42、戦闘準備
「ネス様、リザードマンとハーピーが争いを始めました。」
バートンがそう偵察の報告をしてきた。
「思った以上にあいつ等は単細胞なのか?」
ただ、リザードマンとハーピーの仲を少しでも悪くしようとシャドーイータ―に取りつかせたリザードマンを送り込んだだけだったんだがな?
まあいいだろう、お互いに潰しあってくれる分には問題ないな。
いや、あるか。
こちらからは、攻めこむのが難しいからな。
できれば迎撃戦がベストなんだが、それは難しくなる。
どうしましょうかね?
当面は静観かな。
あとは、リザードマンの誘拐かな?
ハーピーと戦いはぐれたリザードマンをつれてこさせようか。
ある程度までの傷であれば治せるしな。
うちの治療班がだが……。
当面は治療後は檻にいれておくかな?
いずれシャドーイータ―を憑依させるとしても今はポイントを残して置きたいからな。
治療班も、もう少し補強しておかないといけないか。
現状で回復魔法が使えるのは、コボルドが5体とウットドールが10体、薬師スキルをもつウットドールが20体のみでその内各下位ダンジョン二つに回復魔法持ちのウットドールを2体づつ、派遣している。
今のところ問題はないがこのままダンジョンの拡大を続けるともう少し増やす必要があるな。
とりあえず、緊急せいはないから保留しておくか?
ダンジョンエリア内であればウットドールで事足りる。
しかし外に出ることも考えるとギルマン、ワーバット、インプにも回復魔法を持ったものも必要だな。
一体づつならば召喚しても問題ないな。
おっと、思考の方向がずれていたな。
とりあえず、リザードマンとハーピーの中を裂くことはできた。
まずはリザードマンからだと考えていたので挑発もかねて埋め立てをパペットに命じていたんだが、一旦埋め立てをやめさせようか。
いずれ、こちらの策略であることに気がつくだろうから防衛戦の準備をしておかないといけない。
和解をしたリザードマンとハーピーの共同で攻めて来ることも念頭にいれておかないとな。
和解したとしてもそんなに仲がよかった訳ではないだろうし、今回の件で関係にひびが入っているだろうから連携は良くないだろう。
埋め立て作業から外したパペットには、塹壕をほってもらおうか。
南側のハクイ率いるハニービーたちの巣の両側に設置しよう。
簡易な砦として使えるからな。
それに水際から1キロ弱離れている。
余り水際過ぎると水中に逃げられるからな。
陸上であればパペットやコボルド等も戦力としてカウントできるからな。
できるだけ多くの戦力を削りたいものだ。
追撃要員としてギルマン、ワーバット、インプを主力になるからもう少し数を増やしておかないとな。
あと、問題はハーピーの数が不明な点だな。
1度にどの程度の数で攻めて来るのか?
攻めて来た数はハーピー全体の何%なのか?
パペットたちがどの程度ハーピーを落とせるのか?
シャドーイータ―をハーピーにも憑依させよう。
リザードマンの時のようにさらいにいくことは難しいだろうが、戦闘で傷をおったものならなんとかできるだろう。
情報は大事だ。
孫子いわく、敵を知り己を知れば百戦危うからず、敵を知らず己を知れば一戦一敗す、敵を知らず己を知らずば、戦うことあたうじ、と言うしな。
知ってる孫子はこれだけだが。
やはり近代や科学知識以外なら知識として活用は可能なようだな。
それに戦術に関して大丈夫なようだ。
そんなに詳しい訳ではないがな。
あと準備しておくことは、戦闘時に発生するポイントの確保だな。
できるだけ戦場になるエリアに魔素石を埋めておくべきだ。
エリア内で倒した方が回収率が高いのだ。