっと厄介かもしれない。
テンプレ道理の組織で国家からそれなりに独立したんだが存在である。
ギルドに対する問題は情報網だな。
ある程度グレルンデの大森林の状況は漏れるだろう。
できるだけ冒険者を越ささない方法を考えなくてはな。
全面的に争う訳にはいかないしな。
上位冒険者が大挙してこられると確実にダンジョン攻略されるに決まっている。
もっと高ランクのモンスターを召喚できるようにしておかないといけないか?
コストがかかるが仕方ないかな。
数も増やさないといけない、主力モンスターである、コボルド系、パペット系、インプ系、ワーバット系、ドリアード系、ギルマン系、スケルトン系にハーピーとリザードマンの生き残りを合わせても2,000弱の戦力仕方ない。
しかも半数ほどは作業用パペットだからな。
エクレールたちと同数では勝ち目がなく倍で善戦、3倍で辛勝といったところだった。
動物系モンスターは大まかな命令しかきかず、植物系は一部の特殊能力をもったものにしか従わない。移動不可のモンスターも多いしな。
やはり山越はまだ早かったかも知れない。
繁殖には成功しているし、物資の面では大分余裕があるから時間があれば数の問題もある程度確保できるのだが。
そういえばコボルドの部族がグレルンデの大森林の中にもいたな。
来光に命じて取り込めないかどうか検討しておいてもらおうか。
できるなら配下にしたいものだ。