【序】
記憶に残るその少年は黒、とも、茶、ともつかない深い色の瞳をしていて、影の薄いおとなしい子供だったと思う。
話しかけると恥ずかしそうに笑って、白い肌がピンク色になった。女の子みたいに細い声で、それでも、正しいと思うことははっきりと口にしたからびっくりしたことを憶えている。
ある晩、すさまじい青嵐が空を駆け、海や川、森や町をなぶっていった。
翌朝、母親がいつまでたっても起きてこない息子を起こしに部屋へ入ると、少年の姿はなく、開け放たれた窓辺は雨で水浸しになっていた。
青嵐に攫われた。
竜樹は戻って来ない。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。