29、コンサルティング
いきなり扉開けてエリーゼが泣きそうな顔で「お願いです、助けて下さい。」と飛び込んで来た。
「どうしたんだ?」
「はい、アドバイスに従ってお店の準備をしていたのですが、芋以外食材がないことに気がついたんです。でも、お皿とか机とかを買ったのであまりポイントの余裕がないんです、助けて下さい。」
さて、このあほの子はどうしたものか?
最初はウチで料理も売るつもりであったが、エリーゼとか土中とかに飯を食わせた結果めんどくさそうな気配がする。
食材のみ売った方がよさそうだな。
となると、エリーゼに料理屋をやらせて材料を売るのが得だろうな。
しかし、エリーゼはあほの子だからな。
普通にやらせるとすぐにダメになるだろう。
いや、もうダメになっているか。
安定させるにはかなりてこ入れが必要になるな。
ただ投資するのもな。
俺だよりで自分で考えないようになっては困る。
どのぐらいあればよいかな?
購入する人数は、ダンジョンマスターが80人、捕まえた冒険者を愛人にして囲っているものもいるだろうから100人と考えようか。
その内、自炊をするのが半分位かな?
50×3食で150食、多少買いだめや大食いのものもいるだろうから180食位用意しておく必要があるな。
いくつか種類もほしいから400食分は用意したいところかな?
あとは少なくなったものを補充すればよい。
アイテムボックスがあるからできることだが。
ウチの食材の販売が一箱で大体10食分位入って5~10ポイント、肉が10キロ(ミニカウ一頭分)で40ポイント、調味料を一式揃えて200ポイント、テイクアウト用の箱を100個20ポイント位でうるとして合計ざっと500ポイント位かな?
さらに、1人ではきついだろうからパペット一体500ポイント、1000ポイント分投資する必要があるが、リスクが大きい気がする。
「今、いくらポイントが残っている?」
「え~と、100ポイント位です。」
「さっきは、500位あるって言ってなかった?」
「お鍋とか食器とか机とか買ったので。」
食材買わずに何をしているんだか。100ポイント位残っていると言ったがそれはダンジョン運営費の変動幅として置いて置く必要がある分で、使えないだろうが。
「何か売れそうなものはないか?」
「え!!!」
いや、体を抱きしめて後退りをするなよ。
おい、後ろのドワーフ!なんてひどいやつだって顔で非難の視線を送るんじゃない。
ロッテ?マイヤー?メイドは見ていませんよ、て顔をそむけないで‼
ミクは見てないよ、と顔を手で覆っているが指の間から興味深々といった目が輝いている。
味方がいねぇ~。
エリーゼは確かにかわいいし、狐耳もいいと思う、スタイルも胸部装甲がかなり足りない気もするがスレンダーでよい、そしてモフモフのしっぽだよいのだが、アホの子過ぎて手を出す気にはならんな。
「はー、お前ら何を考えているか知らんが、配下のネームドモンスターや捉えた冒険者、冒険者の武具、道具、コイン、ダンジョン内でとれるものなんかのことだぞ。」
「そ、そ、そ、そうですよね‼わかってますよ。……チッ……。」
「でだ、1人で回すとしてあと500ポイント位必要になるんだが何かないか?」
「鉱石なんかじゃとワシが買ってやってもよいぞ。」
土中は鍛冶だったな、鉱石は欲しいだろう。
「え~と、冒険者さんが落としていった武器でもいいんですか?」
「ああ、それでいい。あしたにでも査定しに行くから迎えに来てくれ。」
「わかりました。集めて見ます。では失礼しました。」
さて、なにが出てくるかな?
それなりのものが出てくればよいな。
コインなんかもその内必要になるかもしれないからある程度ほしいものだな。
こっちはこっちで必要なものを用意しておいてやるか。
簡単な弁当箱も必要になるな。
木工持ちのパペットに作るようにいっておこう。
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次の日
朝早くマイヤーが起こしに来た。といってもダンジョン内では時間の感覚がないんだがな。
え~と、エリーゼが店に来ているって?
ああ、そういえば、時間を決めていなかったな。
「お早うございます。」
アホの子だが礼儀は知っているようだ。
早朝でなければだがな。
「おはよう。」
「では、いきましょうか。」
「待て、朝めし位食べさせろ。・・・・・・・・、お前もどうだ?」
チワワのように見つめるんじゃない。はぁ。
まあ、商品として用意したものが沢山残っているからな、消費しておかないといけないからな。
食事がおわって、エリーゼの店に向かう。
俺の店に看板を作らないといけないな。エリーゼの店ににも。
店に入ると床1面には、武器や道具なんかが大量にある。
大半は折れたり、かけたり、錆びたりしているものが多い。
評価額は低いがこれは買いかな?
「この壊れたりしているのは全部で200ポイント位でいいか?」
「はい、大丈夫です。」
「あとはこの剣が10本で300ポイント、硬貨類が全部で200ポイント、斧やメイス、槍を合わせ300ポイントといったところかな、ポイントでかう7割位だがどうだ。」
「はい、問題ないです。」
「じゃ俺のところに転送しておいてくれ。合わせ1000ポイントでよいな。次は、ウチの店に戻るぞ、食材がいるんだろう。」
「はい、今、いきます。」
店に戻って先に用意したものを出していく。
「サービスをしてこんなところだろう。全部で500ポイントでどうかな?」
「え、いいんですか?さっき1000ポイントで買ってくれましたよね?」
パペットを買うとちょうど1000ポイント位だからな、まあ、買えよとは言わないが。
「多少残しておかないとな。」
「ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。」
エリーゼは、礼をいいながら頭をさげつづけている。
「だいたい500食分位ある。調味料をもっとかな。店内で食事をすれば2ポイント、テイクアウトでは2食で3ポイント位で売ればいいだろう。あとは宣伝を頑張ってくれ。」
「はい‼ありがとうございました。」
「こっちは、食材の販売で稼がせてもらう。気にするな。」
「一杯売って、一杯買って、お店に貢献します‼」
これでなんとかなればよいが、ダメならもう知らんぞ。