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シムダンジョン  作者: ワッシー
盆地制覇
45/96

36、そう成長するものではないな

店に行くとエリーゼとマッチョな鬼の男が待っていた。

こいつがモーブか、食材神(笑)の称号がついたとき最初に突っかかってきたやつか。

しかしなんのようだろうか?

称号が付くぐらいだから敵対心があるとは思えんがな。

他に考えられるのは仕入れかな。

違うな、個人的に買うなら別段俺を呼ぶ必要はないし、エリーゼのことを食の女神なんて呼んでいるんだから飯を作れるはずはないか。

ええい、考えていてもしかたない、直接聞くことにするか。


「とりあえず座ってくれ。」


「ありがとう、失礼しますね。」


エリーゼは、素直にカウンターにある椅子を座ったんだが、モーブは座る気配がない。


「マイヤー、お茶を頼む、モーブだったかお前も座ったらいい。」


「では失礼します。」


なんか緊張しているのかな?なぜだろう?エリーゼの店の時の勢いがない。


「で、なんのようだ?」


「うちの店にも魚を卸して欲しいのとまだ、かくし球があるんじゃないかな?なーんて思うので教えてくださいます?」


駄狐だった癖に鋭いな、まあ、魚はおろす気だったしかくし球も完成すればうちのダンジョンの分を確保したあまりならば構わないが。

さて、どこまで教えてやろうか?

煮干し位でお茶を濁しておこう、あとは貝類の一部でよいか、鯖節はしばらくかかるから言わないでおこうか。

米も乾燥待ちのところまで来ているが、元々少量しかなかったし、清酒の開発もしたところだ。

現状で米の量は120キロ位取れそうだが、多分半月もたないんじゃないかな?

まだ、商品として出すわけにはいかないな。

オークションの方に出してみようか?そうしよう。


「魚を卸す分は問題ない、それと加工途中のものとして煮干しがある、他には貝類が少しあるがどうだ?」


「昆布はないのですか?」


「うちのダンジョンはかなり南の方にあるから昆布はないよ。細かいことはマイヤーと相談して決めてくれ。」


「わかりました。それとパペットを何体かお願いできませんか?1人でお店を回すのが厳しいんです。」


ちょっと困った顔でエリーゼはいった。


「パペットか、残りポイントが一体分しかない、とりあえず一体買ってくれ、それから2体目を召喚しよう。スキルは家事と料理でよいか?」


「はい、それでよいです。え~と、いくら必要になります?」


「では、《ウットパペット召喚》。では、ポイントを精算台に。」


「これでいいですか?」


「OK、ウットパペット権限移譲エリーゼ、もう一体召喚します、《ウットパペット召喚》。もう一度精算台に。」


「わかりました。」


「ウットパペット権限移譲エリーゼ。これでいいかな?」


「ありがとうございます。」


エリーゼは、尻尾を振って喜んでいる、しかし、そう日がたっていないのにうまく稼いでいるようだ。


「・・・・・。」


あれ?急に尻尾が止まって泣きそうになっているんだがどうした?


「お魚を買う分の余裕がなくなってしまいました。どうしましょう?」


駄狐が成長したと思った俺が悪いのか?

最初に甘やかしたのが悪かったのか?


「自分で考えろ、駄狐!!」


「ひどーい!!ネスさんのいじわる!!」


駄狐が騒いでいるようだが放置しておこう、それよりもモーブだったか?マイヤーが出した茶にも手を出さずにじっとなにかを思案している。

面倒だから率直に聞くか。


「モーブだったか?そっちはなんのようだ?」


「え?あ、はい・・・・も、申し訳ありませんでした‼」


モーブは行きなり土下座をしてきたけど、何を謝っているのやら?


「なんの詫びだ?」


理由は単純なことだった。

モーブが絡んだ結果俺が逃げたので食材を止められると皆に攻められたようだ。

他のダンジョンマスターの大半は食材に関しては駄狐と似たり寄ったりの状況だったらしく、俺からの食材提供がないと困るやつが多いらしい。

それで最初に絡んだモーブが代表して謝りにきたそうだ。

元々気にはしていなかったが、許すと答えるとホッとした様子だった。

まあ、逃げたのは崇められるのが恥ずかしかっただけなのだが……。


「もうその話は終わりでよい、それよりも聞きたいことがあるんだが?」


「俺にわかることなら何なりと。」


「魔石に関してはなんだが、魔素を処理したものが結構売れているのだが、魔石は手に入らないのか?」


「少しはあるんですが処理ができないんですよ。」


「やはりそうか、未処理のものと処理済のものを、そうだな3対2で交換すると言えばどうする?」


「え、いいんですか?だったら在るだけ持って来ます‼」


「こっちの処理のキャパの限界もあるからある程度の制限をする必要がありそうだな、そうだな持ち込みの数を1日15個でどうだろうか?」


「ありがとうございます。それで十分助かります。魔石の必要な罠って結構あるんですよ。」


「じゃ、宣伝しといてくれ。」


「わかりました。では今日はこれで失礼します。」


「ちょっとまて、1つ頼みたいことがあるんだが聞いてくれるか?」


「俺にできることならいいですが。」


「近々、オークションに米を出すつもりなんだが宣伝して置いてくれるか?」


「米っすか?オークションに出さなくても俺が言い値で買います‼」


「ダメだ、量がないからオークションに出すンだよ。それにあと2ヶ月もすれば商品として出せるぞ。」


「わかりました。宣伝しときますけど、絶対落札しますんで‼」


「では、3日後に出品するからよろしく。」


「わかりました、では失礼します。」


「あ、ちょっとあれを持って帰ってくれよ。」


まだわめいている駄狐の方を指さしながら言うと、


「失礼します‼」


モーブは逃げ出した。


しかたないか、ここはマイヤーに任せて俺も逃げるとしようか。









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