大阪へ
夢を見た。長い長い、あの日の夢。
でも、違うことが一つある。流れているのは、オレの血。泣くのは、志保。
ああ、こいつの命は守ってやれた・・・。
そう思った瞬間、冷たい現実の世界へと、呼び戻されってしまった。
「新一ぃ〜!?もぉ〜っ、最近の新一は変だよぉ〜っ!?」
蘭の声が、聞こえる。
もう・・・昔には、戻れやしない。
「んあぁ。んで?服部のとこに行くんだっけ?」
「うん!新一、修学旅行行ってないでしょ?だから、服部君のところに行って、
大阪と京都、案内してもらおうと思って・・・。」
そう、高三、もう受験も終わり、すぐ卒業式がやってくる。
東都大学への進学。・・・コナンになる前は、考えても見なかったことだ。
ただ・・・、蘭と、離れたかった。
理由なんかない。言い訳かもしれない。
帝丹高校へ戻ってきた三年の夏。
全ての思い出を忘れるために、オレはただ、ひたすら机に向かった。
約1年のブランクなんて、なんてことはない。
参考書片手に、机を並べて、勉強を教わった日々。
溶けた氷の中のものは、あっという間に壊されてしまった。
きっと、今回の旅も、服部の発案なんだろう。
温かい心遣いに、胸が痛む。
また無気力のうちにカレンダーは移り変わり、
泣けない卒業式を超えて
また大阪に戻ってきた。
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