終わらない夢
やはり、服部は優しいヤツだった。
探偵のライバルとして、仲間として、相棒として、
これ以上の相手はないと思えた。
でも、そんな奴の優しさが、痛い。
本当に、立ち直らなきゃ申し訳ないと思う。
でも、心の傷が、それを許そうとはしない・・・。
「なぁ工藤、お前・・・ちゃんと寝とるんか?」
大阪二日目の夜。オレは服部の家で世話になっていた。
「あんま寝てねーな。どうしてもの時は睡眠薬で無理矢理。」
「そうか・・・。」
また、長い沈黙。服部の気遣いがもたらした間。
「オレさ、もうほんとに、生きてる意味がわかんなくなっちまってさ・・・。
志保が死んだときだって、あんなに泣いたのに・・・。」
半分雲に隠れた月が、窓の外からオレを薄く、消えそうな灯りで照らす。
服部は、隣でじっと聞いている。
「泣いたのに、そのうち腹は減る。日々の忙しさに、あいつの顔を忘れる。
・・・やなヤツだよな、オレ。」
「工藤・・・。おまえ、もうそのこと引きずらんでええんちゃうか。
なんか・・・もううまく言葉にできんのやけど、苦しむお前の姿、痛々しくて見とれんのや。」
俯く服部。長い沈黙。
・・・痛い。
「早く夢、覚めてくれねーかなぁ・・・。夢が現実に変わらないうちに、
早く、朝が来て欲しい・・・。」
また、涙。最近、たががはずれたように泣くことが多くなった。
「おい、工藤・・・
「これは、夢なんだよ。夢から覚めて、そこからまたジンとの戦いが始まるんだ。
それで、今度こそ生きて還ってきて、遺書を破り捨てて、
それで、言うんだ。『好きだ。』って・・・。」
服部の言葉を飲み込んで、オレは一気にまくし立てた。
「そう思ってねーと、生きてけねーんだ・・・。」
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