55、満員御礼
人族の村は監視のみで放置するとして、今後どう攻めようか?
大トンネルの左右にもダンジョンを築いて線で押し上げていくか?
それとも今のまま網目状に広げていくか?
森のなかは網目状でいこうか。
ある程度の支配力さえあれば完全にエリア化する必要は今のところはない。
パペットが何体か襲われているが無視できる損失だろう。
しかし、効率が悪くなるのはいただけないか。
メインダンジョンに残したコボルドを護衛につかせよう。
作業させるのは左右1チームずつで良いか。
ダンジョンコアの欠片のストックにも限りなくがあるからな。
他のダンジョンマスターの分と訓練用モンスターから得る分を加工しているが、新しい下位ダンジョンコアも用意しておきたいからな、使用量を少し絞りたい。
拡張分は野生のモンスターを狩って補充しないとな。
錬金術が使えるロイを来光のダンジョンに派遣しておこう。
マネのダンジョンを作った時と同じやり方だ。
現地で作らせた方が効率がよいだろう。
もう少し援軍がいるかな?
コボルドだけでは戦力が不足するだろう。
他のダンジョンから出してもらおうか、特にマネのところのウルフ、バートンのところのワーバット、サモンのところのインプ等だ。
あくまでも援軍であって所属の変更ではないがな。
各ダンジョンともエリアの拡大は限界までしているからな。
頼んだ仕事以外は、あまりやることがないからな、ダンジョンごとに自給自足とダンジョン軍団の強化がメインだ。
他には収入ポイントの10%を納めてもらっている。
今は微々たるものだが今後は増えてくれるだろう。
今はこんなところだろうか?
さて、そろそろ新たなダンジョンマスターたちが街に来る頃か、こちらは来光たちに任せてしばらく向こうの滞在しているか。
というわけでやって来たわけだがサッソク後悔している。
「醤油だ!!醤油をくれ!」
「味噌をお願い!」
「米を売ってくれ‼いくらでも出すぞ‼」
ダンジョンマスターたちが店に詰めかけてごったがえしていた。
まるで餓えた獣のようだ。
「てめーら!どけ!道を開けろ‼」
ん?オーガ種だろうか?2メートル以上あるそうなやつが他のダンジョンマスターを押し退けて店に入って来た。
「そうでやんす!大将に道を開けるんでやんす。」
「退くんだな、兄貴逆らうと後が怖いんだな。」
オーガの後ろから、ゴブリンとオークのダンジョンマスターがついて来ている。
大鬼、中鬼、小鬼の三点セットかよ?
しかしいつの間に舎弟関係を作ったんだ?
新たなダンジョンマスターがこのダンジョンマスター街にきてさほど時間が経っていないだろうに、それにしてもゴブリンとかオークとかよく選んだものだ。
「おい‼全部よこせ!!」
「5,000万ポイントですがよろしいでしょうか?」
さすがマイヤーだな、オーガが脅してきても平然としている。
「あんだと❗俺はよこせと言ったんだ❗」
「そうでやんす!よこすでやんす!!!」
「とっとと出すんだな。」
影からみていても仕方ないか、他の客にも迷惑だ。
「おい、お前らにやるもんなんかなにもない‼とっとと出ていけ。」
「あん?なんだ、お前は❗いいから、全部よこせ!!」
ハー、脅せばなんとかなると思っているんだろうか?
話気にもならん。
「迷惑だ。消えろ。」
俺は大中小の鬼たちを出禁設定にした。
ふー、静かになったな。
「おい‼あの店はどこだ❗」
「消えたでやんす!!!!」
「いつの間にか外に出たんだな。」
訂正外がやかましい。設定変更、存在消去だ。
これでよし。まあ、ホントに消えた訳ではないんだが、これでお互い認知できなくなった訳だ。
「さて、ダンジョンマスター諸君、礼儀を守って買い物をしてくれ。後マニアルをしっかり読んでおいた方がいいぞ。」
大中小の鬼が消えたことに戸惑っている連中に俺は声をかけたら、さっきまでカウンターに詰めかけていたのにきれいに一列に並んだ。
やればできるんじゃないか。
しかし、こうなるとエリーゼの店がどうなっているのやら心配だな。
「マイヤー、店を頼む。少し出てくる。」
「ハイ、お任せください。」
街の様子を見にいくついでによって見ようか。